現在、岩波ホールにて公開中のポーランド映画

パプーシャの黒い瞳

の上映後に、中原中也賞受賞の気鋭の詩人暁方ミセイさんが登壇するポエトリー・リーディングイベントが行われました。

papusza_talk

詩人・暁方ミセイさんによるポエトリー・リーディング
日 付:5/10(日)
場 所:岩波ホール 
ゲスト:暁方ミセイ

歴史上初めてのジプシー女性詩人パプーシャを描いたポーランド映画『パプーシャの黒い瞳』公開を機に、配給会社から刊行された、歴史上初めてのジプシー女性詩人パプーシャの詩集『パプーシャ その詩の世界』が詩集としては異例のヒット。

映画の波及効果もありますが、詩人・谷川俊太郎さんが「なんてすばらしい!」と詩集に寄稿している通り、東京新聞などの論説に取り上げられるなど、詩そのものの魅力も注目を集めています。

この日、映画の上映後に行われたイベントは、中原中也賞受賞などで知られる気鋭の詩人・暁方ミセイさんのポエトリー・リーディング、パプーシャの詩を朗読するイベント。

暁方さん:パプーシャは“歴史上初のジプシー女性詩人”と言われているようですが、私には、彼女はまず“詩人”であって、でも彼女がジプシーのコミュニティの中にいたために、コミュニティの境界を出てしまうことになったのだと感じました。詩を書く事で、彼女のジプシーとしての人生は犠牲になってしまったかもしれませんが、その詩は私たちの胸を打つ、まさに人々に読まれるべき詩を書いていると思います。

と語ります。

詩集『パプーシャ その詩の世界』からパプーシャの頭から生み出されたジプシーの歌」などを朗読し、

暁方さん:パプーシャの詩は、森や川や自然に対して、守ってくれているものという感情もあるし、恋人のような感情もあるし、話しかける相手のようでもあります。

と話しました。観客の中には、ポエトリー・リーディング初体験の方も多く、「目で読むのではなく、耳で聞く詩とまた違う魅力があると思います。暁方さんの声がとても艶やかで、心に残る素晴らしい朗読だった」と大好評でした。

映画は、“詩”という言葉の力に加え、音楽、そして圧倒的なモノクロームの映像と、まさに三位一体。映画とは総合芸術だったんだ、とあらためて感動できるパワーを持っている。ポーランドの名匠、クシシュトフ・クラウゼ監督の遺作となった作品だけに、映画ファンにも見逃せない作品。

パプーシャの黒い瞳
は東京・岩波ホールでの上映は5月22日まで。全国順次での公開中。

www.moviola.jp/papusza/

PAPUSZA

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<ゲストプロフィール>
暁方ミセイ(あけがた・みせい)
1988年8月10日、神奈川県横浜市生まれ。大学在学中の2008年より『現代詩手帖』に投稿を始める。2010年、第48回現代詩手帖賞を受賞。2011年、第一詩集『ウイルスちゃん』を上梓、2012年、同作にて第17回中原中也賞を受賞。
2013年、処女小説「青い花」を『文藝』に発表。現在、詩と小説の他に、新聞や雑誌で書評やエッセイの執筆、朗読活動も行なっている。

<詩集『パプーシャ その詩の世界』>1,000円(税込)(ムヴィオラ刊)

岩波ホール、第七藝術劇場他全国順次公開中

監督・脚本:ヨアンナ・コス=クラウゼ、クシシュトフ・クラウゼ(『ニキフォル 知られざる天才画家の肖像』) 
撮影:クシシュトフ・プ
タク、ヴォイチェフ・スタロン 
音楽:ヤン・カンティ・パヴルシキェヴィチ キャスト:ヨヴィタ・ブドニク(パプーシャ)、ズビグニェフ・ヴァレリシ(ディオニズィ)、アントニ・パヴリツキ(イェジ・フィツォフスキ)

ポーランド映画|2013年|ロマニ語&ポーランド語|モノクロ|1:1.85|5.1ch|131分|DCP 
字幕翻訳:松岡葉子
協力:水谷驍、武井摩利 配給:ムヴィオラ  
© ARGOMEDIA Sp. z o.o. TVP S.A. CANAL+ Studio Filmowe KADR 2013

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