K DUB SHINEが『ワイルド・スタイル』を絶賛！初日トークショー

ヒップホップ・カルチャーを全世界に広めた伝説的映画
『ワイルド・スタイル』

3月21日（土）より公開。

その公開を記念し、本作の字幕監修を担当したK DUB SHINEさんと聞き手に平井有太（マン）さんをお招きし、渋谷シネマライズにてトークイベントを行いました。公開初日は2階席もうまるほど大盛況でスタートを迎えました。

『ワイルド・スタイル』初日トークショーレポート

日時：2015年3月21日（土）
場所：渋谷シネマライズ
ゲスト：K DUB SHINE（ヒップホップMC）・聞き手：平井有太（マン）（｢福島 未来を切り拓く｣著者）

K DUBさんは今作について

K　DUBさん：まるで博物館だなと、サウス・ブロンクスの当時のヒップホップ・シーンがぜんぶ歩いて回って見られるような気がした！！

と絶賛。平井さんも、満席の客席を前に

平井さん：公開30周年を過ぎてなお、これだけ人が入っていることがにわかに信じがたい。

と驚きの表情をみせました。

K DUBさん：特にラップの部分の字幕についてアドバイスしました。

と、90年代より日本のヒップホップ・シーンを牽引するラッパーとして、劇中に登場するリリックについてこだわりをみせたことを明かした。

そして、85年くらいからヒップホップにはまりだしたという初めて今作を観た80年代後半の時代を述懐。「

K DUBさん：この映画の後、ラップやスクラッチについては、もっと様々なスタイルが出てきたので、80年代後半から90年代にはこの映画は既に〈ちょっと古い〉という感覚があった。観ておかなければいけない作品ではあったけれど、影響されるとか、触発される、というよりも、冷静に観ていた。逆に、今観たほうが興奮するね。

ヒップホップ誕生は1973年8月13日（※ヒップホップの生みの親として知られるDJクール・ハークがブロンクスのアパートでパーティーを開いた日）と言われていますが、そこから考えると10年近く経っているので、だいぶ洗練されているんです。

平井さん：完成形ですよね、ヒップホップをやっと世にお披露目する整理整頓ができた、という最初の作品なんです。

K DUB さん：実際に恋仲で、ふたりの淡いラブストーリーがこの映画のベースになっているんです。

出演にあたりリーが監督のチャーリー・エーハンに「お前の彼女と絡むシーンを他の男に演じさせてもいいのか」と口説き落とされたことなど、今作が当時のブロンクスのシーンのリアルなドキュメントであることを象徴する撮影裏のエピソードも披露されました。

最後にK DUBさんは、今作に登場しないものの、ヒップホップの創始者のひとりとされるアフリカ・バンバータの

グラフィティの紀元は原始時代の壁画だ。この映画がすごいのは、ヒップホップというアートを始めた人がみんな実際に登場しているところ。

と語ると、

平井さん：しかも原型のまま脚色されず、そのまま映っているというのが感動的です。僕はこの作品を30回は観ましたが、観るたびに発見があります。

と今作への思いを熱弁。

K DUBさん：みなさんも2回、3回と観てほしい。

と『ワイルド・スタイル』愛を再アピールし、トークイベントは幕を閉じました。

『ワイルド・スタイル』

渋谷シネマライズ、シネ・リーブル梅田ほか、全国順次公開中

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