映画情報どっとこむ ralph 『そこにいた男』の片山慎三監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に三度目の登場。これまでトークの相手を務めてきた映画評論家の森直人が今回もMCを担当し、企画の成り立ちから物語の着想、登場人物のディテールなど、本作について深堀りしている。

長編デビュー作である『岬の兄妹』が話題を呼び、多方面から高い評価を受けた片山監督。本作は、そんな片山監督が『岬の兄妹』のスタッフを再招集して臨んだ短編映画で、一人の男性を想う女性の姿を通し、“純愛のかたち”を描き出している。主人公の紗希役に清瀬やえこ、紗希の愛する男・翔役に安井秀和が配され、中村映里子、水口早香、松浦祐也らが脇を固めている。
映画情報どっとこむ ralph 本作について「『そこにいた男』はクライムサスペンスであり、ラブストーリーでもある。面白く拝見しました。短編ながら、濃厚ですよね」と感想を述べている森。片山監督は、「短編の割には、詰め込めるものを詰め込めるだけ詰め込みました。7分程度の短編作品は撮ったことがありましたが、30分は初めてです。短い作品ならワンアイデアで勝負できるところがありますが、30分となると、いろいろやらないといけませんよね」と語っている。

本作は、2019年に新宿区で起こった事件をモチーフにしたもの。「実際に起こった事件はあくまでこの物語の着想の原点なだけであって、“映画の現場”という自分のよく知っている世界に設定を変更しました。あまり馴染みのない世界のお話だと、取材もしないといけません。予算や時間の制約の中でできることをしました」と語る片山監督。「この物語にあるような光景って、実際に見たことあるんですか?」と森が尋ねると、「業界内では割と耳にする話ですね……」と片山監督は答えている。

ありふれた関係性から生まれる悲劇という意味では、実際に世の中で起こる事件とも通じるところがある。脚本を担当しているのは、『グッド・ストライプス』や、2021年2月に公開される『あのこは貴族』などの監督である岨手由貴子だ。森が「岨手さんが『そこにいた男』のようなハードなものを書かれるというのは意外でした」と口にすると、「女性同士の諍いみたいなものを描くのが、岨手さんは抜群に上手いんですよね」と片山監督。これに森は、「たしかに彼女が手がける作品にも、シーンとしてはそういったものが見られますよね」と納得の様子。片山監督は「そういったものは自分には絶対に書けない。だから『岨手さんにお願いしよう』と思ったんです」と続けている。時間軸が交差する物語の構成などが、監督自身の意向として脚本に反映されたらしい。

また、トークはキャストの魅力についても及んでいるほか、片山監督作品ならではの演出などにも濃厚に触れている。

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あらすじ
深夜、とあるマンション内のエレベーターホールで血だらけの女・紗希が座り込んでいる。彼女は煙草を吸いながら、スマホで誰かに電話をしている。その横には、意識が朦朧とした血まみれの男・翔が倒れている。その光景にカメラを向ける住人らや、慌ただしく無線を飛ばす警官たち。取調室では、二人の刑事と虚ろな目をした紗希がいる。彼女は柔和で悲しげな表情を浮かべながら、翔との関係を話し出すーー。
二人の出会いは2年前にさかのぼる。映画製作のスタッフとして下働きをしていた紗希は、撮影現場で俳優の翔と出会う。連絡先を交換し、ほどなくして二人は体の関係を持つまでになる。紗希は翔を愛し、借金を重ね、番組の製作費を盗んでまで彼に身も心も捧げていた。だが、そんな翔には“もう一人の女”の影が……。事件に至るまでの全貌が明らかになるとき、女たちの狂った“純愛のかたち”を知ることになる……。

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監督:片山慎三
出演:清瀬やえこ、安井秀和、中村映里子、水口早香、松浦祐也

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