映画情報どっとこむ ralph ゲストを招いて映画作品を紹介し、その裏側を明らかにすることをテーマの1つとしている“映画を語る”番組「活弁シネマ倶楽部」第8回が1月13日(日)17時から放送された。

今回は、杉田協士監督の7年ぶりの長編映画『ひかりの歌』を紹介。
番組内では、「光の短歌コンテスト」で1200首から選ばれた4首をもとにしたという制作の経緯や杉田監督の映画に対する考え方など、インタビュー形式で放送された。

最初は4つの短歌をそれぞれ短編4つの映画にするつもりで、全てをまとめた長編映画にするつもりはなかったとした。

杉田監督は、本作の映画づくりにおいて、まず事前にフリーランスの窓口サイトで仕事依頼を受け付けていた4人の女優を主演にすることを決めており、その上で前述のコンテストで短歌を4首選んだという。そのうえで、それぞれの短歌と主演に合わせて、“ここで映画を撮りたい”と思いついた場所があったらその瞬間に実際に行って、話を聞き、撮影許可や出演許可をとった。

杉田監督:その(現地の)方たちと場所があって私たちスタッフ、俳優の人たちが行くと、もうなにかあるんですよね。私がなにか手を入れる必要がないので、それを私は見ている。こんなことが起きているというのを楽しんでいます。

と語った。

また、現場での指示について、細かい表現の指摘はせず、事前のイメージと俳優の動きのすり合わせを行うとして

杉田監督:演出をしていくというよりは、発見をし続けなければいけない。今そこで起きていることの良さに気づけるかどうか。もし見落としていたらアウト。

と、自論を展開した。

また、杉田監督にとっての映画とは何かという問いに対しては、「気になることに近づくための手段」として、“なんで?”と思うことに対してのアプローチの仕方において、杉田監督が選んだ表現が映画だったとした。

映画監督になったきっかけとして、シネマ・ロサの勝村俊之氏に『河の恋人』で才能を見出され、新たに一作品作ることを提示されて『ひとつの歌』を作ったことが、助監督から監督への歩みを進めたきっかけだったとそう。助監督の経験を積んだ杉田監督は映画監督という職業について、助監督とは異なり責任が伴うが故に

杉田監督:スタッフは監督の判断を信じる必要がある。最終的に責任を取るのはその(監督とプロデューサーの)二人なので。 

と話し、監督の判断が正しいかどうかは何年後かにならないとわからないこともある、変わった世界だと独特な映画現場の世界観を語った。

さらに、チョンジュ国際映画祭について、日本でいうと原宿を歩いているような若者が見に来ており、会場は満席だったと話し、その反応についても涙を流して質問をしてくれた人もいたと笑みを浮かべ、『ひかりの歌』が海を超えた韓国にも届いたことへの実感を伺わせた。

また、今後の自身の仕事については

杉田監督:小説を書こうと思っている。映画は何かが起きたら作ることになる。

と、まずは小説を書くことを決めていると今後について明言した。

「活弁シネマ倶楽部」公式ツイッター:
https://twitter.com/katsuben_cinema

映画情報どっとこむ ralph 『ひかりの歌』

2018年1月12日[土]よりユーロスペースほか全国順次ロードショー

http://hikarinouta.jp/

詩人・吉増剛造らから激賞されたデビュー作『ひとつの歌』以来となる杉田協士監督の長編最新作『ひかりの歌』。歌人の枡野浩一と映画監督の杉田協士が、映画化を前提に開催した「光」をテーマにした短歌コンテストで、1,200首のなかから選出した4首の短歌を原作に制作した4章からなる長編映画。それぞれ孤独のなかを生きる主人公4人の女性を、ときに静かに、やさしく包む光がある。この世界で生きるための支えになるささやかな光のありかを描き出す。

<STORY>

都内近郊に住む4人の女性、詩織、今日子、雪子、幸子は、それぞれ誰かを思う気持ちを抱えながら、それを伝えられずに日々の生活をつづけている。旅に出てしまう同僚、店が近いアルバイト先の仲間、他界した父親、長い年月行方知れずの夫のことを思いながら、彼女たちは次の一歩を踏みだしていく。

過去記事:
杉田協士監督 7年ぶりの長編映画『ひかりの歌』初日舞台挨拶
http://eigajoho.com/137919

「活弁シネマ倶楽部」とは

様々な切り口で、様々な人が“映画を語る”ことで、映画の新たな楽しさを発信するトーク番組。番組タイトルにもなっている「活動弁士」は、映画の上映中、映画を自由闊達に語り、表現し、解説をすることを生業とする人たちである。本番組では、活動弁士の精神をそのまま受け継ぎ、映画に関わる様々な人をゲストに迎え、制作陣の想いや映画の知られざる一面など、様々な角度から映画を掘り下げていくWEB番組。

***********************************

キャスト:
北村美岬 伊藤茄那 笠原智 並木愛枝
監督・脚本:杉田協士
原作短歌:加賀田優子 後藤グミ 宇津つよし 沖川泰平
配給:GENUINE LIGHT PICTURES
制作:光の短歌映画プロジェクト

関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ