銀幕のスター・市川雷蔵の映画デビュー70周年を記念した映画祭「市川雷蔵映画祭 刹那のきらめき」が、角川シネマ有楽町にて公開中、2月よりシネ・ヌーヴォ(大阪)ほかにて順次公開。 本映画祭の公開を記念して、1月12日(日)角川シネマ有楽町にて、『花の兄弟』の上映後、本映画祭上映作品では、『花の兄弟』、『新源氏物語』4Kデジタル修復版、『眠狂四郎多情剣』、『好色一代男』4作品で雷蔵と共演した水谷八重子(女優)をゲストにお迎えして、当時の思い出や貴重なエピソードトークをご披露いただきました。 公開記念トークショー 日時:2025年1月12日(日) 場所:角川シネマ有楽町 登壇:水谷八重子(女優)
雷蔵との思い出を尋ねられた水谷は、「橋(幸夫)さんと『おけさ唄えば』でも共演しましたが、橋さんが売り出し中で、撮影の合間にインタビュー取材して、ご飯も食べられないほど全然休む暇がない。その分、雷蔵さんと私はのんびりさせていただきました」と振り返って会場の笑いを誘い、そんな橋を見て雷蔵は、「まだ10代だろ。大変だろうなあ、よく頑張っているなあ」と感心していたそうで、「雷蔵さんがご自分のメイクさんを橋さんにつきっきりで付けて、ご自分のお子さんのように面倒を見ていらして、男性の師匠も素敵だなと思いました」と回顧した。 そんな雷蔵を「優しいけど悪い人でいたずらっ子」と表現した水谷は、「立ち回りで剣友会の方々と合わせている時、突然一人だけバツンと斬ったりして(笑)、それも相手の帯の間に刀を入れたりして、立ち回りがものすごくお上手でした。やられた方はびっくりしますから(笑)、そういういたずらはしょっちゅうしていらっしゃいました」と語り、「あと、野球が好きで、暇があるとバットを振っていたり、早起きして、撮影の前に野球の試合をやっていました」と裏話を披露。 雷蔵の魅力について聞かれると、「雷蔵さんは足がきれい。足が長くてバランスが最高でした。今度、雷蔵さんの映画をご覧になる時は、足に注目して見てください」とおすすめした。『新源氏物語』4Kデジタル修復版の話題が上ると、「(光源氏役で)ファッションショーのようにいろんな色の織物をお召しになっていましたが、どの衣装も憎らしいほど全部似合っちゃう。どのカットから撮ってもきれいでしたね」と目を輝かせた。 演舞場での水谷の舞台を、突然、雷蔵が観にきたことがあったそうで、「楽屋に遊びにいらして、『帰りに何か食べに行こうか』という話になって、『着替えるから待ってて』と、屏風に隠れて衣装を脱いでGパンに着替えていたら、(雷蔵の)声が聞こえなくなって、『らいちゃん、どこに行った?』って言ったら、『ここにいるよ』って私の後ろにいて、お尻も全部見られちゃったの(笑)。そういういたずらな面がありましたね」と笑顔で語った。 雷蔵はお酒も強かったそうで、「勝新太郎さんは宴会でいつも一人ベロベロに酔っぱらって、らいちゃんはまるで証券マンのように平気な顔をして飲んでいるから、それが許せないってことで、勝さんに『1回、雷蔵が酔いつぶれたところを見たいから付き合って』と言われ、一緒に飲みに行きました。アルコール度数が強いいろんな種類のお酒を混ぜたお酒を作って渡してもらったら、雷蔵さんはその恐ろしいお酒を4〜5杯飲んでも全く変わらなかった。かっちゃん(勝)は薄い水割りを飲んだのに、呂律が回らないほどベロベロになって倒れて、悔しがっていました。二人は正反対なのが良かったですね」と懐かしんだ。 改めて、雷蔵の魅力を聞かれた水谷は、「美しいのに、普段は暴れん坊でやんちゃ坊主。そのギャップがかわいい」と目を細め、「いつまでもこの若さ、美しさで居続けるために、神様が早く連れて行ったのかな」としみじみ。 続けて、雷蔵のファンに申し訳ないことをしたという水谷は、「最後、舞台にお出になる予定で、ポスターの写真撮りも終わっていたんです。でも、病気が発覚して、舞台ではなく、後に残る映画に出ることに決まった」と明かし、「誰もその事情を知らないから、舞台の宣伝の人が悔しがって、私の前で雷蔵さんの写真を捨てていったんです。私は『きれいなのにもったいない』とそれを拾って、幻の舞台の写真を大事に持っていましたが、引っ越しの時に無くしちゃった」と告白。「その写真を焼き増しして、こんな時にみなさんに配ることができたらどれだけ良かったかなって。本当に申し訳ないなとつくづく思っています。これからは物を無くさないようにします」と残念そうに語った。 トーク終了後には、今年2025年、歌舞伎座の新派公演で初舞台をふまれてから70周年を迎える水谷さんに、お祝いの花束贈呈も行いました。
角川シネマ有楽町にて公開中、2月よりシネ・ヌーヴォ(大阪)ほかにて順次公開。 【水谷八重子profile】 父は14代目守田勘弥、母は初代 水谷八重子。1955年、16歳で新派・歌舞伎座で初舞台。同月、ビクターレコードからジャズ歌手としてデビュー。以後、映画『青い山脈』、『座頭市物語』、『悪名』などに出演。『妖刀物語 花の吉原百人斬り』でNHK最優秀助演女優賞を受賞。出演舞台『三婆』が2月1日から9日まで新橋演舞場にて上演予定。 『花の兄弟』 (C)KADOKAWA 1961 『新源氏物語』4Kデジタル修復版 (C)KADOKAWA 1961 『眠狂四郎多情剣』 (C)KADOKAWA 1966 『好色一代男』 (C)KADOKAWA 1961
公開記念舞台挨拶 YouTube登録者数180万人以上のバキバキ童貞(バキ童)ことお笑いコンビ<春とヒコーキ>のぐんぴぃが映画初出演にして主演を飾る映画『怪獣ヤロウ!』が全国公開中です。監督は、株式会社タイタン社員の八木順一