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阪元裕吾インタビュー到着漫画から飛び出たような個性豊かなキャラクターたちが奏でるオフビートな笑いと本格アクションで、Filmarks 初日満足度ランキング第 1 位、日本映画批評家大賞・新人賞(第 31 回新人監督賞:阪元裕吾/新人女優賞:伊澤彩織) を獲得した、殺し屋女子 2 人組のアクション映画の待望の続編『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』が3月24日(金)より、新宿ピカデリー他にて公開される。 この度、監督・脚本の阪元裕吾のオフィシャルインタビューが届きましたのでご紹介。 |
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インタビューQ.シリーズ1作目の『ベイビーわるきゅーれ』は2021年7月30日に公開されましたが、反響はいかがでしたか? ありがたいことに、どんどん口コミが広がっていきました。最初の反響も物凄かったんですけれど、日が経つにつれて、「こんな人まで?」という人まで観てくださって、驚きました。映画って最初の週末が大事という話をよく聞くんですけれど、5週目、6週目の方が盛り上がっていくという、あまりない経験をしました。 Q.『ベビわる』シリーズは、ご自身のキャリアの中で、どのような存在ですか? 分岐点になったのは間違いないです。代表作というか名刺代わりの作品です。 Q.続編が作りたいという話はご自身からしたのですか? 『1』を撮っているうちから続きを考えていて、完成する前には「続きをやるなら大体こんな話がやりたいな」とは思っていました。最悪自主映画になってでもやれたら嬉しいなと思っていました。『1』がすごく盛り上がってくれたおかげで、『2』のGOサインが出て、ありがたかったです。 Q.『1』とあえて変えた部分はありますか? 『1』はまひろ視点の、「社会不適合者が社会に馴染めないから、殺し屋しかなくて」という葛藤部分が話の大きな部分で、「メイド喫茶で働いても結局人と馴染めなくて、ちさとともぶつかってしまう」という話でした。『2』でもそこを大きく描くであろうと思われていると思うんですけれど、それをやると殺し屋コメディ感がなくなってしまうという懸念もあり、単純に二人のコメディシーンを撮りたいという気持ちがあったので、殺し屋コメディを重点的に描きました。なので、「社会不適合者でつらい」みたいなシーンは完全に無くしました。 Q.冒頭10分、ちさととまひろが登場しなくてびっくりしましたが、『2』の脚本を執筆するにあたり、どのような構成にしようと考えましたか? 何より二人の登場の瞬間が大事だと思いました。フワッと出てくるより、ためて、「キタ〜」って思わせたいと思って、ああいうプロットになりました。敵ばっかり出てきて、ルフィが出てくるまで7〜8分あるというのは、『ONE PIECE』の映画だとかだとたまにあるんです。ちさととまひろ二人のブランドがあるから、攻めた構成ができると思いました。 Q.『2』の新たな敵として、殺し屋協会アルバイトのゆうり役に丞威さん、弟・まこと役に濱田龍臣さんを抜擢されましたが、キャスティング理由をお教えください。 ラスボスを誰にするか問題がありました。『1』は、三元雅芸さんという日本で一番動けるくらいの俳優さんが相手だったので、それに適う相手って誰やねんってなったら、自然と丞威さんしかおらんちゃうという話になりました。丞威さんはドニー・イェンとかと香港の映画(『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』)で闘っている方なので、断れてもおかしくなかったんですが、『1』と脚本を面白がってくださって、すぐやりますとなってよかったです。 Q.『2』のアクションシーンについては、アクション監督の園村健介さんに、どのような発注をしましたか? 伊澤さんと、『1』のコンビニバトルとラストバトルはリアルで真剣なバトルが続いていたので、『2』は、ジャッキー・チェンやバスター・キートンの映画みたいに笑えるし楽しいアクションシーンを撮りたいねということは言っていました。伊澤さんは『1』の時にコンビニバトルでカップ麺を投げつけたりだとか、お笑い的なのもやりたかったそうで、園村さんと話した時に、銀行強盗を倒すアクションは、縛られていた彼女たちの解放感で軽やかに気持ちよく戦えるアクションにしたいと話しました。ラストバトルは、伊澤さん演じるまひろと丞威さん演じるゆうりが戦います。まひろにはちさと、ゆうりにはまことがいるんですけど、「一対一の拳の先しか考えていないようなことでお願いします」と、感情だけ伝えました。 Q.『1』では1シーンのみの登場ながら強烈なインパクトを残した、死体処理業者・田坂役の水石亜飛夢さんが、『2』ではメインキャラクターに昇格しましたが、『1』の撮影後に、田坂役を広げたいと思ったのでしょうか? そうですね。『1』の脚本段階ではそんなに広がる役ではなかったんですけれど、水石亜飛夢くんが45分くらいの撮影で最初から全力で面白いことに振って演技してくれたおかげで面白いシーンになったと思います。次は嫌なやつで終わるより、掃除屋としての矜持を見せるシーンが欲しいなと思って、ああいう見せ場を作りました。 Q.宮内役の中井友望さんのキャスティング理由は? 宮内は、ちさととまひろとも違う女性キャラです。ちさとはギャルでもないしオタクでもないという絶妙なキャラですが、わかりやすく言えば、わかりやすいギャルみたいな感じの人が来たら、違うキャラ付けだとわかると思うんですけれど、そうじゃない形にしたかったです。ちさととまひろの中間ではないですけれど、斜め横みたいな子がよかったんですけれど、中井さんのミスiDでの感じを見て、うまいこと二人の感じとは違う役になるんじゃないかなと思いました。 Q.主題歌を担当した新しい学校のリーダーズが本人役で出演もしていますが、撮影秘話をお教えください。 「当日、『なんかやってください』とお願いした方が面白いです」と言われていたので、「なんかやってください」と言ったら、福引の歌は本人たちがその場で即興で作ってダンスをしてくれたので、プロフェッショナルですごかったです。 Q.『2』の見どころはどこだと思いますか? 『1』は結構ダラダラしていたんですけれど、『2』はマジのコメディシーンを作ったので、笑うつもりで観にきて欲しいというのはあります。後半のアクションはマジになり、そこの緩急が相変わらずすごい作品になっているので、そこに注目して欲しいです。 Q.読者にメッセージをお願いします。 『1』からパワーアップしている部分もありつつ、『1』の上位互換でもない作品を目指して別の『ベイビーわるきゅーれ』を作ったので、設定は頭に入れておかないと面食らうかもしれないですが、ここから見てもどなたでも楽しめると思います。『1』のファンの方は、色んな思いがあると思うんで、議論など起きると思います。それくらい挑戦的な映画にしたつもりです。「『1』よりゆるく、『1』より熱く」を目指した作品なので、ぜひそれを劇場でお楽しみください。 |
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監督・脚本 阪元裕吾 Profile1996年生まれ、京都府出身。 |
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『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』2023年3月24日(金)~新宿ピカデリー他にて公開 なお、池袋シネマ・ロサでは、続編の公開を前に、前作『ベイビーわるきゅーれ』が3月17日(金)〜3月23日(木)まで上映されることも決定しており、その他の劇場に関しては、順次、前編の公式サイトの劇場情報に掲載される。
公式サイト: 公式ツイッター: Instagram: TikTok: あらすじ |
髙石あかり 伊澤彩織
水石亜飛夢 中井友望 飛永 翼(ラバーガール)
橋野純平 安倍 乙 / 新しい学校のリーダーズ / 渡辺 哲
丞威 濱田龍臣
監督・脚本:阪元裕吾
アクション監督:園村健介
主題歌:新しい学校のリーダーズ「じゃないんだよ」
オープニングテーマ曲:KYONO「2bRaW feat. N∀OKI (ROTTENGRAFFTY)」
製作:奥村雄二 人見剛史 松原 憲 小林未生和 エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介
プロデューサー:角田 陸 後藤 剛 音楽プロデューサー:松原 憲 音楽:SUPA LOVE
撮影:伊集守忠 照明:日比野博記 録音:五十嵐猛吏
美術:岩崎未来 スタイリスト:入山浩章 ヘアメイク:赤井瑞希 仁部遥香 ガンエフェクト・編集・VFX:遊佐和寿
音響効果:吉田篤史 アクションコーディネーター:川本直弘
助監督:工藤 渉
制作:新関収一 小玉直人 スチール:富山龍太郎
「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」製作委員会(TOKYO CALLING/ライツキューブ/SUPA LOVE/渋谷プロダクション)
制作プロダクション:シャイカー 配給・宣伝:渋谷プロダクション
2023年/日本/カラー/シネマスコープ/5.1ch/101分
©2023「ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー」製作委員会