第75回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞、第70回カンヌ国際映画祭ではダイアン・クルーガーが主演女優賞を受賞した、ドイツの名匠ファティ・アキン監督最新作『女は二度決断する』が、4月14日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAにて他にて全国公開となります。
この度、公開に先立ち開催した一般試写会の上映後に映画評論家・松崎健夫さんが登壇しました! 『女は二度決断する』開催概要 |
|
『女は二度決断する』に関連するという作品のDVDを片手に登壇した松崎健夫さん。
MCから『女は二度決断する』について聞かれると 松崎さん:このジャンルはビジランテ(自警)もの。古くは1960年代のマカロニウエスタンに遡るのですが、超法規的手段で悪者を懲らしめる、という物語の傾向が流行ったんです。今でこそ、俳優としてだけでなく、監督としての地位も確立しているクリント・イーストウッドは、その当時イタリアに出稼ぎに来ていて『夕陽のガンマン』(1965年/セルジオ・レオーネ)などに出演し一躍ブレイク。そしてアメリカに戻ってからも『ダーティハリー』 と話した。 解説はさらに続きなぜ今本作が作られるに至ったのは、 松崎さん:『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85/ロバート・ゼメキス)では、1950年代への憧れが描かれているんです。マイカーやマイホームと言った、幸せな家や家族を象徴するアイテムが登場します。実際のアメリカも(少なからず事件はあったものの)、時代としては平和なイメージがあった。ところが60年代に入るとベトナム戦争の勃発や、それに付随する悲しい事件が頻発し、アメリカ国民は「自分の身は自分で守らねば!」という意識を持ったのだと思います。そこで先ほどのクリント・イーストウッドに戻る訳ですが、その当時の映画はハッピーエンドだけでは済まないものも多くなっていきました。 と時代の流れとそれに影響される映画の傾向について語った。 |
|
そしてなぜ今『女は二度決断する』がドイツで作られたかについて
松崎さん:今のヨーロッパはまさに移民・難民の取り締まりや、右傾化の傾向とそれに反発する動きなど、社会が不安定な状態。『女は二度決断する』はファティ・アキン監督というトルコ系ドイツ人監督の手により作られましたが、アキン監督は常に自分のルーツを顧みて移民の目を持つ作品を手掛けてきました。 と世界情勢と映画がどのように関わっているのかを分かりやすく説明した。 主演のダイアン・クルーガーについて 松崎さん:ダイアン・クルーガーのこれまでに印象に残ってる作品は『ミシェル・ヴァイヨン』(03/ルイ=パスカル・クーヴレール)。綺麗な女優さんが出て来たな、という印象でお人形さんのようでした。ドイツ出身の彼女は、ハリウッド映画界で言うところのニコール・キッドマンやマーゴット・ロビーなどオーストリア出身女優や、南アフリカ出身のシャーリーズ・セロンと同じく“類まれな美貌の持ち主”。『トロイ』や『ナショナル・トレジャー』などの大ヒット作にヒロインとして出演し、実際そういう役しかしばらくは来なかったんだけど、彼女たちは自分で監督や作品を選んだ結果、そこから脱却してファティ・アキン監督のような作家性の強い監督と組むという道を自分で切り拓いた、自らの力で輝く方法を見つけたんです。アキン監督とダイアンの最初の出会いはカンヌで彼女から同郷のアキン監督に声をかけたのがきっかけだったそうですよ。『女は二度決断する』の主人公カティヤと通じるものがある。そのイメージをも自分で掴み取っていくということですね。 |
|
美しさと演技力、聡明さを含めダイアン・クルーガーを絶賛した!
映画『女は二度決断する』 2018年4月14日、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー! 物語・・・ |
監督:ファティ・アキン
出演:ダイアン・クルーガー、デニス・モシット、ヨハネス・クリシュ、ヌーマン・アチャル、ウルリッヒ・トゥクール
2017/ドイツ/106 分
提供:ビターズ・エンド、WOWOW、朝日新聞社
配給:ビターズ・エンド
©2017 bombero international GmbH & Co. KG, Macassar Productions, Pathé Production,corazón international GmbH & Co. KG,Warner Bros. Entertainment GmbH