1970年代に世界中を席巻したポルノ映画『ディープスロート』の主演、リンダ・ラブレースの半生。
演じるのは清純派アマンダ・セイフライド。

『ラヴレース』

3月1日(土)ヒューマントラスト有楽町ほか全国順次ロードショー

主演のアマンダ•セイフライドさんのオフィシャルインタビューが到着したのでご紹介します!

ラヴレース:メイン

Q:リンダ・ラヴレース役を引き受けたときのことを教えてください。

アマンダ:監督のロブ&ジェフリーとの長い会食後に、私もこの映画に参加することに決めたの。彼らが持っていた大きな資料集は、リンダに関する莫大なリサーチとたくさんの写真で溢れていたんです。彼女の視点から物語を語りたいという彼らの完璧なビジョンを聞いて、とても気に入ったし、私自身も彼女の現実についてすぐに理解することができたの。

Q:あなたは1985年生まれですが、今回のプロジェクトの前にはリンダ•ラヴレースや映画『ディープ•スロート』のことを知っていましたか。

アマンダ:いいえ、この映画のために『インサイド・ディープ•スロート』を観るまでは、映画のこともリンダ自身のことも何も知りませんでした。だから両親にも当時の反響を聞いたりして(笑)。監督のロブとジェフリーが彼らの集めた膨大な写真やフッテージ、本などの資料を私に見せてくれたし、私自身も彼女が出た映画もほとんど全部観て役作りをしていきました。

Q:あなたはなぜこの役に惹かれたのでしょうか?

アマンダ:私はチャレンジングな役が好きなの。特に実在の人物を演じる場合は責任を感じるから怖くもある。だから大きな挑戦だけど、エキサイティングでもあります。と同時に、彼女自身にアクセスする方法はたくさんあったの。彼女はポルノ業界のスターだっただけに資料もたくさん残っているから、そういう点でキャラクター作りはあまり難しくないと感じたんです。それにこの映画のスタッフは素晴らしい人ばかりだったから、そんなに心配はしていなかったの。共演者もみんな優しくて、シャロン•ストーンは撮影の当初からとても励ましてくれました。

Q:この役は女優にとって引き受けるのに勇気がいる役だったと思います。不安はありませんでしたか?

ラヴレース1アマンダ:実在した人物を演じるときにいつも不安はつきものなんです。でもその反面、彼女の映像や自叙伝など、彼女のことを知る手掛かりはたくさんありました。反ポルノ活動家だった彼女は、ポルノに反対するためたくさんの取材も受けていましたし。これらの手掛かりがあったから、ある意味でとても心強かったです。もしかするとすでにこの世にいない人を演じる方が気が楽なのかもしれませんね。彼らの反応を心配する必要がないから…。でもこの映画は彼女の視点から描かれているので、私は彼女を正しく理解したかったんです。彼女は驚くべき人生を生きたのですから。

Q:あなたが感じたリンダ・ラヴレースについての印象を教えて下さい。

アマンダ:リンダは信じられないほど寛容で、人の意見に対する理解力がり、ある意味とてもストイックだったと思います。信じられないほどにね。物を投げつけられたり、裏切られたり、ののしられたり、一挙一動について質問されたり、それはとても腹立たしいことなのに、彼女はそのような人にも優しく、愛情をもって接したの。さらに驚くことに、彼女はただ友達や子供、幸せな結婚生活が欲しかったの。それだけを望んでいたのね。 

Q:役作りの上でリンダ自身からどんなインスピレーションを得ましたか?

アマンダ:まさに彼女が持っているサバイバルの能力に感化されました。

すごく悲劇的な人生を体験したにもかかわらず、彼女はそこから抜け出して最後には自分の家族を持つことができました。彼女が経験してきたことはとても困難なことだけれど、それを語ることを恐れず、他の女性たちとシェアすることを恐れなかった。だって女性なら誰でもポルノ業界で搾取されることを望みはしないでしょう? そういう彼女の勇気や行動力にはとても触発されました。決して楽な人生ではなかったけれど、彼女は他の女性たちのことも理解し、世界に居場所をみつけることができた。ポルノ産業で強要され、利用された後にも関わらず…。それは誰にでもできることじゃありません。それに思春期の頃、彼女はとても純粋だったけれど、両親からはあまり顧みられなかったからそういう生い立ちが彼女の性格に影響を与えたのだと思います。

Q:肉体的な面でもリンダ自身を意識して役作りをしたのでしょうか。

アマンダ:ええ、リンダの物腰や声を真似て役作りをしたつもりです。とても興味深かったですよ。でも彼女は背が高くて、わたしが羨むような素晴らしいバストを持っている(笑)。そういう肉体的な存在感を出すのは難しかったです。

Q:リンダを演じるにあたって最も気を付けたことは何ですか?

ラヴレース2アマンダ:本質をとらえること、それが最も重要なことでした。本質が欠けていれば、何もないのと同然です。髪や目、口紅の色が正しくて、そばかすがあっても、彼女自身になりきらなければ何の役にも立たないもの。それにこの映画は、彼女の視点から語られるので、彼女が経験したことすべてを確認する必要があったの。そして彼女を正しく評価し、彼女に喜んでもらいたかったの。彼女自身はもういないけれど、彼女の家族の協力はとても重要だったし、それが得られたということは、かけがえのないことでした。核心を伝えるためにはドラマ性が必要です、でもこの映画は決して架空の物語じゃない。実在した人物が実際に経験した物語なのよ。

Q:撮影中はどのような感じでしたか?

アマンダ:これほど撮影が楽しかったことはないの。映画を撮っている数カ月の間、‘70年代に身を置いていましたから。

Q:監督のロブとジェフリーは、これまでアカデミー賞のドキュメンタリー部門で受賞したことがありますが、一緒に仕事をしてどんな印象を持ちましたか。

アマンダ:彼らと初めて会って話をした段階で、すでに完璧なビジョンを持った監督たちで、ものすごく綿密な準備をしていると感じたからこそ彼らを信頼することができたの。彼らはリンダの半生をスキャンダラスに描くのではなく、サバイバル•ストーリーとして見ていたの。彼女が経験したことをジャッジするのではなく、すべて肯定しながら彼女の視点から描こうとしていたの。それは私にとってもとても重要なことでした。実際の撮影では、今回は二人の共同監督で撮影の時はロバートがカメラの後ろにいて、ジェフリーがモニターの前にいる、あるいはその逆でも関係なかったの。結果は同じです。二人とも素晴らしい人でそれぞれ個性があるけど、監督するときはどちらか一方に質問しても、満足いく答えが返ってきて、二人の意見が違うと感じたことはありませんでした。二人は完全にシンクロしていました。

Q:暴力的な夫チャックを演じたピーター・サースガードはどうでしたか?

アマンダ:ピーターがすごいのは、カリスマ的な魅力を持っている男から、一瞬にしてひどく暴力的な男に豹変してしまえることです。チャックという男は、普通の人には理解できないような多重人格的な性格の持ち主でした。ピーターは、そんな難しい役を完璧にこなしきりました。

Q:この映画は’70年代のきらびやかな衣装や雰囲気もとても印象的ですが、それらは役作りの手助けになりましたか?

アマンダ:ええ、とても。コスチュームって本当に大切だし、まったく別人になった気分でとても楽しかったです(笑)。たとえば同じ洋服を着ていなかったら、同じようにダンスはできないと思うの。コスチュームや外観にはそれぐらい特別な影響を与えられるものです。俳優にとっては役に入り込む大切な要素です。

Q:リンダは若い頃とても純粋だったとおっしゃいましたが、そんな彼女がなぜポルノ業界に入りあれほど大胆な行動をとったのだと思いますか?

アマンダ:そうですね……彼女は純粋だったと思うけれど、カマトトだったわけではありません。この映画のいくつかのシーンでも、リンダが厳格な家庭に育ち世間知らずでとても純真で、人から認められたがっていたということが表現されていると思います。恋人に認められたいと思ううちにどんどん大胆になっていったのではないかしら。いったい彼女がどのぐらいのことを楽しんでいたのか、私には分かりません。当時人々とどんな関係にあったのかも。でも彼女が実際に話してくれたことを元に私の想像で作り上げていきました。私はリンダを全くナイーブなだけの存在にはしたくなかったんです。それでは退屈なだけだと思うから…。彼女は当初、自分で決断してやったこともあるはずです。だから私は彼女を白黒どちらかに偏った人にはしたくなかった。グレーの部分があることは大切だから。

Q:この映画にはフェミニスト的な側面もあると思いますが、その点ついてはどう思いますか?

アマンダ:実際の彼女の人生においてそれはとても重要な要素だったと思います。私たちはもっとそういうシーンを撮影していたのですが、ずいぶんカットされた部分もあります。たとえばリンダとチャックとの関係の最後の方などは長くなりすぎるのを避けてカットされたの。彼女の人生にはたくさんの側面があって、すべてを語り尽くすことは不可能です。でも映画の後半にかけて、彼女が徐々にフェミニストになっていく様子を描くのは、とても大切なことだったと思います。彼女の人生には別の側面があったことを示唆するためにも、あのような終わり方が必要だったの。

Q:最後にこの映画の見どころをお願いします。

アマンダ:この作品はリンダという女性の人生の旅とリンダとチャックという信じられない二人の関係を描いている。それぞれのキャラクターを掘り下げ、リンダの物語をもっとも良い形で伝えていると思います。リンダのサバイバルだった人生、勇気を観て欲しいです。

『ラヴレース』

3月1日(土)ヒューマントラスト有楽町ほか全国順次ロードショーです。

ロバート・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン監督
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