戦うことでしか生きられない現代の侍たちを描く『武曲 MUKOKU』が、6月3日土曜日に初日を迎え綾野剛さん、村上虹郎&熊切和嘉監督を迎えての舞台挨拶が行われました。
日時:6月3日(土) |
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見終えたばかりの観客の温かい拍手に迎えられ、登場する、綾野さん、村上さん そして熊切監督。
と、映画館らしいミニシアターな雰囲気に浸る綾野さん。続けて、 綾野さん:朝からこんな地獄のような映画を選んでいただいてありがとうございます。余韻が大切な映画なのに出てきてしまって申し訳ありません。ですがよろしくお願いします。熊切組には5年前に「夏の終わり」に出させていただいて。熊切組に入れるということで嬉しすぎて地に足がついていなかったんです。凄く心残りで・・・。今回主役として熊切組に立たせていただいて熊切さんに身も心もゆだねて鮮度の高い状態で入りました。 と、重く語る綾野さん。村上さんはポップな感じで 綾野さん:カットの代わりに「いいっすね~」はほっとするんです。 と、現場の雰囲気が伝わるトーク。
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原作者の藤沢先生が、逆に登場人物のイメージを見せてもらったとコメントしていることに対して 綾野さん:藤沢先生にそう言っていただけるのは恐縮。原作が良かったから辿り着けたと思います。救いのない自分の役に対して「かわいそう」と思ったのは初めてで。ここまで生きてるなと、体に役が侵食されてもいい覚悟で、フィジカルだけ鍛えて臨みました。
ジョン・ウーが絶賛している本作、台風シーンは過酷そのもの。 熊切監督:仕掛けもあって大変でしたが、二人が本当に大変だったと思います。僕は楽しみましたけど・・・。 と、二人の演技が本当に好きだったご様子の監督。 綾野さん:本当に大変でした。夏とはいえ、体は疲弊していくので。その疲弊していく過程もちゃんと映してくれる監督なので、だんだん楽しくなっていってしまって。でも、大きなけががなくて良かったです。 村上さん:アフレコしているときに、7分間ぐらい二人でアフレコ。もう一回あのシーンやってたんです。面白かったです。 |
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戦うことでしか生きられない男の物語にちなんで、最近戦ったことは?
綾野さん:不毛ですが、自分と向き合うのをやめてしまうと役者として生きられないんです。肉体的にも精神的にも己と向き合って日々戦っています。自分を研ぎ澄まして、皆さんに解き放たなくてはと思っています。 と、ストイックな戦いを日々送る綾野さん。一方、村上さんは 村上さん:最近車の試験で、次のクランクインまでと思ってたのに、筆記だけ間に合わなかったんです。負けました。あっそれと応急救護で芝居するじゃないですか。芝居していくんですけど、役者だとばれてて本業だし、声出していきました! と、かなり本気で戦ったそうです。 熊切監督:現場は天気と戦ってましたね。雨降ってほしくないシーンにも降ってしまって。。。気持ちを作る廃友人たちも大変だった思います。 と監督。しかしながら嵐の部分は雨降らしているそうです。。
綾野さん:破滅か救いか。愛に渇望した男たちが、地獄の中で光を手繰り寄せる作品です。何か希望の光を見つけていただければと思います。何かを求める心が大切だと思います。よろしくお願いします。 |
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『武曲 MUKOKU』
URL: 物語・・・ |
原作:藤沢周『武曲』(文春文庫刊)
出演:綾野剛 村上虹郎 前田敦子 風吹ジュン 小林薫 柄本明
監督:熊切和嘉
脚本:高田亮
音楽:池永正二
配給:キノフィルムズ
©2017「武曲 MUKOKU」製作委員会