2015年カンヌ国際映画祭パルムドール〈最高賞〉受賞ジャック・オディアール監督最新作、『ディーパンの闘い』が 2月 12日(金)より TOHOシネマズシャンテ、大阪ステーションシティシネマほか全国ロードショーとなります。

今回、ジャック・オディアール監督と、主人公ディーパン役を演じたスリランカ内戦元兵士アントニーターサン・ジェスターサンが、演出、演技体験について語りました。

ディーパン_日本版ジャック・オディアール監督最新作『ディーパンの闘い』ではスリランカ内戦からフランスに逃れた、難民の男、ディーパンが主人公として描かれている。本作で主人公ディーパンを演じたのは、実際にスリランカ内戦で 16歳から 19歳まで反政府軍の少年兵として戦った異色の経歴をもつアントニーターサン・ジェスターサン。

逃亡先のタイからフランスに渡り、25歳で政治亡命を申請する。本篇の中では、冒頭、フランスに逃れたディーパンは、難民審査を待つ間、街で観光客相手にキーホルダーなどを売る様子が描かれているが、アントニーターサンも同様に、スーパーマーケットの店員からユーロディズニーのホテルのベルボーイまで、様々な職を渡り歩いた後に、現在は作家として活動しています。

監督が“元兵士”という想像を絶するような経験をもつ彼を選んだ理由を

オディアール監督:オーディションの時、アントニーターサンの傷だらけの肉体に宿る、ある種のチャーミングさ、無頓着さに惹かれて彼を選んだ。ただ早い段階で、それだけではだめだと気がついたんだ。彼とは違う立ち姿、もっと堂々たる雰囲気が必要だった。ゴミ箱を押して移動させる時も、戦士のように押してほしかった。管理人のようにではなくね。

と語り、演出力には絶対的な定評のあるオディアール監督も、フランス語を解さない俳優との通訳を介しての仕事は、これまでとはまったく異なるアプローチに。

オディアール監督:プロの俳優ではない彼らは、シナリオに根ざすよりも、その場で自然にやりとりをしながら作っていったほうがやりやすかったように感じたんだ。現場で彼らの意見に耳を傾けながら作品を作り上げていったんだ。すごく刺激的な体験だった。たとえ不安を感じることはあったとしてもね。言葉で理解しあえないというのは素晴らしいことだ。演技指導という決まりごとが空疎に思えるほどの事を学んだよ。

と。

アントニーターサンは、自身と同じ“スリランカ内戦の元兵士”という経歴を持つ主人公ディーパンについて

ディーパンの戦いアントニーターサン・ジェスターサンアントニーターサン:彼は自分の人生の 50%です。最初の 50%は、ディーパンが生きている状況に関して。彼が向き合っている問題は自分が直面したものとおなじでしたから。違った 50%というのは彼がこの状況に対してとった行動です。もし自分だったら違う行動をとっていたでしょう。ディーパンの中には、まだ内戦の兵士のメンタリティーを持っています。彼の中にはまだ凶暴性が残っている。私はフランスに来る前に、兵士としての人生はスリランカに埋めてしまいました。

と語っています。

物語・・・

内戦下のスリランカを逃れ、フランスに入国するため、赤の他人の女と少女とともに“家族”を装う元兵士ディーパン。辛うじて難民審査を通り抜けた3人は、パリ郊外の集合団地の1室に腰を落ち着け、ディーパンは団地の管理人の職を手にする。日の射すうちは “家族”として生活し、ひとつ屋根の下では他人に戻る日々。彼らがささやかな幸せに手を伸ばした矢先、新たな暴力が襲いかかる。戦いを捨てたディーパンだったが、愛のため、家族のために再び立ち上がる̶̶。

ディーパンの闘い

原題:DHEEPAN

TOHO シネマズ シャンテ、大阪ステーションシティシネマほか2月12日全国公開です。

公式サイト: http://dheepan-movie.com

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監督・脚本:ジャック・オディアール
脚本:ノエ・ドブレ、トマ・ビデガン
音楽:ニコラス・ジャー

出演:アントニーターサン・ジェスターサン、カレアスワリ・スリニバサン、ヴァンサン・ロティエ、カラウタヤニ・ヴィナシタンビ

2015 年/フランス/フランス語、タミル語/115 分/シネマスコープ/カラー/5.1ch/
日本語字幕:丸山垂穂
© 2015 WHY NOT PRODUCTIONS ‒ PAGE114 ‒ FRANCE 2 CINEMA
提供:KADOKAWA、ロングライド
配給:ロングライド
  

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