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2016年テアトル新宿で初公開され、その後全国各地で劇場上映、ポルトガル・スウェーデン・ドイツ・台湾・インド・スペインの国際映画祭で11の賞を受賞した『アルビノの木』が、4月21日より池袋シネマ・ロサで凱旋上映されます。
それを記念して14日~20 日の一週間、『金子雅和監督特集』が開催、18日には金子の初長編作であり映画美学校修了制作『すみれ人形』が上映され、2005年当時映画美学校の専任講師として金子を指導した映画監督の瀬々敬久さん、ヒロインを演じた山田キヌヲさん、金子雅和監督が登壇し、当時を振り返るトークを行いました。 |
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![]() 13年前に撮影された『すみれ人形』を久し振りにお客様と一緒に鑑賞した 瀬々さん:映画美学校で金子くんの担当講師だったのです。あとストリップシーンのかぶりつきで出演しました(笑) と告白。 また、この作品で金子監督とタッグを組んで以来、金子作品に多数出演する山田さんは、 山田さん:今日家でDVDを見直して来ました。どのシーンを見ても楽しい思い出ばかり。 と語った。
瀬々さん:傑作だと思った。金子は映像詩の人。ところで『AURA』でも『すみれ人形』でも手が執拗に出てくるけど、なんで? という質問に対し、 金子監督:世界に触れる器官として、手が面白いと思うんです。こんなに複雑に動くのは人間だけだし。 と答え、 瀬々さん:演出的にも手への拘りはあった? と山田さんに問うと 山田さん:踊りのシーンで手をつくと、山田さん違うんです、あと1センチ右です、みたいに、すごい細かく。 と苦労を語り、場内に笑いが起きました。 |
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瀬々さん:山田さんのセリフ回しが朗読っぽいけど、それも金子の演出?
金子監督:このヒロイン役はキャスティングが難しく何か月も色んな人に会いました。当時の山田さんはとてもボーイッシュな感じだったけど、本読みをやってもらったらああいう口調。すごく良いと思ってすぐにお願いしたんです。
金子監督:スタッフはみんな学生で経験がない、予算もない。とにかく大変な撮影でした。 山田さん:日に日にスタッフが減っていって。あんまり可哀そうだから、途中からわたしが(スタッフキャストのために)おにぎりを作って持って行ってた。大変だけど楽しかったな。 と過酷な状況でも一致団結して作品を作り上げた当時を語った。 本作冒頭に出演している綾野剛さんの出演の経緯について 金子監督:それまでプロの役者を使ったことがなかったのですが、瀬々監督があとあとのことを考えると役者は大事、2~3年後にブレイクする役者を使え、と仰ってキャスティングディレクターを紹介してくださいました。その人の一押しが綾野さんでした。一目会っただけですごくインパクトがありました。 瀬々さん:『すみれ人形』はエロスとバイオレンスがあって、話がどんどん変わっていって、いわばトンデモ映画。良く言えば豊かとも言える。それに比べると『アルビノの木』はすごくシンプル。どうして変わったの? というと 金子監督:『すみれ人形』の時は初めての長編で、まだ長尺の物語を作ることが出来なくて、接ぎ木のようにエピソードを付け足していきました。長編2作目『アルビノの木』ではその反対に、ひとつの主題で見せきることを意識しました。 と語ると、最新作『アルビノの木』まで短編も含め変化の経緯を見てきて 山田さん:(演出は)昔ほど細かくない。周りの人が金子さんを理解したり、応援している様子が現場で伝わってきました。今後も金子作品に出たい。金子さんがわたしを一番きれいに撮ってくれた。 と語った。 |
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最後に・・・
金子監督:は、「特集で上映された旧作の集大成が『アルビノの木』。インディーズでこれ以上は出来ない、という覚悟で作った自分にとって大きな区切りの作品。豊かな大自然描写が最大の見どころ。ぜひ大きなスクリーンでご覧ください! とPRし、トークは終了しました。 映画『アルビノの木』 は、明日4月21日から池袋シネマ・ロサにて連日20:00~上映。 上映期間中トークイベントも複数開催予定。 |
【CAST】松岡龍平、東加奈子、福地祐介、増田修一朗、山田キヌヲ、長谷川初範ほか
【STAFF】監督・脚本・撮影・編集: 金子雅和 照明:白石宏明 録音:間野翼
美術:金子美由紀 助監督:滝野弘仁 音楽:石橋英子
配給:マコトヤ (C)kinone
【DCP/16:9/5.1ch/カラー/2016/日本/86分】