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『サムサッカー』『人生はビギナーズ』など日本でも多くのファンを持つマイク・ミルズ監督が最新作『20センチュリー・ウーマン』を携えて来日。
3月30日(木)に都内でモード系ファッション誌「GINZA」女性読者限定の試写会が開催され、上映後にはトークセッションが行われた。同監督と同様に“家族”をテーマにした作品で知られる安藤桃子監督もゲストで来場し、家族や女性の描き方などについて熱く語り合った。 日付:3月30日 |
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ミルズ監督を前に
安藤監督:ファンとして聞きたいことがたくさんあります! と少々興奮気味。まず、監督自身の母親を題材にした本作について 安藤監督:ここまで女性を男性のエゴイズムなしで描ける男性監督がいたか?いやいない! 母親、そしてジェネレーションの違う女性たちを描いているところがスゴイと!! 称賛します。 実の母親をモデルに映画を作るという点について ミルズ監督:僕はもともと、シャイなタイプなので、自分のパーソナルな部分で映画を作ろうなんて意識はなかった。僕自身は白人で男性でストレート。自分のことを映画にしても世のためになるわけでもない。じゃあ、母はどうだろうか?周りにいっぱいいた面白い女性たちはどうか? 自分の観点で女性を描いたら面白くなるんじゃないかと思った。 と説明する。 |
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安藤監督は、75歳でゲイであることをカミングアウトし、残りの人生を謳歌したミルズ監督自身の父をモデルにした『人生はビギナーズ』を「死から始まる」と語り、一方で本作は「生から生まれる」とし「この2作がいい意味で壮大な宇宙を紡いでるように感じる」と指摘。
ミルズ監督:両親が死んで、だから映画を作ったところがある。死を通じて彼らを理解している。それは不思議なことですね。 としみじみとうなずいていた。 映画の舞台となった1979年は、安藤監督はまだ生まれていないが、ちょうど父親の奥田瑛二が桃井かおりと共演した映画で、「父の映画の中でも大好きな作品」だという『もう頬づえはつかない』が公開された年で「あの時代への憧れをもって育った」と明かす。 ミルズ監督はまさにこの時期に映画の少年と同様に青春時代を迎えていたが ミルズ監督:映画の中にも出てくるカーター大統領の演説は、アメリカの文化において大きな意味があるし、ちょうど転換点と言える時期。もう戻れない、失われた時代のような気がします。 と語っていました。 |
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この日、ミルズ監督は招待された観客の質問にも答えたが
Q:監督にとっての理想の女性は? ミルズ監督:妻ですね(笑)。 と長年のパートナーで、パフォーマンスアーティスト、映像作家、小説家でもあるミランダ・ジュライの名を挙げ ミルズ監督:強く、美しく、クリエイティブで予想がつかない。僕の言うことを聞いてくれないんです。でもそんな女性との人生が楽かと言われると、そうでもないんだけど…(笑) と回答。これには 安藤監督:日本では夫は妻の尻に敷かれた方がうまくいくっていうけど、あなたは日本的なのかも(笑) との指摘が…。 ミルズ監督:僕らの間で常にバランスは変わるし、しかもここに息子も加わって、誰が一番強いのか?という三角関係になってるんです。 と笑っていました。 『20センチュリー・ウーマン』 は6月3日(土)より丸の内ピカデリー/新宿ピカデリーほか全国公開です。
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監督・脚本:マイク・ミルズ『人生はビギナーズ』
出演:アネット・ベニング『キッズ・オールライト』、エル・ファニング『ネオン・デーモン』、グレタ・ガーウィグ『フランシス・ハ』、 ルーカス・ジェイド・ズマン、ビリー・クラダップ『スポットライト 世紀のスクープ』
提供:バップ、ロングライド
配給:ロングライド
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