本日8月30日(金)“映画を語る”WEB番組「活弁シネマ倶楽部」に、映画『メランコリック』にてメガホンをとり、長編映画初監督にして数々の映画賞を受賞した田中征爾(たなか・せいじ)監督がゲストで登場した。(ネタバレ有り)
本作の物語は、名門大学を卒業後、うだつの上がらぬ生活を送っていた主人公・和彦が、アルバイト先の銭湯が閉店後の深夜、風呂場を“人を殺す場所”として貸し出し、さらには、同級生の松本が殺し屋であることを知ることから物語が進んでいく、巻き込まれ型サスペンス・コメディ。 続けて、脚本作りのルールや正攻法を学んだ後には、「いろんな映画の法則を書き出してみるのが楽しくてしょうがなかった」と話す。森氏から、過去の映画の具体的な分析結果を聞かれると、「『英国王のスピーチ』はあまりにも(正攻法のルール)まんま過ぎて。何分に何が起こるのかをルールブック通りにやっているのにあんなに面白いのは素晴らしいなと思う。」と、『メランコリック』の緻密なストーリー構成を裏付ける田中監督の脚本研究術について語っている。 そして、トーク内容は本作のストーリーについて進んでいく。アルバイト先の銭湯が殺人現場として使用されているという奇抜の設定の“巻き込まれ型サスペンス”に見える本作だが、田中監督は「僕の中では“サスペンス”ではない」とコメント。「僕の中では、和彦というキャラクターを主人公にした、ただの人間ドラマ。」と評し、「彼(和彦)の成長を描くにあたって、彼の家族・仕事・恋人っていう周りを描くことで中心にいる彼を炙り出していくっていう手法をとった。(彼が家族・仕事・恋人)に見せている仮面がそれぞれ違う。それをドラマが進んでいく上でどう交差させていくかが人間ドラマだと思っている。」として、森氏もこれには「聞かないとわからないな。」と驚きと納得の表情を見せている。
活弁シネマ倶楽部」 |
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田中征爾 Profile 1987 年8月21日生まれ。福岡県出身。 日本大学芸術学部演劇学科を中退後、映画を学ぶ為にアメリカはカリフォルニア州の大学に入学。 帰国後は舞台の演出及び、脚本執筆をしつつ、映像作品を製作。現在はベンチャーIT企業で動画制作を担当。第31 回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門にて初長編監督作『メランコリック』が上映、監督賞を受賞。第21回ウディネファーイースト映画祭でも新人監督作品賞を受賞。 |
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『メランコリック』
https://www.uplink.co.jp/melancholic/ あらすじ |
監督・脚本・編集 :田中征爾
出演
皆川暢二、磯崎義知、吉田芽吹、羽田真 、矢田政伸 、浜谷康幸、 ステファニー・アリエン、大久保裕太、山下ケイジ、新海ひろ子、蒲池貴範 ほか