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『遠いところ』沖縄先行上映

沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫との3人暮らしをする17歳のアオイ(花瀬琴音)が社会の過酷な現実に直面する姿を描き、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 [クリスタル・グローブ・コンペティション部門]に出品、Variety誌が“貧困にあえぐ日本の性差別を、痛烈に告発する。溝口健二的な現代悲劇。”と激賞した映画『遠いところ』は、6月9日(金)に沖縄先行上映がいよいよスタート、7月7日(金)より全国公開となります。

7月7日(金)からの全国公開に先駆け、『遠いところ』の舞台である沖縄で6月9日より先行公開され、那覇市、北谷町、沖縄市の上映館で6月9日&10日の両日、公開記念舞台挨拶が行われた。メインのロケ地、沖縄市のシネマプラザハウスで9日に行われた舞台挨拶のチケットは売り出し開始後早々にソールドアウトとなり、その勢いのまま沖縄のメイン館となる那覇・おもろまちのシネマQで6月10日に主演の花瀬琴音、沖縄キャストを代表してヒロインのおばぁを演じた吉田妙子、そして工藤将亮監督が本編上映後に登壇、満席の観客に熱く温かい拍手と歓声に出迎えられた。
『遠いところ』6月10日舞台挨拶
日付:6月10日
会場:那覇・おもろまちのシネマQ
登壇:花瀬琴音、吉田妙子、工藤将亮監督

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花瀬琴音、吉田妙子、工藤将亮監督登壇

4月の第15回沖縄国際映画祭以来の沖縄となる花瀬は「撮影をしていたのが2年前。アオイとして生きていた沖縄に帰ってこれて、懐かしい気持ちと、撮影中の温かった皆様の事も思い出して、感無量です。」と観客への感謝を語った。
『遠いところ』6月10日舞台挨拶
沖縄を代表する俳優である吉田妙子は出演の理由を尋ねられると「工藤監督が沖縄の状況をよく分かっていて、皆に知らせようと、貧困をなくそうとの意気込みが脚本から感じられました。沖縄の監督だったら遠慮してしまったのかもしれない。(私は)戦争で命が助かってここまで生きてきて、ここで自分も何かお役に立ちたいと思い参加させていただいた。出演できて嬉しく思っています。」と語った。
『遠いところ』6月10日舞台挨拶
そして工藤監督は「妙子さんにそういってもらえて嬉しいです。おばぁ役だけはどうしても、うちなんちゅのおばぁでないとダメだと思っていた。」と吉田に語りながら、『遠いところ』6月10日舞台挨拶
今の想いを「自分は内地の人間なので、映画を沖縄の人に見せるのは怖かった。でも今大きな拍手をいただいて安心しました。僕の母も育ててくれたおばぁもシングルマザーでした。ですのでこういう状況を知って、出てくる少女たちが自分のことのように感じこの作品を作りたいと思いました。」と感謝の弁とともに述べた。オーディションでアオイ役をつかんだ花瀬は、「オーディションを受けたときはここまで辛いと思ってなくて、役作り期間を通して責任感というか、準備期間1カ月沖縄に住んでいる間にアオイとしての重みを感じていった。沖縄のことばを覚えるのが大変でコザのパークアベニューで公開ラジオを聞いたりとか、人とたくさん話をしたりしました。」と語った。

 『遠いところ』 は自分にとってどんな作品になったか?という問いに対し、花瀬は「実際にアオイの家になっていた場所に1カ月間撮影前に準備期間として住ませていただいて、役との向き合い方、想いの込め方をこの作品に教えてもらいました。人間としても強く生きることの一生懸命さ、必死に生きているアオイの姿に女優としても人間としても成長させてもらい、大切な作品となりました。」と語り、工藤監督は「『遠いところ』というタイトルですが、決して遠いところの話ではないと思っています。この映画を海外で上映した時も東京で上映した時も、自分の事のように受け取ってくださる方がいました。ドイツの児童相談所の方がどうしたら解決できるのかと同じ悩みを口にされていました。劇中での言葉も実際に聞いた言葉や、児童相談所の職員の方たちから聞いたエピソードをそのまま脚本に反映しています。知っているんだけれど知らないという状況があります。僕がそうだったので、こういう子たちにフォーカスを当ててもらって、ご家族やパートナーにこの映画の話ししてもらえればと思います。」と語った。

 最後に、この作品を通して伝えたい想いを聞かれた花瀬は、「皆さんの顔を見ていると、ハンカチで涙を拭いてらっしゃったり泣かれたんだなというお顔が見えて…。自分も経験したことはないことばかりですが、準備中にたくさんお話を聞かせてくださった方々とアオイを通して辛さを知っていたので、この映画を観て苦しんで人がいることを知って、またなにかしようと感じていただけている涙なのかなと思うと、この映画に携われたことを誇りに思います。」と涙で詰まりながらも懸命に言葉を紡いだ。吉田は「沖縄の深刻な貧困問題を私も何年前かに知った。沖縄から貧困をなくして、子供たちが普通の暮らしをできるようになって欲しいと思っています。お願いいたします。」と語り、工藤監督は、「人を変えることは無理だけれど、自分を変えることはできるので、この映画を観て、少しでもいろいろな会話の中にこの問題について話してもらえると、映画にとっては一番だと思います。」と語り、観客の中には涙を流す人も見られ、場内は大きな拍手で包まれて、舞台挨拶は終了した。

また、いち早く作品を鑑賞した観客からは、「苦しくて 悲しくて 愛おしくて かける言葉 かけない無視 無恥を跳ね除けたい 知ることの大切さ みんな是非観て。」「近くにこーゆー状況の人がいない。私には関係ない。ではすまされない。 今を生きる大人の1人として知る必要がある映画だと思いました。 これは今を生きる大人の責任であり、沖縄だけの問題ではない。」「今まで、なんとなく目を背けて来た沖縄の現実を映画を通して、目の当たりにし、衝撃を受けました。」「辛い辛い内容でしたが現実であり、これを見て泣くこと自体が他人事として捉えてるような気持ちになりました。泣くのではなく、目を背けたくなる気持ち。私達が自分事として考えなくてはいけない大きな課題だと感じています」という感想も公式HPには届いている。 
『遠いところ』が描くのは沖縄の局地的な社会問題ではなく、日本中のどこでも今まさに起こっている問題であり、今を生きる誰にも関りのある課題である。

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『遠いところ』

7月7日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
沖縄先行公開中

作品公式サイト:
https://afarshore.jp

公式SNS:
@afarshore_jp

主人公アオイを演じるのは、昨年『すずめの戸締まり』への出演で話題を呼び、本作が映画初主演となる花瀬琴音。東京出身の彼女が、撮影の1ヶ月前から現地で生活し、“沖縄で生まれ育った若者”アオイを体現する。監督は、長編デビュー作『アイムクレイジー』(19)で、第22回富川国際ファンタスティック映画祭NETPAC賞(最優秀アジア映画賞)に輝いた工藤将亮。長編3作目のオリジナル作品『遠いところ』は、2018年から4年にわたり沖縄で取材を重ね脚本を執筆、全編沖縄での撮影を敢行した。日本公開に先立ち、第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で最高賞を競うコンペティション部門に日本映画として10年ぶりに正式出品、約8分間のスタンディング・オベーションを受けた。さらに第23回東京フィルメックス[コンペティション部門 観客賞受賞]、第44回カイロ国際映画祭 [インターナショナル・パノラマ部門]、第53回インド国際映画祭(ゴア)[シネマ・オブ・ザ・ワールド部門]、ヨハネスブルグ映画祭など、海外映画祭で高く評価されている。

ストーリー
沖縄県・コザ。17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾(ケンゴ)と3人で暮らし。
おばぁに健吾を預け、生活のため友達の海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイだったが、建築現場で働いていた夫のマサヤは不満を漏らし仕事を辞め、アオイの収入だけの生活は益々苦しくなっていく。マサヤは新たな仕事を探そうともせず、いつしかアオイへ暴力を振るうようになっていた。そんな中、キャバクラにガサ入れが入り、アオイは店で働けなくなる。
悪いことは重なり、マサヤが僅かな貯金を持ち出し、姿を消してしまう。仕方なく義母の由紀恵(ユキエ)の家で暮らし始め、昼間の仕事を探すアオイだったがうまくいかず、さらにマサヤが暴力事件を起こし逮捕されたと連絡が入り、多額の被害者への示談金が必要になる。
切羽詰まったアオイは、キャバクラの店長からある仕事の誘いを受ける―

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【キャスト】
花瀬 琴音  
石田夢実、佐久間祥朗、長谷川月起/松岡依都美

【スタッフ】
監督・脚本:工藤 将亮
エグゼクティブプロデューサー:古賀 俊輔 プロデューサー:キタガワ ユウキ アソシエイトプロデューサー:仲宗根 久乃
キャスティング:五藤 一泰 撮影:杉村 高之 照明:野村 直樹 サウンドデザイン:木原広滋、伊藤 裕規
音楽:茂野 雅道 美術:小林 蘭 共同脚本:鈴木 茉美
主題歌:“Thanks” by 唾奇
製作:Allen、ザフール
【配給】ラビットハウス

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