7月30日よりシネスイッチ銀座を皮切りに全国公開となるドキュメンタリー映画『あなた、その川を渡らないで』。
76年に及ぶ一途なある夫婦の愛の形を映し出す韓国で社会現象となった作品。 早稲田大学韓国学研究所(WIKS)との共催で、この映画の舞台になっている韓国の学生と日本の学生たちを対象とした特別試写会と早稲田大学国際教養学部の教授であり、「恋愛学」で有名な森川友義教授が特別講義を行いました。 日時:7月6日(水) 2014年11月、韓国で小さな規模で公開をスタートすると、たちまち感動が口コミで広がり、公開館数は800スクリーンまで増え大ヒット。韓国では10人に1人が観たこととなる480万人を動員した『あなた、その川を渡らないで』。 ある村に住む、いつもお揃いの韓服を着て手を繋いで歩く一組の夫婦を主人公にした本作は、韓国本国でお年寄りから若者まで巻き込む社会現象となりました。とくに観客の4割は20代の若者だったそうで、そのことについてチン・モヨン監督自身は、「本物の愛を求めていながら、本物の愛なんてないと思っていた若者たちが、この映画を通じて不可能だと思っていた愛を目の当たりにした。不可能な愛が現実に存在する。それを知って、彼らは希望を持てたのではないか」と分析しています。 |
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そんな愛の希望の映画を観たばかりの学生さんたち。そのまま森川友義教授の講義形式のトークイベントに突入。
今回集まった学生さん7割が韓国人。3割が日本人という構成。そして、結婚している人1人、恋人がいるのが30パーセントの内訳の中。 森川教授:幸せは消費財です。恋愛でも一緒。最初にときめいて、恋愛バブルが起きて・・・プロポーズまで行くかは別で中々難しい。このバブル期は2年間。それ以上は下がって行きます。さらに続けていくと愛着に代わり、空気のような存在になり、さらに下っていき、離婚となるケースも出てきます。日本だと離婚は約3割くらい。セックスレスを含めると80%。この映画のような夫婦のようにスキンシップも続けて、結婚生活を続けていくのは難しいのです。 と、教授は説かれます。 |
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なかなか、結婚生活を続けていくのは難しいことがわかります。ではどうするかというと
先生は次のポイントをあげていました。 1.相手への期待値を下げることが大事。 感謝で相互の良い環境を作って、不倫はしないのがよさそう。 |
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ここで学生とのQ&A。
Q:このご夫婦の場合、どのような関係が良かったのでしょう。 A:子供を12人産んでて、お祝いには集まるのがいいんだろうね。死期が近づけば近づくほど子供のありがたみは増してくると思います。そして、継続という面では感謝する気持ちが重要だったともいます。ありがとうと言える気持ち。実行している努力は大切です。 Q:結婚だと、経済とか、家族のことも考えないといけませんが、嫁と姑の関係はどう考えますか? A:昔は、旦那さんのご両親と住んで嫁と姑との関係がありましたが核家族化が進んで、だいぶ少なくなっていると思います。しかし、夫婦共働きの場合手伝ってもらう必要が出てくるとおもいます。そんな時は奥さんのお母さんに手伝ってもらうことを勧めています。
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『あなた、その川を渡らないで』 原題:님아, 그 강을 건너지마오 公式サイト:anata-river.com 森川先生がまもなく「不倫学」が出版されますので、そちらもどうぞ。 |
監督:チン・モヨン
出演:チョ・ビョンマン カン・ゲヨル
2014年/韓国//86分/ビスタ/5.1ch
日本語字幕:伊勢田京子
配給:アンプラグド
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