完成披露舞台挨拶作家・佐藤泰志が、関東近郊を舞台に描いた短編小説『夜、鳥たちが啼く』が映画化。 この度、本作の完成披露舞台挨拶の実施。 |
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山田裕貴、松本まりから登壇若くして小説家としてデビューするも、その後鳴かず飛ばずの鬱屈した日々を送る主人公・慎一を演じた主演の山田裕貴。満席の客席を眺めながら「これまでで一番感想が気になる作品です。観終わったら皆さんの感想をエゴサするので、自分の言葉で感想をいただけたら」と映画への反響を期待。慎一は、人との距離の取り方がうまくできない人物だが「彼の行動すべてが愛を求める叫びのように思えた。人に干渉はされたくないけれど人と関わり合いたいという葛藤を持っている人でその表現がへたくそ。演じる上では共感しつつも、こうはならないようにと自分の心の中に眠る汚い感情をそのまま出してやっていました」と演じる上での心構えを明かした。 慎一の家でいびつな「半同居生活」をする行き場のないシングルマザー・裕子役の松本は、「どうも、闇本です(笑)」と先日のツイート投稿がネットニュースで取り上げられた事を冗談として笑い飛ばしつつ、「15歳でデビューして22年くらいになりますが、今回のような作品に憧れていたのでお声がけいただけるようになって感慨深いです。目の前のことをガムシャラにやって来たから、憧れていた世界に来られたんだという思いがあります。それほど嬉しかった」と本作出演への感無量な想いを吐露。5度目の共演となる山田については「人間力が凄い。まさに生命体。この生命体から何が出てくるのか?その面白さにワクワクしました」と一方的に熱弁しながら「これ伝わってる?」と照れ笑い。しかし山田も「うん、僕にはすごく伝わってる」と優しく答え、強い信頼関係で結ばれている様子を披露。しかし、すかさず山田からは「舞台袖にいたときは『喋れなかったら助けてね!』と言っていたのに…メチャメチャ喋るやん!」と突っ込まれるなど、場内には笑いが。 さらに松本は、自身が演じた裕子は心の傷に蓋をして葛藤しながら生きる役どころだが「つかみどころのない人で凄く歯がゆかった。自分が何を求めているのかを見ずに蓋をして。でもその感じが当時の自分の心境と重なったので、そのもどかしさを利用しました。まるで右手と右足が同時に動いてしまうような違和感をそのまま演じたというか…」と心の中にある感情をぶつけながらキャラクターに向き合ったと言い、「だからあのシーンでもね?」と松本が山田に問いかけると「あ、あそこね。言葉がいらない感じ。きっと観てもらったらわかると思うんですけど…」と上映前の舞台挨拶という事に配慮しつつ、まるで劇中の慎一と裕子さながら、語らずとも通じ合っているかのような以心伝心を感じさせる雰囲気で笑顔を見せていた。 佐藤泰志の短編小説を映画化しようと思った理由について城定監督は「佐藤泰志さん原作の映画はどれも傑作だと思うけれど、自分の中でのチャレンジとしては明るい気持ちで観られるような雰囲気にしたかった。家族を作る話は佐藤さん原作の映画ではなかった物語でもあるので、それにもチャレンジしようと思った」と本作映画化への狙いを明かした。 最後に主演の山田は「皆さん一人一人が今幸せだと思えていること、そして周りの目を気にせずに生きていくことが一番大切です。色々な人がいてよくて、みんながそれを支え合える社会になればいいという願いもこの作品に込めました。生きづらい人たちが一歩踏み出す作品なので、そういったところを見ていただければ嬉しいです」とアピールし、舞台挨拶は幕を閉じた。 |
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『夜、鳥たちが啼く』12月9日(金)新宿ピカデリーほか全国公開です。 STORY |
出演:山田裕貴、松本まりか
森優理斗、中村ゆりか、カトウシンスケ/藤田朋子/宇野祥平、吉田浩太、縄田カノン、加治将樹
監督:城定秀夫 脚本:高田亮
原作:佐藤泰志「夜、鳥たちが啼く」(所収「大きなハードルと小さなハードル」河出⽂庫刊)
製作・配給:クロックワークス
2022年/日本/115分/ビスタ/DCP5.1ch
映倫:R15
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