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沖縄先行公開舞台挨拶

 
お笑いコンビ・ガレッジセールのゴリこと照屋年之が監督した長編最新作『かなさんどー』が、1月31日(金)に沖縄で待望の先行公開を迎えました。地元沖縄での公開は、観客の高まる期待とともに華々しく幕を開け、2月1日(土)&2日(日)の二日間に渡る「公開記念舞台挨拶」も全回満席の大盛況となりました。
 
[かなさんどー] 沖縄の方言で“愛おしい”という言葉
 
『かなさんどー』
 
沖縄先行公開舞台挨拶
日時:2月1日(土)
会場:シネマQ
登壇:松田るか、K ジャージ、前川守賢、照屋年之監督
MC:真栄平仁

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キャスト&監督登壇

 
映画は沖縄で大ヒットを記録した『洗骨』(2019)の照屋監督による6年ぶりの待望の最新作となり、上映後の舞台挨拶となったため司会の真栄平さんが客席に向けて「皆さん、いかがだったでしょうか?」と問いかけると、会場には大きな拍手が。
キャストが登壇し、松田るかさんは主人公・知念美花を演じた感想として、「公開されてから初めて皆様の前に立つことができ、この空気感がとても良く、成功を感じています」と笑顔。
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
Kジャージさんは「美花の家族をまとめる役である小橋川誠を演じましたが、今日は実物の僕を皆さんにお見せしようと思います」とユーモラスに語りました。
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
続いて、映画の主題歌「かなさんどー」を作詞・作曲した前川守賢さんが、その40年以上にわたる歴史と県民の歌としての位置づけについて語り、「世界が平和でありますように」と観客にメッセージを送りました。
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
さらに、照屋年之監督は、映画の成功と観客からの反応に触れ、「今日は雨が降っていましたが、そんな足元が悪い中でもどれだけお客さんが来てくれるのかと少し心配していました。しかし、スタッフから嬉しい報告がありました。昨日、初日の上映が始まったのですが、なんとその一日で1000人以上ものお客さんが来てくださったのです。この会場も満席ということで、今日の舞台挨拶も4回ありますが、全てのチケットが完売していると聞き、本当に多くの方が期待してくれていたのだと嬉しく思いました。その期待にしっかりと応えられたのではないかと自負しています」と吐露。
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
続いてKジャージさんは「普段はあまりセットしない自然体のスタイルで登場したのですが、皆から『まるで出荷前のモズクみたい』というツッコミが入りました(笑)。今日は浅野(忠信)さんがいないですけど、僕は代わりにはなれないんで」とボケをかまし、全員から「何を言っているんだ?!」というツッコミの嵐に。
 
昨日、沖縄での先行公開を迎えた映画について、照屋監督が「『洗骨』が上映された後も、県民の皆さんに愛され続け、映画館には途絶えることのないお客さんが訪れました。1年半のロングラン上映の中、私たちは多くのお手紙をいただきました。特に、お年寄りの方々から『久しぶりに旦那さんと、80歳を超えているけど一緒に観に行って、いい涙を流しました』という暖かい声が多く聞かれました。こんなにも愛される映画を作れたことに感謝しつつ、コロナ禍で撮影が困難を極め、6年の歳月を経てようやく『かなさんどー』を皆さんにお見せできることが叶いました。お客さんに見せたくて仕方がなかった。本当に待ちくたびれていました。」と心境を吐露。
 
前作『洗骨』のからのプレッシャーについては、「監督として常に最新作を最高傑作にしたいとの思いで作っています。『洗骨』を褒めていただけるのは嬉しいですが、それを超えたいという気持ちがあります。皆さんの前に作品を出せたことで、心から満足していますし、編集の段階から感動していました。特に美花の歌には、何度も泣かされました。自分で作ったのに、キャラクターが生き生きと語り出すと、つい涙がこぼれてしまうんです。」
 
さらに沖縄の周りの方々の反応について聞かれると、「昨日だけでも、本当に驚くほど感情を動かされたと感じる人が多いようで、『こんなに嫁と泣くとは思わなかった』とか、『るかちゃんという子の演技はすごいね、あんな難しい感情を演じ分けて』と言われます。あと、小橋川の演技が褒められるたびに、僕は普段はピン芸人としてやっていて、ただ癖が強すぎて、綱渡りをしている最中の息子に弁当を届けに来るお母さんという、とてもユニークなコントをするんです。そういった面白さを我慢して受け入れると、映画の奥深い彼の演技がより楽しめるんですよね。」
 
それを受けて松田さんが「自分の出身地でもある沖縄が舞台の映画で主演として立たせてもらえるのはとても光栄です。今は東京に住んでいて、方言を消そうとしているんですけど、今回はその方言が武器になり、力になるのがうれしい。照屋監督も言っていましたが、昨日だけで1000人以上ものお客さんが入りました。沖縄にいた時、私はあまり映画館に行くことがなかったので、沖縄の人ってあまり映画を見ないのかなと思っていたんです。でも、こんなに満席になるなんて、期待値が高まっているのを肌で感じています」と述べました。
 
続いてKジャージさんに今回の役を演じてどうだったかを聞くと、「照屋監督と一緒に稽古をさせてもらいましたが、最初は台本の解釈で大笑いされました。僕の解釈が全然違くて。それで照屋監督に手助けをいただき、セリフを固めていきました。」そこで照屋監督は「この人は読解力がないんだと思いましたが、マッチ売りの少女をギャグ漫画だと思っていたので、1から教えて小橋川が完成しました。」と冗談交じりにコメント。「お笑いの要素は全部そぎ落として、演じました」と語るKジャージさん。
さらに「あるシーンで僕が浅野(忠信)さんを肩車して、遠くに花束を渡すような場面がありました。僕が下になってバランスを取る役目で、『もうちょっと、もうちょっと』と言いながらなんとか頑張っていたんです。だけど、結構体勢的につらくて、その時は2人で照屋監督に『無理です、無理です』と何度も言って、やっとシーンを止めてもらいました。実は僕、背中にヘルニアを抱えていて、それでも何とか耐えて撮影を続けていました。おそらく浅野さんも同じように大変だったと思いますが、そんなユニークなエピソードも撮影の一部として楽しんでいました。」と明かしつつも、そのシーンは劇中でカットされており、会場はまた笑いの渦に。
 
さらにタイトルの「かなさんどー」の楽曲を手がけた前川守賢さんは、今回映画化の話を受けたときの心境について「『かなさんどー』をテーマに映画にするとの話がありました。撮影地が伊江島と聞き、『じゃあ、町子さんと美花にその場で歌を歌ってもらうのはどうですか?』なんて軽く冗談っぽく言ったら、照屋監督が『いいですよ』と本気で了承!あぁ、言ってみるもんだなと(笑)。
照屋監督が「撮影中は、ロケバス内にブースをつくり、前川さんが生演奏してくれていました。イヤホンを通じてその音を聴きながらの撮影はまさにライブ感満載!娘の美花がユリ畑で歌うシーンでは、生演奏が感情にぴったりで、まるで映画の中にいるよう。素晴らしいシーンが撮れたと思います。」と想いを語った。

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トーク終盤

 
トークが終盤を迎えると、今回先行公開を記念して前川さんと松田さんが、本作の音楽を担当した新垣雄さんが手がけた映画スペシャル楽曲としての「かなさんどー」を舞台上で生披露し、会場中が温かい拍手に包まれました。
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
『かなさんどー』沖縄先行公開舞台挨拶
歌唱後のトークとして、松田さんは「歌っている最中、会場の皆さんが一緒になって歌ってくださっている姿を見て、とても感動しました。映画の撮影を思い出しながら歌っていて、本当に良い時間を過ごせました。緊張していましたが、皆さん、温かい目で見守ってくださって、本当に嬉しかったです。感情が入りすぎちゃいましたね(笑)。映画の撮影を思い出しながら歌ってました。」と語りました。
これに続いて、照屋監督は「これだけのお客さんに観られながら話さなければならない立場だけど、すごく個人的な感情に戻りました。げんちゃんさんの演奏が本当に素晴らしくて、プロになればいいのにと思いました。るかちゃんの歌が始まった後のバックオーケストラがふわっと入った瞬間、本作を作りはじめた2年前がこみあげてきた。贅沢な時間でした。」と振り返ると、既ににプロである前川さんをいじる照屋監督に周囲からも笑いのツッコミが。
 
前川さんは、「一生懸命に練習してくれた結果がしっかりと出ていて、予告編で何度も聴いていたそのままの美しい歌声でした。映画を観て、『照屋監督すごい。すごい。天才!だと。よくぞここまでいろいろな角度から上手に『かなさんどー』を表現してくれて、大変感謝しています。』」と感謝の意を示しました。
 
Kジャージさんは、「僕も歌を聴きながら撮影を思い出しました。浅野さんを車いすで押しているシーンで。あまりにもすごすぎて、最高でした。ぴくりとも動けなくて。雰囲気壊せないので。何度かカットして撮り直したので筋肉痛でした(笑)。」と撮影のエピソードを披露しました。
 
最後のメッセージとして、松田さんは「これから本作がどんどん沖縄に広がって、そして2月には全国に広がっていくことを考えると感無量です。ぜひ海外にも広がって欲しいです。本日はありがとうございました。」と呼びかけました。
 
Kジャージさんも「本日はどうもありがとうございました。この映画は家族の絆をテーマにしていて、いろんな立場から見ることができると思います。1回、2回どころか、何度も見ていただけたら新しい発見があるのではないでしょうか。今日はありがとうございました。」と感謝の意を表しました。
 
前川さんは、「映画の中で、お母さんの町子と娘の美花が『生まれ変わっても私はお父さんとまた結婚する』と言うシーンには、ものすごく心を打たれました。自分が同じような状況になった時に、こうやって妻と堂々と愛を語れるような関係が築けたら素晴らしいなと思います。もし(妻が)言わなかったら、僕が代わりに言うから、目で合図してでも伝えなさいと。堂々とそう言える関係がこの映画を通じて感じられました。こんなことを考えさせてくれる作品に出会えて、本当にありがたいと思いました。」と自身の思いを語りました。
 
最後に、照屋監督は「僕自身もそうですが、みんな生きていると嫌なことってたくさんあると思います。人間関係や親子関係、兄弟、恋人との関係など、さまざまな人間のしがらみや社会の中で苦しんでいる時がありますよね。僕はいつもエンターテインメントに救われてきました。この映画が、皆さんの心に少しでも元気を与えるものになれたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました。」と締めくくりました。
 

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『かなさんどー』

 
沖縄先行大ヒット上映中/2月21日(金)全国公開
 
公式サイト:
https://kanasando.jp/
 
公式X:
@kanasando_movie
 
公式Instagram:
https://www.instagram.com/kanasando_movie
 

 
物語・・・
妻・町子 ( 堀内敬子 )を失った父・悟 ( 浅野忠信 ) は、年齢を重ねるとともに認知症を患っていた。娘の美花 ( 松田るか )は、母が亡くなる間際に助けを求めてかけた電話を取らなかった父親を許せずにいる。そんな父・悟の命が危ないと知らせを受け、苦渋のなか故郷・沖縄県伊江島へ帰ることに。父との関係を一向に修復しようとしない美花だが、島の自然に囲まれ両親と過ごしたかけがえのない時間を思い返すなか、生前に母が記していた大切な日記を見つける。そこで知ったのは母の真の想い、そして父と母だけが知る< 愛おしい秘密 >…。
Kanasando_かなさんどー

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キャスト:松田るか、堀内敬子、浅野忠信、
Kジャージ、上田真弓、松田しょう、新本奨、比嘉憲吾、真栄平仁、喜舎場泉、うどんちゃん、ナツコ、岩田勇人、さきはまっくす、しおやんダイバー、仲本新、A16、宮城恵子、城間盛亜、内間美紀、金城博之、前川守賢、島袋千恵美

監督・脚本:照屋年之(ガレッジセール・ゴリ) 製作総指揮:福田 淳 製作:福永真里、藤原寛 プロデューサー:石田玲奈、鳥越一枝 協力プロデューサー:金森 保 撮影:大城 学 照明:鳥越博文 録音:横澤匡広 美術:吉嶺直樹 装飾:梅原文 ヘアメイク:荒井ゆう子 衣装:むらたゆみ 助監督:石田玲奈 フードスタイリスト:中村真琴 編集:初鹿紗梨 音響効果:佐藤祐美 DIT&データ管理:小野寛明 題字:おやまゆき 音楽:新垣 雄 歌唱指導:古謝美佐子 主題歌:『かなさんどー』作詞・作曲:前川守賢 協賛:くらしの友、沖縄セルラー電話、沖縄タイムス
配給:パルコ
宣伝:FINOR
制作協力:キリシマ一九四五 制作プロダクション:鳥越事務所 制作:スピーディ 製作:「かなさんどー」製作委員会 2024年/日本/日本語/86分/G
©︎「かなさんどー」製作委員会

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