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『MINAMATAーミナマター』田園調布学園オンライン訪問交流会レポート

水俣病を世界に知らしめたもう一人の主人公アイリーン・美緒子・スミスが次世代へ思いを語る「映画の出来事は今に繋がっている。行動すれば、道は切り拓ける」≪田園調布学園オンライン訪問交流会レポート≫

『MINAMATA―ミナマター』を9月23日(木・祝)にTOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開となります。
MINAMATAーミナマター© Larry Horricks
この度、写真家ユージン・スミスと共に水俣病の実情を世界に知らしめた、元妻アイリーン・美緒子・スミス氏をゲストに迎え、96年度から九州の学習体験旅行で毎年水俣を訪れるなど、水俣病や公害病への学習に力を入れる都内の高校「田園調布学園」高等部1年生と3年生の生徒約400名との交流会を行いました。
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『MINAMATA−ミナマタ−』田園調布学園オンライン訪問交流会

日時:9月1日(水)Zoomにてアイリーン氏と中継
会場:田園調布学園高等部 講堂
参加生徒:高等部1年生と3年生(約400名)
登壇:アイリーン・美緒子・スミス氏(オンライン)

映画情報どっとこむ ralph 田園調布学園 高等部1年生と3年生の生徒約400名が集まった講堂で本作を上映後、ゲストであるアイリーン・美緒子・スミス氏がオンラインにて登場!映画の余韻冷めやらぬ中、交流会がスタート。
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盛大な拍手とともに画面に登場したアイリーン氏。挨拶とともに「映画を通して、いろいろ感じとってくれたらとても嬉しいです。」と笑顔でコメント。まず、生徒のひとりが感想を述べる。「劇中で、水俣の人たちが初めてユージンさんに賛同したシーンがすごく印象に残っています。また多くの試練を乗り越えたユージンさんとアイリーンさんふたりの芯の強さにとても感動しました。」ほか、「ユージンさんの報道写真家としての思いや仕事に対する姿にとても感動しました。公害の罪深さや真実を伝えるための執念、そしてひとつの命の大切さなど、様々なメッセージが込められていた作品でした。」といった声や、「世界の公害や、水俣で起こった悲劇をもう二度と繰り返してはいけないと思いました。」、「ユージンさんが諦めそうになっても、アイリーンさんが何度もユージンさんを支えていたことに感動しました。」と、本編を観終えた生徒から熱い感想が続々とあがった。

続けて生徒からアイリーン氏への質問の時間へ。「劇中で水俣の写真を撮ることをユージンさんに提案していましたが、そもそも水俣の人たちとどのような交流があったのですか?」と尋ねる生徒。アイリーン氏は「実は、私たち二人とも、水俣のことについては何も知らなかったんです。当時、私は富士フィルムの仕事でユージンに初めて会いました。そんな中、日本から元村和彦さんという方が来て、水俣のことを教えてくれたんです。初めて水俣病のことを聞いて、驚き、すぐ水俣に行くことに決めました。」と当時を振り返る。続けて、「水俣病の患者さんへの取材を進めることについて、抵抗感はなかったのですか?」という質問に、「病気を見せて記録させる訳なので、簡単なことではありません。でも、水俣の皆さんは安心できる人になら、撮ってもらっても良いというのはありましたね。その環境づくりのために、既に水俣で撮影をしていた方達に、患者さんなど紹介してもらいました。大切なのは、どんどん主張して自分の気持ちを伝えることです。すると、患者さんたちも自分達の熱意を積極的に受け入れてくれました。」と語る。ほか「公害や、環境問題と向き合うときに、どのような思いで問題に接するべきですか?」という質問については、環境問題に対する持論を語りながら「一番重要なことは、自分の長所をどう活かすかだと思います。自分にしかない長所は宝です。そして、気になったことがあれば、どんどん聞いていくことが重要。周りを気にせず動くことも大切だと思います。目の前で起こっていることについて反応して行動する。そうすれば自然に前に進んでいけると思います。」とご自身の生き方を振り返り、人生を歩んでいくためのアドバイスを送る場面も。
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「抗議活動の現場など、ユージンについて行って怖いと思ったことはありますか?」と尋ねられると、アイリーン氏は「暴動の際、髪の毛などを引っ張られたりしましたけど、怖かったという覚えはないです。カメラを手に持っているので、記録しないと!と集中していたからですね。」と振り返る。

最後にアイリーン氏が生徒たちに向けて「どうしても伝えたかったのが、この映画の素晴らしいところは、ジャーナリズムの重要性を伝えているところだと思います。映画を観て、改めてジャーナリズムについて考えるきっかけを持ってほしいと思います。そして、映画で描いた出来事は、遠い昔の人の話のように思えますが、今に繋がっているんです。被害者が立ち上がって、多くの人々が関わり、実現したことというのは、現在の環境にも良い影響を与えています。その時代の人々が頑張ったおかげで、今の自分がいる。そして、次世代も行動して世の中を良くしていき、繋げていくことが重要です。皆さんも元気で頑張ってください。ありがとう」と感謝とともに、生徒たちに熱いエールを送り、イベントを締めくくりました。

映画情報どっとこむ ralph 『MINAMATA―ミナマター』
原題:MINAMATA

9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開

公式サイト:
longride.jp/minamata/
『MINAMATAーミナマター』青木柚xジョニー・デップ
MINAMATAーミナマター© Larry Horricks
【ストーリー】
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀におかされ歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側──そんな光景に驚きながらもシャッターは冷静に切り続けるユージンは、チッソの社長からのネガを大金で買うという申し出を拒否したために危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。
『MINAMATA(原題)』
『MINAMATA(原題)』
【ウィリアム・ユージン・スミス William Eugene Smith】
1950年東京生まれ。アメリカ人の父親と日本人の母親をもつ。1968年、スタンフォード大学入学。1970 年に語学力を生かして通訳者として富士フイルムのコマーシャル制作の仕事に携わりユージン・スミスと出会い、結婚後すぐに水俣に移住。1983年コロンビア大学にて環境科学の博士号取得。1991年、環境市民団体グリーン・アクション設立。『MINAMATAーミナマター』POSTER

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製作:ジョニー・デップ
監督:アンドリュー・レヴィタス
脚本:デヴィッド・ケスラー
音楽:坂本龍一
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子and ビル・ナイ
作品コピーライト:© 2020 MINAMATA FILM, LLC  
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド
配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/日本語字幕:髙内朝子
写真コピーライト:© Larry Horricks 
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