スパイク・リー監督最新作『ブラック・クランズマン』が3月22日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開!
1979年に黒人刑事が過激な白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に潜入捜査するという大胆不敵な事件を克明に綴った同名ノンフィクション小説を鬼才スパイク・リー監督が映画化!! アカデミー賞Rにて、脚色賞を受賞した『ブラック・クランズマン』。 本作の公開を記念し字幕監修のオーサカ=モノレール 中田亮さん登壇のスペシャルトークショーが行われました。 本作を「この作品が問いかけるのは、この恐ろしい時代に映画は真実を伝えるか、ということです。すこしひねくれ者のスパイクらしい、挑戦する大御所たる彼にしか作りえない作品。」と賛辞を惜しまない中田さんによる、独自の観点からの解説が行われました! 『ブラック・クランズマン』スペシャルトークショーイベント |
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上映後の熱気冷めやらぬ中、登場したのは本作の字幕監修を担当したファンクバンド・オーサカ=モノレールの中田亮さん。
中田さん:僕の本業はジェームズ・ブラウンの研究家です。この映画の中でも彼の歌詞の話が出てくるんですよね。本当はそのシーンの字幕で名前入れたかったんですけど、J・Bって短くしちゃったので伝わりづらかったかも。ロンとフリップが黒人の喋り方を研究しているんですけど、あれおかしいんですよね。KKKに潜入するのに黒人の英語の喋り方を練習しているんですよ。今日はそんな映画の話をしていきたいと思います。 |
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〇スパイクが描くダメ主人公!彼が遅刻するにはわけがある!?
中田さん:映画の中で「WAKE UP!」ってずっと言われてる、主人公ロンはまだ目覚めてないボンクラヒーロなんですよね。遅刻してまた遅刻して・・「WAKE UP!=目を覚ませ!」というのはスパイク・ 〇原作と映画との違いについて 中田さん:この映画は、所謂「事実に基づくお話」じゃないんです。入り口は本当の話ですけどね。白人警官が潜入捜査したこと、ロンが電話でデビッド・デュークと話して会員証をもらったことも、クワメ・トゥーレの演説に潜入したのは本当です。パトリスという女性が映画に出てきますが彼女は存在しないし、ユダヤ人の話も原作にはありません。そんな現実とフィクションが混ぜて作られているところがパズルっぽくて、この映画の面白いところなんです。 〇KKKの今昔 中田さん:冒頭に出てくる『風と共に去りぬ』は南北戦争を描いた作品で日本では名作扱いされています。南北戦争で北軍が勝利し奴隷が解放された南部で、それに反発した白人たちによって最初のKKKが作られました。この映画にも登場する、松明を焚いて白頭巾をかぶっているKKKのスタイルが1916年以後で第二期のKKKと言われています。映画の中でKKKのメンバーたちが見ていたD・W・グリフィス監督の『國民の創生』はアメリカ初の長編映画になります。白人の黒人に対する恐怖を白人にうえつける内容でとんでもない映画です。この映画がきっかけで第二期KKKが生まれました。公民権法の制定まで黒人に対するリンチ活動は続きました。キング牧師は公民権運動で大きな成果をあげました。その後、ストークリー・カーマイケルが指導者になってブラックパワー運動を始めます。それから黒人のカルチャー、特に音楽が注目されるようになり、黒人のヒーローが活躍し楽しい側面もありました。そんなブラックカルチャーのブームに対して、違和感を持った一人がKKK最高幹部になったデビッド・デュークでした。21世紀になるとブッシュ政権のあとその後オバマ政権が誕生し、リベラリズムの良い時代になったんですが、低所得者層の白人はそんなオバマ政権を苦々しく思っていて、それが爆発して今のトランプ政権が誕生しました。いまだデビッドはトランプ大統領を支持しています。トランプ大統領は今のKKKと言えると映画は伝えます。この二つの時代がとても似ているということを描き出しているわけです。 〇スパイク・リー監督アカデミー賞脚色賞受賞について 中田さん:第91回アカデミー賞で脚色賞を受賞したスパイク・リー監督。「Let’s 〇映画に登場するブラックスプロイテーションについて 中田さん:ブラックスプロイテーションっていうのは、造語なんですが僕は黒人娯楽映画と訳します。71?74年に流行った黒人ヒーローを描いた映画ジャンルです。この映画は最初の『風と共に去りぬ』から、『黒いジャガー』、『スーパーフライ』など映画のことばかり言っているんです。『ブラック・クランズマン』はブラックスプロイテーションのパロディだと思います。この映画にはたくさんのブラックスプロイテーション映画が出てきます。『黒いジャガー』は警察から依頼を受けた黒人私立探偵の話です。『黒いジャガー』の監督の息子が撮った『スーパーフライ』は麻薬の売人の話。『HIT MAN』はその名の通り殺し屋の話です。『クレオパトラ危機突破』は空手を使う女警官が麻薬組織と戦う話。 |
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『ブラック・クランズマン』 原題:BlacKkKlansman 3月22日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開 【STORY】 |
監督・脚本:スパイク・リー
製作:スパイク・リー、ジェイソン・ブラム、ジョーダン・ピール
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー、ローラ・ハリアー、トファー・グレイス、アレック・ボールドウィンほか
ユニバーサル映画
配給:パルコ
宣伝:スキップ&NPC
2018年/アメリカ/カラー/デジタル/英語/映倫:G指定