ヒュー・ジャックマン×ゼレール監督最新作2021年度アカデミー賞®で2部門を受賞した『ファーザー』のフロリアン・ゼレール監督最新作『The Son/息子』が3月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開となります。 本作は『ファーザー』に続く「家族3部作」の第2部に当たり、ヒュー・ジャックマンが主演と製作総指揮を務めた作品。 この度、公開に先立ちまして、3月5日(日)に本作の日本最速プレミア試写会をスペースFS汐留にて実施いたしました。本イベントでは本編上映後に、フロリアン・ゼレール監督がオンラインで登壇し、一般のお客様を交えてQ&Aが行われました。 映画『The Son/息子』プレミア試写会フロリアン・ゼレール監督オンライン登壇イベント |
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ゼレール監督オンライン登壇上映後にはフロリアン・ゼレール監督がロサンゼルスからオンラインで舞台挨拶を行い、映画を観終えたばかりの観客からの質問に答えた。大きな拍手で迎えられたゼレール監督は「日本で最速の試写会とうかがっていますが、本日は足を運んでいただき光栄です。映画を作るのは単に自分のストーリーを伝えるためだけでなく、みなさんと感情を分かち合うためでもあります。いま、まさにそういう瞬間に立ち会えることを嬉しく思っています」と挨拶した。 前作『ファーザー』では認知症にかかった父親の姿を、そして本作では心の病を抱えた息子を描いているが、こうした題材を描き続けるのはなぜなのか? 一見、ネガティブに捉えられがちな、こうしたテーマになぜ惹かれるのか? という質問に対し、ゼレール監督は「2つの映画はかなり違う作品だと思っています」と前置きし、こう続ける。「『ファーザー』では、主観的に観客のみなさんを主人公の脳内に置いて、いろんなことがわからなくなっていくという認知症の感覚を体験するような作品です。一方で、今回の作品は、心の病を掘り下げていくようなことはしていませんし、痛みや苦しみを追体験するようなものでもありません。(心の病を抱える)ティーンエイジャーを周りの人々が助けようとするけど、どうしていいかわからなくなっていく姿――つまり“無力感”を描いており、この物語は“悲劇”であると思います。ただ、悲劇というものを描く上で、僕には信念があります。それは、かける言葉や会話が違っていたり、自分に必要なものについて声を上げることができたならば、異なる結果を導き出すことが可能だということです。こうしたトピックに対し、私たちはどう対峙しているのか? 助けを必要としている人たちをどうしたらより効率的に助けることができるのか? そういう問いかけを投げかけている映画だと思います」と語った。 さらに、ヒュー・ジャックマンが演じた父・ピーターの存在についても言及。「この映画は、彼の目を通して描かれていますが、しかし、彼は“盲目的”な状況に陥ってしまっています。息子を深く愛しつつ、でもそれだけでは足りず、息子に対する罪悪感から周囲が見えなくなっている状況です。この映画が、まさにこの罪悪感について考えるきっかけにもなってほしいと思います。というのは、この罪悪感というものは、メンタルヘルスについて語るとき、全くの無関係のものだからです。メンタルヘルスについて、他の身体的な病と同じような形で語られるべきだと私は思っています。それもこの映画のテーマのひとつです」と語る。劇中の病院のシーンでは息子が「家に帰りたい」と懇願する一方で、医者はそれをよしとせず、親は両者のはざまでジレンマを抱くが、監督は「親が、子が抱える問題について答えがないということ、自分たちにできることがないというのを受け入れるというのはつらく大変なことですし、時間がかかります。でも、実際にはその時間さえもないんですよね」と親の立場の難しさについても思いを馳せる。また、劇中でヒューが、一風変わったダンスを披露しているが、抜群のダンススキルを誇るヒューが、ヘタクソなダンスを踊るというこのシーンについて、監督は「もともと、このシーンは見ていて恥ずかしくなるような踊りでなくてはいけませんでした。ヒュー自身、いくつかのダンスのパターンを考えていて、実際に自分の娘さんの前で『ちょっと見てくれない?』と試しに踊ってみたそうです。そうしたら『パパ、それで大丈夫!メチャクチャ恥ずかしいから!』と言われたそうです。ヘタな演技をするには、上手でなくてはいけないというのもひとつの真実ですね」と裏話を明かしてくれた。 舞台挨拶の最後にゼレール監督は「この戯曲は、2年前に日本でも上演されています(「Le Fils 息子」)。その時は、この映画の撮影をしていたこともあって来日できませんでしたが、私は日本にどこか通ずるものを感じています。今回、こうして物語と感情をみなさまと分かち合えて嬉しかったです」と語り、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を下ろした。 |
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フロリアン・ゼレール監督Profile1979年、フランス生まれ。作家、劇作家、監督。ロンドンのタイムズ紙に「現代において最も心躍る劇作家」と称賛される。「The Father(原題)」、「The Mother(原題)」、「The Truth(原題)」、「The Lie(原題)」、「The Height of the Storm(原題)」などの戯曲を手掛け、45ヵ国以上もの国で上演されている。パリ、ロンドン、ニューヨークで多くの賞を受賞したヒット作であり、ガーディアン紙からは「過去10年の間で最も優れた劇作品」と絶賛された「The Father」を、自ら脚本、監督を務めて2020年に映画化。長編映画初監督作となったその作品『ファーザー』(日本語タイトル)は、アカデミー賞6部門にノミネートされ、主演男優賞と脚色賞を受賞。さらに、英国アカデミー賞主演男優賞と脚色賞、セザール賞外国映画賞にも輝く。監督2作目となる本作の原作戯曲「The Son(原題)」も、2019年にロンドンで初上演され、数々の賞を獲得し、日本でも2021年に上演されている。 |
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『The Son/息子』3月17日(金)TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー 公式Twitter: 公式サイト:
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監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール 『ファーザー』
出演:ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラス、アンソニー・ホプキンス
2022年 イギリス・フランス合作 英語 カラー スコープサイズ 123分 字幕翻訳:岩辺いずみ 映倫:G一般
配給:キノフィルムズ
提供:木下グループ
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