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森ガキ侑大監督;長編映画第3作目

 
『悪人』『怒り』で知られる吉田修一の傑作小説『愛に乱暴』が江口のりこ主演、森ガキ侑大監督でヒューマンサスペンスとして映画化、2024年8月30日(金)より全国公開となります。
 
この度、6/28から7/6まで開催の第58回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のメインコンペティション「クリスタル・グローブコンペティション部門」に選出され、現地時間7月4日(木)にワールドプレミア上映されました。
 

レッドカーペット

 
そんな歴史と権威ある国際映画祭で、『愛に乱暴』から監督の森ガキ侑大を始め、プロデューサーらフィルムメイカーたちがレッドカーペットを歩いた。
『愛に乱暴』『愛に乱暴』
All photo:©FILM SERVIS FESTIVAL KARLOVY VARY

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ワールドプレミア公式上映

 
チェコ現地時間7月4日(木)20時からメイン会場のグランドホール(1131席)にて満席でスタート。冒頭に一緒に映画を観るコンペの審査員たち(『パスト ライブス 再会』などのプロデューサー:クリスティーン・ベイコン、エミー賞受賞俳優のジェフリー・ラッシュ、『LAMB ラム』の脚本家ショーンら)が紹介された後に、森ガキ侑大監督、プロデューサーらが登壇した。
『愛に乱暴』
森ガキ監督がチェコ語で「やあ!」という意味の「アホイー!」と第一声を上げると、会場は笑い声のあとに拍手が広がり、さらに覚えたてのチェコ語で「カルロヴィ・ヴァリ映画祭へご招待頂きありがとうございます。幸せです」と挨拶をすると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。『愛に乱暴』その後は日本語で「この映画愛に溢れる映画祭にお呼ばれして、こうやってチェコで皆さんの前でこの映画が上映できることを本当に幸せだと思っています。この作品も(このような場で)皆さんに見て頂けるということは、すごく幸せな作品だと思っています。今は僕らだけがここに立っていますが、たくさんの日本のスタッフと丁寧に丁寧に紡いで本当に自信のある作品になったと思っています。そのスタッフへの敬意も込めて、今日は皆さんに楽しんで頂ければと思っています」と日本に残るスタッフへも感謝を込めたメッセージを披露した。最後にまたチェコ語で「ジェクイ!」(ありがとう)と〆ると、再び暖かい笑いと拍手が広がった。
『愛に乱暴』
 

上映~上映後

 
上映中は途中途中で笑い声が起こりながらも、後半になると水を打ったように静まり緊迫感が会場内に充満。
映画が終わり場内が明るくなると、満面の笑みの観客たちが森ガキ監督に惜しみなく拍手を送り続けた。
『愛に乱暴』
 
その後ホールのロビーでは映画をみた観客たちに囲まれ質問攻めにあった森ガキ監督は「熱量がすごかった。本当に皆さん映画が好きなんだと感じた。ものすごく考察されていて、ここはどうだったのかと色々感情的なことも技術的なことも聞かれた。質問に対して「その通りです」というと、「おー!予想が当たった!」と盛り上がったりしてくれました。あと画面が美しかったと、とにかくビューティフル、ビューティフルと言われました」と観客たちの熱さにインパクトを受けた感想を語った。
 
All photo:©FILM SERVIS FESTIVAL KARLOVY VARY

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森ガキ監督Q&A

 
 
『愛に乱暴』
翌日は『007/カジノ・ロワイヤル』の撮影でも使われたグランドホテルプップ内のプップホールでQ&A付きの上映が行われた。こちらも416ある座席は即日、完売済み。
上映が終了して森ガキ監督が登壇すると、拍手が沸き上がり質問を募るとつぎつぎと手があがった。
 
観客からはまず
「Q.主人公の桃子の演技が素晴らしかった。撮影中は演じるのが苦しかったのでは?」という質問に「A.桃子はどんどん追い込まれて崩壊していく役なので、後半になるにつれて撮影は苦しかったと思います」
 
「Q.桃子役のキャスティングはいつも組んで信頼している俳優をキャスティングしたのか?」→「A.江口さんとは以前ドラマとCMでご一緒したことはありますが、映画は初めてでした。すごく難しい役だったので、この役は江口さんじゃないとできないんですと、ラブコールしました」と最初に主演の江口さんについて次々に質問が上がった。
 
「Q.スクリーンサイズをスタンダードサイズにした理由は?」→「A. 主人公桃子の機微を、観客に彼女の目線と一緒になって感じてもらいたかった。余分な情報をなるべく入れずに彼女と一心同体になるようにスタンダードサイズにしました」。
 
「Q.映画の舞台となる家はセットではなくロケ撮影なのか?」→「A.ロケができる家を探すのはめちゃくちゃ大変でした。母屋とはなれがあって、床下を掘ってもよくて、最後に家を××してもいいところという大変な条件を満たせる家を探すのに1年ぐらいかかりました」など映画の裏側に迫った質問が上がった。
 
「Q.チェコの離婚率は60%と非常に高い。主人公は中々離婚しないが日本は離婚しにくいのか?」や「Q.日本では女性が一度キャリアをリタイアすると復帰が難しいのか?」、「Q.映画にX(旧twitter)を使ったトリックが出てきたが、日本人はSNSをあまり利用しないイメージがあった。実際はどうなのか?」など日本の社会への関心が高い質問も相次いだ。
 
また映画を深く考察しようとする質問も多く「Q.ラストシーンで桃子が着ていた服装が表す意図はなにか?」「Q.主人公は夫の浮気相手という憎むべき相手に何故スイカを持って行ったのか?」「Q.ゴミ捨て場が燃えているシーンにはどんな意図があるのか?」など質問が次々と上がってきて、ここでも森ガキ監督は「映画の読み取り能力が高すぎる」と舌を巻いていた。
 
最後に・・・
タイトルの意味について質問された監督は「人を好きになることは幸せなことなんですが、人を愛しすぎると人は狂っていく。愛の中に乱暴さがあり、乱暴さの中に愛がある、という物事は表裏一体、紙一重であることがタイトルに込められています」と答えてQ&Aを締めくくった。
 
All photo:©FILM SERVIS FESTIVAL KARLOVY VARY

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カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭について

 
世界で最も古い映画祭の一つとして1946年から開催されたカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭は、毎年世界中から200本の映画が上映される。クリスタル・グローブコンペティション部門は2000本を越える応募作品の中から選りすぐりの12作品が選出され、映画への優れた芸術的貢献に対して最優秀作品賞を始め5つの賞が授与されている。まさに東欧・中欧の映画ファンが一同に会する映画の祭典となり、世界中から700名を超えるジャーナリストたちも集まっている。

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『愛に乱暴』

 
2024年8月 ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
 
映画公式サイト:
www.ainiranbou.com
 
公式X:
https://x.com/ainiranbou
 
愛に乱暴
愛に乱暴
愛に乱暴
物語・・・
夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子は、義母から受ける微量のストレスや夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。      そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。
 
愛に乱暴

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江口のりこ
小泉孝太郎 馬場ふみか
水間ロン 青木柚 斉藤陽一郎
梅沢昌代 西本竜樹 堀井新太 岩瀬亮/風吹ジュン
 
原作:吉田修一『愛に乱暴』(新潮文庫刊)
監督・脚本:森ガキ侑大
脚本:山﨑佐保子/鈴木史子 音楽:岩代太郎 
製作幹事:東京テアトル/読売テレビ 
制作・配給:東京テアトル 
制作プロダクション:ドラゴンロケット
Ⓒ2013 吉田修一/新潮社 Ⓒ2024『愛に乱暴』製作委員会

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