映画情報どっとこむ ralph 本日 4月 2日(火)21:00 に、“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」第22回が放送されました。

今回は、大杉漣さんの最後の主演作で唯一プロデュースを手掛けた映画『教誨師』を特集。

MCに森直人さん、ゲストには、監督・脚本の佐向大さんが出演。公開後も追加上映が相次ぎ、4月2日からはDVDが発売される本作について語り尽くしました。

映画情報どっとこむ ralph 『教誨師』は、死刑囚が刑執行までの残された人生に寄り添い、心安らかに詩を迎えることができるように対話を続ける一人の教誨師が、6人の死刑囚との対話を通して、教誨師という仕事が正しいことなのか苦悩し、自らの人生や人間としての本質と向き合っていく物語で、ほぼ全編が教誨室という限られた空間で展開し、息つく暇もない会話劇が繰り広げられる。

製作の背景について語る中で佐向監督は、映画の製作が成立できないことが続いたことから

佐向監督:お金もかけず、なんのセットもなしでただ2人がいるだけで面白いものを作ってやるぞという気持ちがありました。

と当時の反骨精神を明かし、これに

森さん:その自分で課した制約が、密度の異常な濃さになっています。

と映画をミニマムに面白いものを作ろうとする考えが、結果的に脚本を濃密なものにしたと称賛した。

また、セリフについて、限られた空間にいる2人の会話がただ続いていくだけの脚本になったことについて

佐向監督:ここまで生きるってなんだろうとか、なんで殺しちゃいけないんだろうとか、罪ってどんなことだろうとか、普段考えないことを考えました。

と、会話劇であり、教誨師という特異な題材であるが故の苦悩を回顧した。

また番組内では、俳優達の演技にも迫っている。6人の死刑囚の一人・小川一を演じた小川登さんについて、

佐向監督:リハーサルがほんとだめで、撮影の前日にカラオケ入って、前の晩まで練習したんですよ。でも、『ごめん。オレできない。』って言われて、じゃあ、棒読みでも良いっていったらびっくりするくらい良くて。どうやら、奥さんに感情込めてやらないとだめじゃないって言われたらしい。

と、佐向監督の作品以外には演技経験が全く無い小川さんが土壇場で見せた素晴らしい演技を称賛した。

小川さんはプロの俳優ではなく、佐向監督の学生時代の同級生で普段は会社員として生活しているが、森さんも「素晴らしいですよね」とその演技を絶賛した。

映画情報どっとこむ ralph 番組では、『教誨師』の宣伝だけにとどまらず、『ゴングなき戦い』やジャッキー・チェン作品など佐向監督のバックグラウンドにも迫っている。映画監督でありながら職業映画宣伝マンである佐向監督の異色の経歴や、学生時代に仲間たちとつくった作品など、ざっくばらんなトークが展開された。

【監督・脚本:佐向大 プロフィール】
1971年、神奈川県出身。自主映画のロードムービー『まだ楽園』(05)が各方面から絶賛され劇場公開、注目を集める。死刑に立ち会う刑務官の姿を描いた吉村昭原作の『休暇』(07/門井肇監督)では脚本を担当。ドバイ国際映画祭審査員特別賞、ヨコハマ映画祭主演男優賞(小林薫)& 助演男優賞(西島秀俊)を受賞するなど国内外で高く評価された。09年に『ランニング・オン・エンプティ』で商業監督デビュー。その他の脚本作に芥川賞作家・玄侑宗久原作の『アブラクサスの祭』(10/加藤直輝監督)、『ホペイロの憂鬱』(17/加治屋彰人監督)など。

映画情報どっとこむ ralph ■活弁シネマ倶楽部■
「活弁シネマ倶楽部」は、映画の制作陣がゲストに登場する貴重な番組であり、ネタバレの縛りもなく想いを吐き出せる場として制作側の支持が熱いそうだ。独自の目線で作品を 選定し紹介しているため、まだまだ視聴者に知られていない作品やその内容について十分に語られていない作品にも出会えるチャンスかもしれない。

WEB 配信での特別番組だが、引き続き定期的に配信され、今後は生配信の可能性もあるとのことで、映画好きにとっては、必見の番組だ。

「活弁シネマ倶楽部」公式ツイッター:
@katsuben_cinema

映画情報どっとこむ ralph ■『教誨師』■

http://kyoukaishi-movie.com/

2019年4月2日DVD発売

あらすじ
プロテスタントの牧師、佐伯保(大杉漣)。彼は教誨師として月に2回拘置所を訪れ、一癖も二癖もある死刑囚と面会する。無言を貫き、佐伯の問いにも一切応えようとしない鈴木(古舘寛治)。気のよいヤクザの組長、吉田(光石研)。年老いたホームレス、進藤(五頭岳夫)。よくしゃべる関西出身の中年女性、野口(烏丸せつこ)。面会にも来ない我が子を思い続ける気弱な小川(小川登)。そして大量殺人者の若者、高宮(玉置玲央)。佐伯は、彼らが自らの罪をしっかりと見つめ、悔い改めることで残り少ない“ 生” を充実したものにできるよう、そして心安らかに“ 死” を迎えられるよう、親身になって彼らの話を聞き、聖書の言葉を伝える。しかしなかなか思い通りにはいかず、意図せずして相手を怒らせてしまったり、いつまで経っても心を開いてもらえなかったり、苦難の日々が繰り返される。それでも少しずつ死刑囚の心にも変化が見られるものの、高宮だけは常に社会に対する不満をぶちまけ、佐伯に対しても一貫して攻撃的な態度をとり続ける。死刑囚たちと真剣に向き合うことで、長い間封印してきた過去に思いを馳せ、自分の人生とも向き合うようになる佐伯。そんな中、ついにある受刑者に死刑執行の命が下される……。

監督・脚本:佐向大

出演者:大杉漣 玉置玲央 烏丸せつこ 五頭岳夫 小川登 / 古舘寛治・光石研

エグゼクティブプロデューサー:大杉漣 狩野洋平 押田興将

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