現在『VIDEOPHOBIA』が全国順次公開中の宮崎大祐監督が、“映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」に登場。 今回では、『大和(カリフォルニア)』『TOURISM』などで国内外から注目を集める宮崎監督のファンだというライターの折田侑駿がMCを務め、さまざまな角度から本作の魅力について深堀りしている。 |
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本作は、“ディープな大阪”を舞台に、29歳の一人の女性が、一夜を共にした男に情事の動画をネット上にばらまかれたことから精神を失調していくさまを描いたスリラー映画だ。自分の映像が世界中に拡散されるという計り知れない恐怖と、助けを求めても自分を責めるような周囲からの視線の中で孤立していく女性の世界が、生々しいモノクロームの映像によって捉えられている。ヒロインの愛を演じているのは、サニーデイ・サービス「セツナ」のMVなどに出演の廣田朋菜。さらに、独特な存在感を放ち続ける忍成修吾や、サヘル・ローズの怪演にも注目だ。フランスのオリヴィエ・アサイヤス監督は本作について、「見事な作品だ。現実的であると同時に、完璧に夢幻的だ」とコメントしている。
MCの折田は、「率直に言って、めちゃくちゃ面白かったです。本作がモノクロでなければならない意味などを考えるのも面白いのですが、僕が本作から見出した主題のようなものと、僕自身が普段から考えていることとが通じ合うところもあって」とまず切り出す。宮崎監督は、「ひとまず東京での上映を終えたところですが、多くの反響をいただいています。現時点での自分の代表作になったかなと。これからの作品でもっと広がりを生み出すことができる、その礎が築けたように思います」と俯瞰的に現状を見ている。 とはいえ折田は、本作がここまでの盛り上がりを見せていることに、意外性を感じているのだという。「『大和(カリフォルニア)』や『TOURISM』の方が、本作以上にエンタメ要素があるように個人的には感じています。『VIDEOPHOBIA』への反響の大きさは、正直に言うと意外なんです」と口にする折田。これに宮崎監督は「本当にそうなんですよ。でも割といま、『アングスト/不安』だとか、得も言われぬ“不安を煽る系の映画”が世の中的には受け入れられている感じがあって。そういった文脈で本作も受け入れられたのかなと。また、いわゆる映画ファンの方々だけでなく、“ジャンル映画”を好んで観る方々にも受け入れられているように思います」と客観的に分析している。常に不安がつきまとう、現在の環境下ならではのものでもあるのかもしれない。 本作は、大阪での演技ワークショップを起点とした作品でもある。このトークでは企画の成り立ちや、88分間、観客の不安を煽り続ける物語の着想、ツイッターをはじめとするSNS社会に対する不安、現在のマスク社会に関して、そして、主演を務めた廣田朋菜の魅力についても話題は及んでいる。 |
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