長編デビュー作ながらカンヌ国際映画祭に選出されカメラドール(新人監督賞)ほか3冠を受賞、アカデミー賞外国語映画賞〈ベルギー代表〉選出、ゴールデングローブ賞外国語映画賞ノミネートという快挙を成し遂げ、評論家・観客からは“ニュー・ドラン(第2のグザヴィエ・ドラン)”とも称される、今世界が最も注目する新鋭監督ルーカス・ドンの『Girl/ガール』が、7月5日(金)より公開となります。
この度、メガホンをとったルーカス・ドン監督が来日し、ジャパンプレミアを行いました。 『Girl/ガール』 ジャパンプレミア |
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第2のグザヴィエ・ドランと言われる監督ですが、どちらかと言うと、ジョージ・マイケル風。
初来日となる監督は、 ドン監督:映画学校を卒業して、『Girl/ガール』が長編デビュー作になります。日本に持ってくることが出来て、そして皆さんにお見せ出来ることを嬉しく思います! と笑顔で観客に挨拶した。まず、実際の記事からインスピレーションを受けたという本作製作の経緯について、 ドン監督:私が18歳だった2009年頃、当時15歳のノラさんの記事を読んだことから始まりました。彼女はトランスジェンダーで、バレリーナを夢見ていました。この作品とは違いますが、男性から女性のクラスに変更を願い出たところ、それを学校に断られたことが記事になっていたのです。世界が常に自分のアイデンティティを変えようとしている中、あるがままの自分であろうとした姿に、インスピレーションを受けました。彼女は、自分を取り巻く規範や考えを壊そうとしていたし、自分を裏切ることなく闘っていた。当時の自分は周りのイメージに合わせてしまった経験があったので、彼女のことを知った時に、大きな敬意を感じました。 と、熱い想いを語った。 またトランスジェンダー役のキャスティングについて、なぜジェンダーを問わず募集をかけたか聞かれると、
と、1年半を経たというキャスティング秘話を明らかにした。 観客からの質問にも答えた監督。天才振付師シディ・ラルビ・シェルカウイが振り付けを担当した本作では、クロースアップでの撮影が多く採用された。シェルカウイ本人もこのプロジェクトにワクワクしていたそうだが、 ドン監督:初期の段階で、実際の振り付けはあまり撮ることが出来ないと伝えた。もったいない気持ちもあったが、肉体や表情を近いところから撮ることで踊りが肉体にどんな影響を及ぼすのかを撮りたかった。 と渾身のダンスシーンについて説明した。 サウンドとライティングについての質問に及ぶと、シーンによっては光によって何かを伝えようとすることもあると前置きし、 ドン監督:この作品の脚本を書いている時にインスピレーションの一つとなったのが、イカロスの神話で、照明のことを考えたときに、実際に日光を取り入れたいと思うようになりました。他には、肉体が誇張されるシーンでは青のネオンぽい照明を、肉体的な触れ合いがあるシーンでは赤の照明を使いました。 またサウンド面では、トウシューズの音に関連して ドン監督:ララが型にはめようとするということは、トウシューズに足をはめようとすることのメタファーですね。 と音にまで隠された意味を語った。 |
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最後に・・・ドン監督は、観客の写真撮影にも応じ、その人柄の良さを発揮。
弱冠27歳ながら、カメラドールを受賞した監督の映画製作の秘訣が存分に明かされたイベントとなりました。 バレリーナを夢見るトランスジェンダーの少女ララ。 『Girl/ガール』 15歳のララの夢はバレリーナになること。しかしそれは簡単なことではなかった。 だが、初めての舞台公演が迫る中、思春期の身体の変化により思い通りに動けなくなることへの焦り、ライバルから向けられる心ない嫉妬により、彼女の心と体は追い詰められ・・・。 |
監督・脚本:ルーカス・ドン
出演:ビクトール・ポルスター、アリエ・ワルトアルテ
(C) Menuet 2018
後援:ベルギー大使館
提供:クロックワークス、東北新社、テレビ東京 映倫:PG12
配給:クロックワークス、STAR CHANNEL MOVIES