第72回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督最新作『その手に触れるまで』が6/12(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開いたします。 2019年、カンヌ国際映画祭でのワールドプレミア上映では拍手を贈るティルダ・スウィントンの姿があった。ウォルター・サレス監督やアモス・ギタイ監督が称賛を贈り、「鮮やか!作品の強度に驚嘆する」(ガーディアン)、「シンプルでいて、心を掴んで離さない!」(ヴァラエティ)と世界のメディアも絶賛した『その手に触れるまで』。 一足先に鑑賞した濱口竜介監督や作家の樋口毅宏、劇作家の長塚圭史ら作り手たちの心を掴み、各界の著名人からコメントが寄せられています。 |
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ワンショットごとに生の只中へと放り込まれる。あまりにささやかな奇跡が、全ショットを満たす。その手腕を今はまだ「魔術的」としか形容しようがない。少年のまったく信用ならない、だからこそ最も信用できる改心の瞬間。私たちがダルデンヌ兄弟の偉大さを真に知るのは、「現代社会」から遠く隔たった未来の話だろう。その不幸と、彼らの新作に同時代で立ち会う幸福はどちらが大きいだろう。それがわかる日まで、繰り返し彼らの映画を見るほかはない。——濱口竜介(映画監督)
淡々と、静かに語られる「いま欧州で起きていること」。 世界中の大人たち、それぞれの正しさや信じる道ってどう見つけてきたんだろう。 語り合えばきっと互いに分かり合えるというのは幻想である。分かり合えないという現実から目を離さない激烈な映画である。その現実を前に立ち止まるのか、思考を始めるのか。観客に託されるものは大きい。——長塚圭史(劇作家/演出家/俳優) ラスト全面肯定!あのまなざしの優しさはどこからくるのか。 思い通りにならないとき、人は人のせいにする。人のせいにすればするほど、思い通りにはならなくなる。戻る道を見失った先にある、わずかな光源を抱きとめた。 過激主義に「洗脳」されたアメッド。私がシリアやイラクで取材した元IS戦闘員の少年らと重なる。テロや戦争に利用される子供たちと、どう向き合うのか。この物語をフィクションと見るべきではない。——玉本英子(ジャーナリスト「アジアプレス」) |
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『その手に触れるまで』
6月12日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー! Twitter: 第72回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞 |
監督・脚本:ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演:イディル・ベン・アディ、オリヴィエ・ボノー、ミリエム・アケディウ、ヴィクトリア・ブルック、クレール・ボドソン、オスマン・ムーメン
エンディング曲:フランツ・シューベルト「ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960 第二楽章 Andante sostenuto」(演奏:アルフレッド・ブレンデル)
後援:ベルギー大使館 配給:ビターズ・エンド
2019年/ベルギー=フランス/84 分/1.85:1 映倫:G
英題:YOUNG AHMED 原題:LE JEUNE AHMED