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台北金馬映画祭&香港アジアン映画祭
朝井リョウによる小説『正欲』を、監督・岸善幸、脚本・港岳彦で、稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香を迎え映画化した映画『正欲』が、11月10日(金)より大ヒット上映中です!
先日開催された第36回東京国際映画祭で最優秀監督賞と観客賞をダブル受賞し、先週末11月10日からの劇場公開も大ヒットスタートを切った本作。
その勢いまま、岸善幸監督と音楽を手がけた岩代太郎がアジア各地の映画祭を弾丸で駆け巡り舞台挨拶・Q&Aを行いました。
映画祭開催期間:
●第43回台北金馬映画祭(開催期間2023/11/09 ~ 2023/11/26)
●第20回香港アジアン映画祭(開催期間2023/10/13 ~ 2023/11/12)
第43回台北金馬映画祭
『正欲』上映後Q&A
日程:11月10日(金)
場所:台湾・台北市
登壇:岸善幸監督、岩代太郎
第20回香港アジアン映画祭
『正欲』上映後Q&A
日程:11月12日(日)
場所:香港・西九龍文化地区
登壇:岸善幸監督
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台北金馬映画祭
現在開催中の台北金馬映画祭にて、11月10日(金)にインターナショナルプレミアが行われ、上映後のQ&Aに岸善幸監督と音楽の岩代太郎が参加。アジア圏でも人気を誇る稲垣吾郎や新垣結衣といった豪華実力派キャストを出演者に迎えた本作の上映には台湾メディアと多くの観客が押し寄せ、ソールドアウトとなっていた400席の劇場はエンドロール中も固唾をのんでラストまでスクリーンを凝視していた。場内が明るくなり、拍手喝采に迎えられて岸監督と岩代太郎が登壇。
観客からは本作で重要なキーアイテムとして登場する“水”の描かれ方についての質問が相次いだ。それに対し、「水は命の源という面がある。本作は人と繋がれない人々が登場する映画なので、“水なのに乾いている”ということにこだわった」と岸監督が語った。そして、ジョン・ウー監督作『レッドクリフ』シリーズやポン・ジュノ監督作『殺人の追憶』の音楽などを手掛け、日本アカデミー賞のみならずアジア圏の主要映画賞を多数受賞してきた岩代。「水の感覚をどのように音で表現したのか」と問われ、「劇中で一番長い音楽がかかったのは、大学生の大也と八重子が語り合うシーン。ふたりの感性は異なるが、会話をしながらだんだんとわかり合っていく。僕にとってはとても大切なシーンだと思いました。皆さんの周りにあって当たり前の“普通”について、ふたりは全く違う感覚を持っていましたよね。この“普通”はそれぞれの感性によって形が変わります。この価値観が変わるということは人間にとって怖いことだと思っています。あえて“普通”という言葉を“正義”という言葉に置き換えてみると、いま世界中でも自分が信じる“正義”のために戦いが行われている。“水”=“普通”ということ、これがいかに人間にとって脆いのか、というのを表現したかったのです」と語った。
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香港アジアン映画祭
11月11日(土)に日本で開催された公開記念舞台挨拶を終えるやいなや岸監督はすぐに香港へ旅立ち、11月12日(日)に開催された香港アジアン映画祭に参加。上映後に行われた岸監督登壇のQ&Aでは、若者を中心に熱心に質問する姿が見られた。日本語で「とても素晴らしかったです」と話し出す人も数名おり、日本文化への関心の高さも伺えた。
本作で描かれるテーマについて岸監督は「朝井リョウさん原作の同名小説を読むまで、僕も“多様性”を言葉だけで理解していた。それを映像化するのは大変でした。社会的に目に見えない指向ゆえに、生活するうえで“普通ではない”ということを抱えなくてはならない人たちがいる。互いの境界を越えるべきというのが普通の作品の考えかもしれないが、境界を越えなくてもどう生きていくのか、というのが、我々が向き合ったテーマだった」と語り、引きも切らず続く質問の一つ一つに丁寧に答えていた。
日本では大ヒットスタートを迎え、劇場で鑑賞した観客からは「まさに“観る前の自分には戻れない”というコピーの通りだった」「俳優陣の凄まじいほどの生きる葛藤の表現」「人間の心の奥底にあるものを炙り出す映画。傑作」などSNSで絶賛の声が上がっている。そして、映画祭で鑑賞したアジア各国の観客からも「このようなジャンルの映画は初めて観たが、“多様性”とは何かを改めて考えてみたいと思った」という感想が多く寄せられた。台北、香港共に、Q&Aの後のロビーでは岸監督に感想を伝えようとする人々で溢れ、さらにサインを求めて長蛇の列ができた。映画が発したメッセージが国や言葉を超えて評価され、人々の胸に届いたのを実感する上映会であった。
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『正欲』
大ヒット上映中
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原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
原作小説は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』では直木賞を受賞した朝井リョウが、作家生活10周年で書き上げた渾身の一作。2021年3月に発売されるやいなやその内容が波紋を呼び、第34回柴田錬三郎賞を受賞した話題作。自身が「小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」と語る通り、共感を呼ぶ傑作か、目を背けたくなる問題作か・・・「この衝撃は読んでみないとわからない」「もう読む前の自分には戻れない」と、続々と読者が増え続けている。
主題歌:Vaundy『呼吸のように』(SDR)
2000年6月6日、東京都出身。作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。19年春頃からYouTubeに楽曲を投稿開始し、2023年夏現在、YouTube・サブスクリプションのトータル再生数は44億回以上を突破。サブスク令和時代の象徴的な存在として注目を集め、リリースした楽曲は長期にわたりチャートイン、CMドラマなど各方面でタイアップにも起用される。2022 年 12月 31日、 第 73 回 NHK 紅白歌合戦に初出場。開催したワンマンライブは全て即日完売、2023年秋には自身最大規模 6大都市12公演からなるアリーナツアーを開催。「おもかげ」(milet×Aimer×幾田りら)、「逆光」(Ado)など、フィーチャリングでの参加や楽曲提供及びプロデュースでもその手腕を余すことなく発揮。菅田将暉「惑う糸」では、初のミュージックビデオの監督も務めた。耳を捕らえ一聴で癖になる天性の歌声とジャンルに囚われない幅広い楽曲センスで、ティーンを中心に強固なファンダムを拡大し、令和の音楽シーンを牽引している。
物語・・・
横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。
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正欲
稲垣吾郎 新垣結衣 磯村勇斗 佐藤寛太 東野絢香
監督・編集:岸善幸
原作:朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)
脚本:港岳彦 音楽:岩代太郎
主題歌:Vaundy『呼吸のように』(SDR)
撮影:夏海光造 照明:高坂俊秀 製作:murmur 制作プロダクション:テレビマンユニオン 配給:ビターズ・エンド
©2021朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
2023/日本/カラー/DCP/5.1ch/ヴィスタ/134分/映倫G
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