一味違う活弁シネマ倶楽部は「キネマ旬報」編集長と過去・現在・未来”を語った
また森は、キネマ旬報の「読者の映画評」のコーナー出身者なのだという。「1996年まで投稿していまして、1997年から正式にキネマ旬報でのライター業をスタートさせました」と語っている。徐、森の両者にとって本企画は、特別な特集企画のようだ。 |
|
その後は、三浦氏のプロフィールを紹介している。さまざまな経緯を経て、2018年の7月に同誌の編集長に就任。「キネマ旬報は1919年の創刊なので、2019年に100周年を迎えました。その直前に編集長に就任と、大役を任されたわけですね」と語る森。映画界において三浦氏がどのような道を歩んできたのかが、森との対話からよく分かるものとなっている。 キネマ旬報は、世界最古の映画専門誌であり、“映画賞”としての権威もあり、またその一方で産業でもある。そのうえ、「“映画検定”や“映画感想文コンクール”など、総合的な事業も展開していますよね」と森が口にすると、「ビジネスとしては成立していないものの、ああいったことは非常に大切だと思っています。それに柏では、“キネマ旬報シアター”という映画館も運営しています。これら映画にまつわるものは、横軸で繋げていく必要性を感じています」と三浦氏。 |
|
そしてトークは、多くの映画ファンにとっての毎年の楽しみである“キネマ旬報ベスト・テン”についての歴史や現状にも深く言及。“娯楽映画とアート映画の棲み分け”、“俳優で映画を観る”、“海外映画と日本映画に対する反応の差”といった興味深いトピックがいくつも立ち上がっている。さらに、“コロナ禍において映画雑誌を出版すること”についても話題は及ぶ。森が「いままでの慣習通りに原稿を書いても、当の映画が公開延期ということがある。1、2週間先の世界状況が想定していたものとまったく違っていたりして、これに対して雑誌というものの持つ“速度”というものがすごく問われたのではないかと思います」と述べると、「紙の雑誌として残していくということは大切な軸としつつ、デジタルで何をしていくのか。それに加え、感想文や映画館などがすべて結びつくようなサイクルを考えていかないといけないと思っています」と三浦氏は答えている。 今後の“キネ旬”の動向にも注目の集まる収録回となっている。 https://www.kinejun.com/
|
|
■活弁シネマ倶楽部■出演者:三浦理高「キネマ旬報」編集長、森直人、徐昊辰 |