幽霊でさえ出たがる映画を作った!
第26回山本周五郎賞を受賞した小野不由美先生の小説『残穢』(ざんえ)を、ミステリーの名手・中村義洋監督(『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』)が映画化する『残穢【ざんえ】 ―住んではいけない部屋―』が、松竹配給にて2016年1月30日(土)に全国公開いたします。 この度、第28回東京国際映画祭コンペティション部門にノミネートされた本作。10月27日の公式上映終了後にプロデューサーの永田芳弘さん、池田史嗣さんが登壇し、ティーチインを行いました。 『残穢【ざんえ】-住んではいけない部屋-』 |
|
Q.撮影中に怖いことはありましたか?
池田さん:撮影中も編集中も不可解な現象はあったのですが、基本的には中村監督もスタッフも皆、心霊現象否定派です(笑)。 Q.中村監督が撮ることになった理由は?中村監督のライフワークである「ほんとにあった! 呪いのビデオ」に関係しますか? 永田さん:原作者の小野不由美さんが中村監督のファンで、「ほんとにあった! 呪いのビデオ」も全巻所持しているそうです。原作を書かれているときに、担当編集者との何気ない会話で「実写化するなら中村監督がいい」とおっしゃっていたそうです。想いというのは通じるんですね。それが中村監督の耳に入り、監督自身も原作を読んで「これって“ほんとにあった! 呪いのビデオ”に影響されているはず、自分が撮るしかない!」と思ったそうです。相思相愛でした。 |
|
Q.キャスティングについてお聞きします。俳優さんをどう口説かれたのですか? 池田さん:竹内結子さんと中村監督は今回で5回目のタッグ、竹内さんから監督への信頼は絶大なんです。中村監督が新作を撮るということで出演OKと即答だったのですが、それが怖い話だとあとで聞いたそうでいつまでも台本を読んでもらえず(笑)。この話、流れるんじゃないかと心配になったほどでした(笑)。橋本愛さん、佐々木蔵之介さん、坂口健太郎さん、滝藤賢一さんは、怖いのは大丈夫!ということと、中村監督作品は初ということで、「ぜひやりたい!」とおっしゃっていただけました。いちばん時間がかかったのは竹内さんでしたね(笑)。 Q.映像化でこだわったポイントを教えてください。 永田さん:長い黒髪のワンピースの女性(『劇場霊』)、白塗りの子ども(『クロユリ団地』)など実体として怖いものが出てくるわけではないので(笑)、監督も随分悩まれていました。造形(不気味な黒い影)を最初はあまり怖くないように見せて、ラストだけ怖く見せるなど差をつけたりしています。あとはこの作品、怖いの前にミステリー性を強めています。「音」からいろんなことにつながる、それをどう観客に伝えようかと監督が考えていました。その物事がつながっていく論理性を楽しんでいただけたら、と思っています。 |
|
<物語> その奇妙な「音」はただの始まりでした。 小説家である「私」のもとに、女子大生の久保さんという読者から、1通の手紙が届く。 「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」 好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。 「私」と久保さんは、作家の平岡芳明(佐々木蔵之介)、心霊マニアの青年・三澤徹夫(坂口健太郎)、そして、「私」の夫・直人(滝藤賢一)らの協力を得て、ついに、数十年の時を経た壮大なる戦慄の真相に辿り着く。 すべての事件をつなぐ【穢(けが)れ】の正体とは?予定調和を許さない驚愕のラストまで目が離せない。 「残穢【ざんえ】―住んではいけない部屋―」 公式サイト:http://zang-e.jp |
原作:小野不由美 『残穢』(新潮文庫刊)
第26回山本周五郎賞受賞
監督:中村義洋 (『予告犯』『白ゆき姫殺人事件』『ゴールデンスランバー』)
脚本:鈴木謙一 ( 『ゴールデンスランバー』「悪霊病棟」)
出演:竹内結子、橋本愛、坂口健太郎、滝藤賢一、佐々木蔵之介 ほか
(C)2016「残穢-住んではいけない部屋-」製作委員会