公式上映後舞台挨拶/Q&A
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長塚京三、吉田大八監督舞台挨拶 祭日の夜、夜遅くの上映にも関わらず、満員御礼で誰も席を立つことなく実施された舞台挨拶。 Q&Aでも次から次へと質問が上がり、多くの観客とのティーチインを実施致しました。上映後に登壇した主演の長塚は「余計なことかもしれませんが、今年で僕が映画俳優になって50年目だそうで。今日こうして皆さんが映画を観てくださったことも、お祝いの一つとしたいです」と拍手喝采の中で挨拶。 一方、吉田監督は、本作の制作経緯に触れながら「ある程度自分がこれからどのように歳をとっていくのかと想像し始める年齢になって、そんな時に筒井さんの原作小説を30年ぶりに読み直しました。僕は物事を考える時に自分でそれを映画化することで深く考える事が出来るので、まずはなんとなく脚本化してみました」と明かし「この映画は自分にとっても社会にとっても大事な問題を考えるきっかけになったと思う」と実感を込めた。 本作への出演オファーがあった当時を振り返った長塚は「まるで私を当て込んで作ったような話のようで、これも何かの縁だと思いました」「吉田監督自ら脚本を携えて会いに来てくださって、即答でお引き受けしました」とニッコリ。これに吉田監督は「当初は原作者の筒井康隆さんを想像して脚本を書いていたが、途中から長塚さんが儀助のイメージとして浮かび上がってきて、そこから長塚さんが動き出して止まらなくなった」と当て書きだと認めた。吉田監督は脚本執筆中に長塚の著書を読んだそうで「長塚さんの書かれた本を何冊か読んだ時に、儀助のモノの考え方が長塚さんの書かれたものを通してズシッと響いた気がした。儀助がここにいるとの確信を抱いたのはその時。長塚さんが『当て込んで作ったようだ』というのはその通りです」と長塚のパーソナルな部分に影響を受けて脚本執筆が進んだことを明かした。 本作では、儀助の大学の教え子を瀧内公美、バーで出会う大学生を河合優実、元妻を黒沢あすかが演じているが、現在79歳の長塚は「3人の女優さんはいずれも妖艶な方々。僕の主演映画は今回12年ぶりでそれまで映画に出ていなかったわけではないけれど、近しく今を時めく女優さんとお芝居をしたことがなかったわけで。今回3人のウルトラ妖艶な素晴らしいピカピカの女優さんたちを独り占め出来て幸せでした」とユーモア交じりに実力派女優たちとの共演を回想し「これは誰にお礼を言ったら良いのかなあ?」とジョークを飛ばして笑わせた。 また、本作のモノクロ撮影に触れて吉田監督は「モノクロ映像にすると物語の没入感が凄い。後半は特にモノクロ映像が効果的だと、完成したものを観て感じた」と手応えをにじませた。続いてモノクロとカラーでの芝居の質の変化について聞かれた長塚は「基本的に変わりはありません」としながら「モノクロでやるというのは撮影が始まって初めて知ったので…驚きました」とまさかの舞台裏を明かしていた。 |
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『敵』 2025年1月17日(金)テアトル新宿ほか全国公開 公式サイト: @teki 公式X: @teki_movie 本作の主演には、『ザ・中学教師』(92)で初主演を飾り、『ひき逃げファミリー』(92)で第47回毎日映画コンクール男優主演賞、『瀬戸内ムーンライト・セレナーデ』(97)で第21回日本アカデミー賞優秀主演男優賞するなど、1974年にフランスで俳優デビューしてから実に50年、名優として日本映画、ドラマ、舞台の歴史に名を刻んできた長塚京三。2013年公開の『ひまわり〜沖縄は忘れない あの日の空を〜』以来、12年ぶりの主演映画となる。“理想の上司像”の印象も強い長塚が、本作では元大学教授・渡辺儀助を演じ、人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。清楚にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美、亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすか、バーで出会い儀助を翻弄する謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩ら実力派俳優陣が脇を固める。 小説「虚人たち」で泉鏡花文学賞を、「夢の木坂分岐点」で谷崎潤一郎賞、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞を受賞するなど受賞歴多数、「時をかける少女」等でも知られる原作の筒井康隆。文壇・メディアとの戦いを経て、生き抜いてきた自身が描く老人文学の決定版である「敵」の映画化にあたり、筒井は「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と本作を絶賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました。」と自身の新境地を見せる。また本作は、第37回東京国際映画祭(会期:10/28-11/6)、コンペティション部門の正式出品が決定し、本映画祭でワールドプレミア上映を迎える。さらに、11月に行われる台北金馬映画祭の「Windows On Asia部門」にも選出され、吉田大八監督の参加が決定している。 物語・・・ 渡辺儀助、77歳。 大学教授の職を辞して10年―妻には先立たれ、祖父の代から続く日本家屋に暮らしている。料理は自分でつくり、晩酌を楽しみ、多くの友人たちとは疎遠になったが、気の置けない僅かな友人と酒を飲み交わし、時には教え子を招いてディナーを振る舞う。預貯金が後何年持つか、すなわち自身が後何年生きられるかを計算しながら、来るべき日に向かって日常は完璧に平和に過ぎていく。遺言書も書いてある。もうやり残したことはない。だがそんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。 |
長塚京三
瀧内公美 河合優実 黒沢あすか
中島歩 カトウシンスケ 髙畑遊 二瓶鮫一
髙橋洋 唯野未歩子 戸田昌宏 松永大輔
松尾諭 松尾貴史
脚本・監督:吉田大八 原作:筒井康隆『敵』(新潮文庫刊)
企画・プロデュース:小澤祐治 プロデューサー:江守徹 撮影:四宮秀俊 照明:秋山恵二郎
美術:富田麻友美 装飾:羽場しおり 録音:伊豆田廉明 編集:曽根俊一 サウンドデザイン:浅梨なおこ
衣裳:宮本茉莉 ヘアメイク:酒井夢月 フードスタイリスト:飯島奈美 助監督:松尾崇 キャスティング:田端利江
アクション:小原剛 ガンエフェクト:納富貴久男 ロケーションコーディネーター:鈴木和晶
音楽:千葉広樹 音楽プロデューサー:濱野睦美 VFXスーパーバイザー:白石哲也
制作プロデューサー:石塚正悟 アシスタントプロデューサー:坂田航
企画・製作:ギークピクチュアズ 制作プロダクション:ギークサイト
宣伝・配給:ハピネットファントム・スタジオ/ギークピクチュアズ
製作:「敵」製作委員会
ⓒ1998 筒井康隆/新潮社 ⓒ2023 TEKINOMIKATA