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阪本順治監督&柳町光男監督トークイベント開催決定

後世の監督たちに多大な影響を与える柳町光男監督の代表作『十九歳の地図』のリバイバル上映がこの度決定し、12月4日(土)~30日(金)までの期間、新宿K’s cinema にて上映されます。十九歳の地図

上映は『十九歳の地図』を中心に、『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』『さらば愛しき大地』という柳町光男監督初期3作の上映になります。   

芥川賞作家である中上健次の原作の同名小説を映画化し、1979年「映画芸術」ベストテン1位、「キネマ旬報」ベストテン7位に選ばれ、カンヌ国際映画祭の批評家週間にも出品された『十九歳の地図』。
十九歳の地図
主人公のまさるは、地方から東京に出て、新聞配達をしながら予備校に通う19歳。
大学生でもなく、大人でもない日々を生きる彼は、配達先の家を調べながら、自分で描いた地図に×をつけます。その家の家族が、気に入れば×1つ、気に入らなければ×3つ。そして自らの鬱屈を晴らす行為が、少しずつエスカレートしていきます。40年前に作られた映画の中の主人公の“どう生きればいいのか分からない”出口の見えない、やり場のない閉塞する混迷の時代は、今も変わらず存在しているのです。

今回、本作の公開記念イベントとして、12月17日(金)18時40分からの上映後、柳町光男監督と阪本順治監督のトークイベントを開催することが決定しました。横浜国立大学在学中に、『十九歳の地図』を大学で上映するために、柳町監督の事務所を訪れた阪本監督。柳町監督からその時貰ったセブンスターを大切にしていたというエピソードがあります。社会派の作品を多く作る作家同士、どんなトークになるのか楽しみです。

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柳町光男監督

茨城県出身。早稲田大学在学中にシナリオ研究所に通い、1969年に卒業。フリーで映像の仕事に携わる。74年に自らの製作会社であるプロダクション群狼を設立。暴走族の少年たちにスポットを当てたドキュメンタリーを製作。76年に完成したモノクロ、16ミリの「ゴッド・スピード・ユー!BLACKEMPEROR」は、当初自主上映だったが、東映が配給を決め、35ミリにブローアップして全国公開、一躍注目される。79年に中上健次の同名小説をもとにした劇映画第1作「十九歳の地図」を発表。時代の空気を的確にとらえた青春映画の傑作として評価され、80年のカンヌ映画祭批評家週間に出品。自らの故郷である茨城県・鹿島地方を舞台に描いた「さらば愛しき大地」(82)は、キネマ旬報ベスト・テン第2位、ベルリン国際映画祭正式出品。前作同様に海外の映画祭で高い評価を得る。85年、中上健次のオリジナル脚本を得て、熊野を舞台にした「火まつり」を監督。カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品。以降アジアへ視点を向ける。ジョン・ローンを主演に起用した「チャイナシャドー」(90)を監督。東京を舞台に中国人留学生の悲恋を描いた「愛について、東京」(93)はヴェネチア国際映画祭出品。95年、台湾の伝統的職業江湖(パオジャンフー)たちの日常をとらえた日台合作ドキュメンタリー「旅するパオジャンフー」を発表。ヴェネチア国際映画祭出品。2001年~03年度には母校でもある早稲田大学客員教授を務め、この経験を元に、「カミュなんて知らない」(06)を発表。カンヌ映画祭監督週間、ニューヨーク映画祭に出品、東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞。

阪本順治監督

大阪府出身。大学在学中より、石井聰亙(現:岳龍)、井筒和幸、川島透と いった“邦画ニューウェイブ”の一翼を担う監督たちの現場にスタッフとして参加する。89 年、赤井英和主演の『どついたるねん』で監督デビューし、芸術推奨文部大臣新人賞、日本 映画監督協会新人賞、ブルーリボン賞最優秀作品賞ほか数々の映画賞を受賞。満を持し て実現した藤山直美主演の『顔』(00)では、日本アカデミー賞最優秀監督賞や毎日映画コ ンクール日本映画大賞・監督賞などを受賞、確固たる地位を築き、以降もジャンルを問わず 刺激的な作品をコンスタントに撮り続けている。2016年には斬新なSFコメディ『団地』で藤山直美と16年ぶりに再タッグを組み、第19回上海国際映画祭にて金爵賞最優秀女優賞 をもたらした。その他の主な作品は、『KT』(02)、『亡国のイージス』(05)、『魂萌え!』(07)、『闇の子供たち』(08)、『座頭市THE LAST』(10)、『大鹿村騒動記』(11)、『北 のカナリアたち』(12)、『人類資金』(13)、『ジョーのあした─辰一郎との20年─』(16)、『団地』(16)、『エルネスト』(17)、『半世界』(19)など。最新作『弟とアンドロイドと僕』が1月7日からkino cinema横浜みなとみらい他にて全国順次公開。

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『十九歳の地図』

12月4日(土)~30日(金) 新宿K’s cinema にて上映

STORY
新聞販売所で下宿をする予備校生の19歳の青年が、日々の配達先で知る各家々の家庭構成、性格など書き止め、×印を付け、自分だけの地図を書き始める。見下されながらも見下しているような捻じれた自尊心が、日常の不満、偽善に鬱屈しながら、配達先で×印をつけた人たちに嫌がらせ電話をかけていく。主演本間優二が、夢も希望もなく鬱積する青年を見事に体現。また、卑小で無様な中年男の哀しみを演じた蟹江敬三。板橋文夫の音楽が切なく響く。
*DCP版での上映
十九歳の地図

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原作:中上健次
1979 109分 
製作:プロダクション群狼 
監督・脚本:柳町光男
撮影:榊原勝己
原作:中上健次
美術:平賀俊一|音楽:板橋文夫
出演:本間優二 蟹江敬三 沖山秀子 山谷初男 原知佐子 西塚肇 白川和子 友部正人 津山登志子 中島葵 
川島めぐ 竹田かほり 中丸忠雄 清川虹子 柳家小三治 楠侑子
配給:プロダクション群狼
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