映画情報どっとこむ ralph

『MINAMATAーミナマター』公開直前トーク

「映画と人を繋ぐ」をモットーに、映画とファンをつなぐ、新しい出会いの場を提供する活動を行うコミュニティ“uni”。

いよいよ映画の公開を4日後の23日(木・祝)に控えた本日、そんなuniが主催となり能條桃子(NO YOUTH NO JAPAN)、小西遊馬(ドキュメンタリー作家、ジャーナリスト)、駒下純兵(ラブグラフCEO)をお招きした、トークイベントを開催。
MINAMATA トークイベント
『MINAMATA−ミナマタ−』公開直前トークライブ
日時:9月19日(日)
形態:インスタライブ
登壇:能條桃子(NO YOUTH NO JAPAN 代表)、小西遊馬(ドキュメンタリー作家 ジャーナリスト)、駒下純兵(ラブグラフ CEO)
MC:もっちゃん(映画好きYouTuber)

映画情報どっとこむ ralph

能條桃子、小西遊馬、駒下純兵、もっちゃん登場

SNS、映像、写真、と届ける手段のコンテンツをそれぞれ武器とする、次世代を担う若手リーダーたちがまもなく公開する『MINAMATA―ミナマター』を通して考えるZ世代のジャーナリズムについて語り合った。
まず初めに本作について、若い世代の政治参加を促進するために活動するNO YOUTH NO JAPAN代表の能條がコメント。能條は大学3年生の時に経験したデンマークへの留学がきっかけで団体を立ち上げたという。若い世代の投票率が8割を超えているデンマーク。「海外に遅れを取らないよう、日本も頑張らなくてはという思いで活動を始めたが、映画を見て日本の歴史からも学ぶことはたくあるということに気がついた」と語った。続いてドキュメンタリー作家であり、ジャーナリストとしても活動する小西。これまでに香港の民主化運動や黒人差別といったトピックを扱っており、報道写真家であるユージンと重なる部分も多い小西は、異国の地、日本で水俣病を追い続けた彼について「被写体の魂を抜き取ってしまうのと同時に自分の魂をも削らなければならない中で、最後まで闘い抜いた姿勢にただただ感心した」と熱く話す。カメラマンの出張サービスを展開しているラブグラフを運営し、普段、家族写真やウェディングフォトを撮影している駒下。かつて、戦争が無くなってほしいという思いから戦場カメラマンを目指していたというが「人の悲しい写真を撮るのではなく、幸せな瞬間を撮影することで、自分の人生が幸せだと気づき、人に優しくすることができる」「優しさの連鎖は人を救うことができる」と思ったという。そんな駒下は「映画ではたった一枚の写真が世界に影響を与えた。昔と比べて、今の時代はそういったことがしやすくなっている。自由に発信することができるようになった今、メディアを通して何ができるかを考えることができた」と語った。

また印象に残っているシーンについて。能條は「水俣で撮影された写真がたくの人々の協力のもと世界に発信されていく様子を見て、「みんなで社会を変えている」と感じた」と語り、個人個人が発信力を持つ現代との形式の違いを指摘、「そんな当時の発信の方法をかっこいいと思った」とした。

途中、歴史を知らなくても楽しめる映画なのか?という一般の方からのコメントに対し、気候変動などの問題にも関心を持ち、アクティビストとしても活躍する能條が「映画では水俣病以外の環境問題にも関心を持つことができる、歴史を知らない人にこそ見てほしい」と訴えるシーンも。
そして話題はSNS世代の彼らの発信者としての思いや、課題について。能條は「できるだけわかりやすく、みんなにシェアしたくなるものを意識している」と話し、さらに「映画や写真が物事に立ちはだかっている壁を下げて、みんなが想像力を持てるようにすることができる。だからメディアは必要なのだと感じた」とコメント。駒下は「信念を持って活動する人が痛い目で見られてしまう今の日本。そんな人たちが輝けるようになってほしい」とし、「お金にならないようなことでも積極的にできる世の中になってほしい」と語る。

最後に本作をどのような人に勧めたいかという質問について、まず能條は「今のままではダメなんじゃないかと思って何か活動しようとしている人、実際に活動しているけど自信を持てていない人、何か活動をしたいと思っても勇気が出ない人に見てほしい」「映画を見て私自信もすごく勇気付けられた」と話す。小西は「自分で何か発信をしたい、社会に貢献したいと思っている人に見てほしい」とし、「ユージンの姿を通して、何か活動していくには強い姿勢や倫理がないと難しいということも学ぶことができる」と語った。最後に駒下は、これから映画を鑑賞する観客の皆に向けて「受け身の姿勢ではなく、主体的に、この映画から何を汲み取るかという姿勢で鑑賞する方が面白い」「映画から何か感じ取ることができれば、その人はアクションを起こすことができる」とコメントし、イベントを締めくくった。

映画情報どっとこむ ralph

『MINAMATA−ミナマタ−』

9月23日(木・祝)TOHOシネマズ 日比谷他にて全国公開

公式サイト:
longride.jp/minamata/

ストーリー
1971年、ニューヨーク。アメリカを代表する写真家の一人と称えられたユージン・スミスは、今では酒に溺れ荒んだ生活を送っていた。そんな時、アイリーンと名乗る女性から、熊本県水俣市にあるチッソ工場が海に流す有害物質によって苦しむ人々を撮影してほしいと頼まれる。水銀におかされ歩くことも話すことも出来ない子供たち、激化する抗議運動、それを力で押さえつける工場側──そんな光景に驚きながらもシャッターは冷静に切り続けるユージンは、チッソの社長からのネガを大金で買うという申し出を拒否したために危険な反撃にあう。追い詰められたユージンは、水俣病と共に生きる人々にある提案をし、彼自身の人生と世界を変える写真を撮る──。
『MINAMATAーミナマター』POSTER

***********************************

製作:ジョニー・デップ 
監督:アンドリュー・レヴィタス 
脚本:デヴィッド・ケスラー
音楽:坂本龍一
原案:写真集「MINAMATA」W.ユージン・スミス、アイリーンM.スミス(著)
出演:ジョニー・デップ、真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子and ビル・ナイ
作品コピーライト:© 2020 MINAMATA FILM, LLC  
提供:ニューセレクト株式会社、カルチュア・パブリッシャーズ、ロングライド 配給:ロングライド、アルバトロス・フィルム
2020年/アメリカ/英語・日本語/115分/1.85ビスタ/カラー/5.1ch/原題:MINAMATA/日本語字幕:髙内朝子

関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ