映画情報どっとこむ ralph 金曜より公開となった、大阪アジアン映画祭のクロージング作品『蒲田前奏曲』のプロデュース・出演の松林うららが、映画を語るWEB番組「活弁シネマ倶楽部」にゲスト出演。映画制作の意図や、連作長編の、4人に監督それぞれの作品について語った。

本作について、「私が演じるマチ子を軸に、マチ子の生きる環境によって主人公がそれぞれの章に出てくる映画」と説明。「映画が終わった後に、立ち止まってもらえる映画ではないか」と話す。
映画情報どっとこむ ralph 作品の構想については、「自分が女優・俳優であるという立場で、現状うまくいっていないというところと、俳優として生きていく中だけでなく、俳優も人間だし、色んな環境で生きていて、色んな顔があるというところは面白いと思った。自分の半径5メートルにある話、自分が疑問に思ったことを表現できないかなと思った」そう。

4人の監督を選んだ理由を聞かれ、「皆さん純粋に作品が好きだったし、心が動いた監督と組みたいと思って、お願いした」と話した。

中川龍太郎監督には、弟に彼女ができた時の感情、穐山茉由監督には女子会、安川有果監督には、自分のセクハラの経験、栃木県・大田原で撮っている渡辺監督には東京中心主義というお題を出した。

大阪アジアン映画祭で観たフィリピンの偶像劇『視床下部すべてで、好き』のヒロインが全てにおいて主人公じゃなかったことが面白いなと思ったことがインスピレーションの源で、「マチ子は主人公になれないというのをひとつの軸にした」そう。松林が出演した『21世紀の女の子』は各作品の繋がりがなかったので、繋がったらどうなんだろうと思い、「マチ子と蒲田という軸を1本立てて、そこで織り成す環境・色を出して欲しかったし、あとはお任せした」と話す。

第1番「蒲田哀歌」(監督・脚本:中川龍太郎)では、「(古川琴音演じる)節子という、(蒲田の空襲で命を落とし、)見たかったであろう明日を生きれなかった女性がいて、対比として(売れない女優)マチ子は今目指すものはあるけれど、現状は満足していないという状況」を描いているとのこと。

第2番「呑川ラプソディ」(監督・脚本:穐山茉由)が取り上げている女子会については、「女子は群れを作りたがる。トイレ行くのにも誰かを連れて行ったりだとか、クラスの中にもグループがあるのが俯瞰して面白いと思った。私は今俳優という立場だけれど、女優と言っても華やかではないし、周りの子の方がいいものを持っていたりする。みんなのことが大好きだけど、たまに集まる時に、現状に満足していない自分もいる。色んな生き方があるので、会話劇にしたかった。」と話した。

第3番「行き止まりの人々」(監督・脚本:安川有果)が取り上げている#MeTooについては、「実際経験したことが物語っていると思っていて、海外で#MeTooが起きても、日本では伊藤詩織さんなど女性が声をあげることが非難される風潮にあったのを見て許せなかった。私も一被害者として、そういう経験をしたということについて、表現者として、何ができるのだろうと思った時に、やった人はもちろん悪いけれど、その人を陥れるということはしたくなかったし、対立構造を作るということもしたくないけど、こういう表現をすることで自分の中で昇華したいと思った。もっとみんな深刻に考えるべき」と熱く語った。

第4番「シーカランスどこへ行く」(監督・脚本:渡辺紘文)は、「最初は蒲田も出てきて、マチ子が東京から大田原に帰り、マチ子のお母さんに会うという構想で、りこちゃんは親戚の子、渡辺さんも親戚のおじさんという立ち位置の、(渡辺が監督した)『そして泥船はゆく』のような、”家族に見せる顔”というテーマだった」という。しかし、色々あり、「マチ子でなくても面白いなと思って」、マチ子は出ない構成に。「渡辺さんの作品を見たことがない方が見たら驚くかもしれないですけれど、いつも通りと言ったらいつも通り」と笑った。

映画情報どっとこむ ralph 「活弁シネマ倶楽部」
蒲田を舞台にした理由など、裏話も披露。公開に伴い、番組での裏話もチェックしてみては如何だろうか。

公式HP:
https://katsuben-cinema.com/

公式ツイッター:
@katsuben_cinema 

映画情報どっとこむ ralph
『蒲田前奏曲』

9月25日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、キネカ大森ほかにて全国順次公開

STORY
第1番「蒲田哀歌」監督・脚本:中川龍太郎 出演:古川琴音 須藤蓮 松林うららオーディションと食堂でのアルバイトの往復で疲れ果てている売れない女優、マチ子。ある日、彼氏と間違われるほど仲の良い弟から彼女を紹介されショックを受ける。だが、その彼女の存在が、女として、姉として、女優としての在り方を振り返るきっかけとなる。

第2番「呑川ラプソディ」監督・脚本:穐山茉由 /出演 : 伊藤沙莉 福田麻由子 川添野愛 和田光沙 松林うらら 葉月あさひ 山本剛史アルバイトをしながら女優をしているマチ子。大学時代の友人4人と久々に女子会をするが、独身チームと既婚チームに分かれ、気まずい雰囲気に。そこでマチ子は蒲田温泉へ行くことを提案する。5人は仕事、男性のことなどを話し合い、次第に隠していたものが丸裸になっていく。

第3番「行き止まりの人々」監督・脚本:安川有果 出演 : 瀧内公美 大西信満 松林うらら 吉村界人 二ノ宮隆太郎 近藤芳正映画のオーディションを受けたマチ子。セクハラや#metooの実体験やエピソードがあれば話すという内容だったが、皆、思い出すことに抵抗があり、上手く演じられない。そんな中、マチ子の隣にいた黒川だけは迫真の演技を見せる。マチ子は共に最終選考に残ったが・・・。

第4番「シーカランスどこへ行く」監督・脚本:渡辺紘文(大田原愚豚舎)出演 : 久次璃子 渡辺紘文マチ子の実家は大田原にある。大田原に住む親戚の小学5年生のリコは、大田原で映画の撮影現場にいる。そこへとある映画監督が撮影現場の待機場所にやってきて・・・。渡辺紘文監督ならではの視点で東京中心主義、映画業界、日本の社会問題についての皮肉を、お決まりの作風で描く。

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出演 : 伊藤沙莉 瀧内公美 福田麻由子 古川琴音
松林うらら 近藤芳正 須藤蓮 大西信満 
和田光沙 吉村界人 川添野愛 山本剛史
二ノ宮隆太郎 葉月あさひ 久次璃子 渡辺紘文
監督 ・脚本 : 中川龍太郎 穐山茉由 安川有果 渡辺紘文
企画 : うらら企画
製作 : 「蒲田前奏曲」フィルムパートナーズ
配給: 和エンタテインメント、MOTION GALLERY STUDIO
2020年 / 日本 / 日本語 / 117分 / カラー&モノクロ / Stereo
『蒲田前奏曲』© 2020 Kamata Prelude Film Partners
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