是枝裕和監督が率いる「分福」気鋭の新人監督・川和田恵真監督による商業映画デビュー作であり、世界三大映画祭の一つであるベルリン国際映画祭において、日本初の栄誉となる、アムネスティ国際映画賞《特別表彰》に輝き、『万引き家族』×『ドライブ・マイ・カー』スタッフが手がけた注目作品『マイスモールランド』が5月6日公開となります。
4月20日(水)に日本外国特派員協会にて本作の上映会及び嵐莉菜・奥平大兼・川和田恵真監督が登壇するQ&Aを開催、冒頭では主演の嵐莉菜、共演の奥平大兼は外国人記者に向けて英語での挨拶も披露しました。 |
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冒頭は、主演の嵐莉菜、共演の奥平大兼から来場した外国人向け記者に向けた流暢な英語での挨拶からスタート。
嵐は「こんなに多くの方に来ていただいて感激です。この作品をもっと多くの方に観て頂きたいです」 続いて来場した記者からの質問に答えるQAを実施。 嵐、奥平というフレッシュな2人をキャスティングした理由について問われた川和田監督は 「当初は日本に住むクルド人の方に(メインキャストとして)出ていただくことを考えていたが、難民申請中の方が映画に出演することによって背負うリスクを考え、今回はをキャスティングすることは避けました」 と前置き、その上で、オーディションを重ね、最終的なキャストが嵐・奥平の2人に決定した後 「彼らの等身大のキャラクターからヒントをもらいながら脚本、映画を作っていきました」とキャスティングが決まった後、2人に寄り添った映画づくりを目指したことを明かした。 続いて「今回出演が決まってから、日本におけるクルド人や移民についての事情について事前にどれくらいの期間リサーチしたのか?」と嵐、奥平にそれぞれ質問が。 嵐は「撮影前のワークショップで実際に在日クルド人のご家族にお話を聞く機会を頂いて、本当に実際に苦しい状況にいるんだということをお話を聞きました。クルド料理をいただいたりしました」と振り返り、自身もこの撮影に入るまで<日本でこのようなことが起きているとは全く知らなかった>という奥平は「撮影前に勉強をしてしまうと、僕が演じる聡太としての反応にも影響がでるから、事前にクルドの文化や問題に関して調べることはせず、お芝居をやっていくなかで触れていこうと監督と話しました」と明かした。 「ウクライナからの避難民を受け入れているいま、とても意義のある映画だと思いますが、この映画から何を受け取ってもらいたいですか」という質問に、 川和田監督は「まずは出来るだけ多くの方に見て、知ってもらいたいです」と監督としての率直な想いを述べ、続けて「そして、映画の主人公たちのような若い世代に届いてほしいです。社会的なものだと敷居が高いと思われがちですが、本作は青春物語でもあるので、いろんな方に届いてほしいです。またこの映画は家族の物語でもあるので、親世代の方にも違った響き方をするのではないかと思っています。まずは、この作品がいろんな世代に届き伝わってほしいです」と回答した。 また、嵐、奥平の二人には 登壇した3人の穏やかな空気感に包まれた記者会見となった。 |
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『マイスモールランド』公式HP: 公式twitter: 公式Instagram: ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のヘッドプログラマーのセバスチャン・マルクト氏が「世界共通のテーマである現代社会の矛盾を、とても美しく、映画らしい構成で物語に練りこんでいる」と称え、海外メデイア「VERDICT」に掲載されたレビューには、「川和田監督の『マイスモールランド』はあくまでフィクションとして、彼女自身がダブルとして生きる経験から、クルド人全体を描くのではなく、一人の高校生であるクルド人に焦点をあてる。彼女が生きる日本社会の中で、希望や夢を持ち、目の前の困難に立ち向かう状況を描いた特別な映画である。日本当局の非人道的な難民政策を厳しく批判する一方で、17歳の少女が自分の感情や、複数のアイデンティティによってもたらされる責任と対峙する姿を感動的に描いており、注目されるべき作品」と既に海外からも高く評価されている。 ストーリー |
出演:嵐莉菜、奥平大兼、平泉成、藤井隆、池脇千鶴
アラシ・カーフィザデー リリ・カーフィザデー リオン・カーフィザデー、韓英恵、サヘル・ローズほか
監督・脚本:川和田恵真
主題歌:ROTH BART BARON 「N e w M o r n i n g」
企画:分福
制作プロダクション:AOI Pro.
共同制作:NHK FILM-IN-EVOLUTION(日仏共同制作)
配給:バンダイナムコアーツ
(C)2022「マイスモールランド」製作委員会 上映時間:114分