映画情報どっとこむ TJ 『パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト』が7月23日、Bnkamuraル・シネマ他、全国ロードショーされます。
フラメンコに革命を起こし、その超絶的な速弾きと類まれなるテクニックで、ジャンルを超えて世界中の音楽ファンを魅了し続けた偉大なるギタリスト、パコ・デ・ルシア。その息子である監督が映し出す、天才の知られざる素顔のドキュメンタリーです。

そして、父の日(6月19日)を記念し、パコの実の息子クーロ・サンチェス(本作の監督、32歳)のインタビューが到着!偉大な父を撮った心情が明らかになりました。

『パコ・デ・ルシア-灼熱のギタリスト』

さらに、いま話題のギタリストが主人公の恋愛小説「マチネの終わりに」著者・平野啓一郎さん、名俳優のみならずベーシストとしても知られる中村梅雀さんらから絶賛コメントが寄せられています。

映画情報どっとこむ TJ クーロ・サンチェス監督 インタビュー

Q:ギタリスト パコではなく、父パコはどのようなひとでしたか。
監督:ヒッピーのように、自由にさせてくれる。哲学を持った人でした。

Q:家庭では、どのような存在でしたか。
監督:毎年夏にメキシコ南部に行っていました。そこにはジャングルもありました。もっと一緒に過ごしたかったですが。つねに人を惹きつけるカリスマがありました。

Q:妻(監督にとっての母親)や子供にどのように接していましたか。
監督:優しかった。1年に2か月くらいしか、家にいませんが。威張ってなくて、幼少期は楽しく過ごした記憶があります。

Q:監督はギターは弾いていないとのこと、音楽活動、楽器はやりますか?もし音楽とは無縁としたらその理由は?
Aギターは5歳で辞めました。

Q:パコから最も影響を受けたことはどのような点ですか。
監督:仕事への敬意をもつこと。芸術家として生きていくなら、お金でなく芸術への熱意のために取り組みなさい、と。

Q:急逝してしまい、パコに聞けなかったことはありますか。
監督:晩年、成熟した姿を撮りたかった。メキシコで録音したり、とか。夢を語ってほしかったですね。

Q:この映画で一番好きなシーンは?
監督:兄のぺぺとアメリカにいくシーン。14-16歳、アーティストとしてはじめて、見知らぬ土地にいき、キャリアを築いていく時期。

Q:監督の一番好きなパコの楽曲は?
監督:「ティオ・サバス」、サビーカスに捧げた曲です。

Q:監督は、今後、もし子供ができたら、パコのことをどのように伝えたいですか?
監督:表現するために、自由であること。子供のキャリアを、子供が自由に選ぶことをさせます。

Q:これだけは伝えたかったことは?
監督:彼の孤独です。クリエイトにおける緊張を表現したかった。貧しいミュージシャンが貧困に打ち勝っていくまでの姿を描きたかった。
それから、彼の人間としての魅力、彼のユーモア精神を知ってもらいなと思っていました。

PACO_DE_LUCIA

映画情報どっとこむ TJ 著名人のみなさんからのコメントもどうぞ!

池上季実子 女優
ハーモニーの外れかけの手前にアドリブがある。ギリギリのね。自分の直感を信じ、人生を即興し、陰と陽の狭間、人々に音の魔法を掛け生き抜いたパコの信念と足跡を羨ましいと思う。

沖仁  フラメンコギタリスト
1度目に本作を観た時は、素晴らしく感動的なドキュメンタリー映画だと感じた。アンダルシア訛りで気さくに話すパコの姿、世界のトップアーティストたちの証言、そして貴重な演奏シーンの数々に彩られて。2度目に観た時、監督であり息子のクーロの真のメッセージは別にあるのではないかと感じた。「フラメンコギターの神」と称され、業界の内外で崇拝に近い圧倒的な支持を受けてきたパコ。その素顔は実は、恐れ、傷つき、迷いながらもフラメンコギターの「王者」としての使命を正面から受け止めて全うした、神とは程遠い一人の人間の姿だったと。愛すべき偉大な人、パコの生涯の軌跡を目の当たりにして僕は、終演後もしばらく涙が止まらなかった。  
 
押尾コータロー アコースティックギタリスト
フラメンコの新しいスタイルを模索し続け世界中で愛されるギタリストにまでなった感動のストーリー。
パコ・デ・ルシアが残してくれた音楽は永遠に…。ありがとう。

小野リサ ボサノヴァ歌手
パコの内に秘めたラテンの情熱の虜になりました。
そして常に純粋に自分の目的に向かって歩む人生に共感しました。

加藤登紀子 歌手
伝統から生まれ、伝統を逸脱し、伝統を飛躍させた、パコの偉大さ、格好良さ、そして創り続ける者の苦闘を迫真の映像で堪能した。踏み外すぎりぎりを行く、それが自由だとの発言も。

カニサレス フラメンコ・ギタリスト/作曲家
この映画の最大の魅力は、全編を通じて等身大のパコらしさに溢れているということ。監督が実の息子であるがゆえに成し遂げられた偉業。この映画の中の飾らないパコこそ、私たちの知る本当の彼の姿です! 

鳥山雄司 ギタリスト、音楽プロデューサー
パコが女性だったらこんなドキュメンタリーにはならなかったはず(笑)そんな男子特有の一直線を生涯貫いた爽快感が残る作品です。世界水準の音楽もたくさん聴けます。

中村梅雀 俳優・ベーシスト
恐るべき才能と素晴らしい出会い。
伝統から脱却する勇気。自分の信念を貫くための凄まじい努力。その生き様は厳しい男の色気にあふれている。

平野啓一郎 作家
神々しいまでの天才! しかし、その栄光と孤独に満ちた人生は、僕たちをただ圧倒するばかりでなく、創造への限りない憧れを喚起し、鼓舞する。パコの音楽は不滅だが、彼自身もまた永遠の存在だ。

萬田久子 女優
計画を立てたりしない人生を即興で生きていると言い切るパコ。リズムが大事だと熱弁するパコ。灼熱の魂がパコに出逢いと発見の化学反応を起こさせ観客と繋がると魔法が生まれ、そして私たちは感動という渦に巻き込まれる。OLE!!

映画情報どっとこむ TJ 『パコ・デ・ルシア-灼熱のギタリスト』チラシ世界を股にかけたスーパー・ギタリストの、頑ななまでの完璧主義ぶりと狂気に近い音楽探究への執念、その生き様に刻まれた栄光と挫折。音楽界のレジェンドたちのインタビューと、その圧倒的なテクニックによって生み出される、官能的で華麗なる旋律が奏でる名演奏シーンに心躍る、至福の音楽体験!

パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト

が7月23日、Bnkamuraル・シネマ他、全国ロードショーです。

公式HP:pacodelucia.jp

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監督:クーロ・サンチェス 
出演:パコ・デ・ルシア、チック・コリア、カルロス・サンタナ、ジョン・マクラフリン

原題:PACO DE LUCIA A JOURNEY / 2014年 / スペイン映画 / 90分 / ビスタ / カラー&モノクロ / DCP / 5.1chサラウンド
日本語字幕:原田りえ / 配給:RESPECT(レスぺ)
宣伝協力:Lem / 後援:スペイン大使館
セルバンテス文館センター東京/ 一般社団法人 日本フラメンコ協会/ 公益財団法人 日本スペイン協会  2015年 
© Ziggurat Films

プロフィール:パコ・デ・ルシア
1947年12月21日、スペインのアンダルシア地方の町アルヘシーラスで生まれる。幼いころから父と兄ラモンからギターを教わる。13歳の時、兄とともにホセ・グレコ舞踏団に加わり、北米・中南米を巡演。そこで数多くのギタリストと出会う。1967年、19歳で初のソロアルバム「天才」をレコーディング。72年3月初来日。翌年録音された「二筋の川」の大ヒットで国際的な名声を得る。1977年、フラメンコ分野で活躍していたパコに転機が訪れる。チック・コリア、カルロス・サンタナなどジャズ・ミュージシャンとも共演。1979年、アル・ディ・メオラ(※一時期ラリー・コリエルに交替したが、後にディ・メオラが復帰。)、ジョン・マクラフリンとの3人でアコースティック・ギターのみで敢行したツアー、続く81年に発表したアルバムによって、スーパー・ギター・トリオの愛称で親しまれ、その知名度を確固たるものとした。2014年2月26日、滞在先のメキシコで心臓発作により急死。

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