今年の受賞作品『フラッシュバックメモリーズ 3D』。
まずは、港区の田中秀司副区長とみなと委員会・原 保委員長がご挨拶。
田中副区長は、「国内はもとより海外からも関心が高い東京国際映画祭の開催地として港区にみなさまをお迎えすることができ光栄です。港区は歴史に裏打ちされた伝統と格式がありながら、人口のおよそ1割が外国の方で国籍も130カ国にのぼり、80カ国の大使館や外資系企業も多数ある国際性にあふれた街です。こうした地域は全国でも東京都港区だけです。」と国際色豊かな港区をアピ―ルをされました。
みなと委員会・原委員長は、「みなと委員会は、東京国際映画祭が六本木で開催されることになった時に町ぐるみで応援しようということで結成されました。今年で9回目となりますが、開催中の街頭フラッグ設置や開催1週間前には六本木周辺の清掃などの活動を行っています。」と、東京国際映画祭の開催にあたり町をあげて準備をし、多くの方を迎え入れてくださった地元の方々に労いの言葉を贈られました。
そして田中副区長より、第25回東京国際映画祭コンペティション部門の観客賞が発表されました。
授賞式では、松江哲明監督、主演のGOMAさんそして出演者で奥様の森本純恵さんと長女の真陽路さん、プロデューサーの高根順次さんが壇上に上がり、田中副区長より表彰状が、みなと委員会・原委員長より賞金1万米ドルが、みなと委員会・須永達雄副委員長よりトロフィーが、そしてみなと委員会・青野信次副委員長より花束が贈られました。
松江監督とGOMAさん、高根さんには、Kissポート財団・花角正英事務局長より贈呈された記念のハッピに手を通していただき、受賞に対するご感想をいただきました。
松江監督は「学生の頃から観客として通っていた東京国際映画祭は『ライブテープ』以降の僕の映画を育ててくれた、僕にとって大切な映画祭です。今年はほぼ毎日通い、20本程の作品を見ました。観客賞は、コンペティションで審査をしていただくのとはまた違う重みがある賞で本当に嬉しいです。音の力を見せてくれたGOMAさん、奥様と娘さん、作品のきっかけを作ってくれた高根プロデューサーとこうして一緒に舞台に立ち、作品がこれから育っていくのだという覚悟をしました。本当にありがとうございます。」と感激のご様子。
GOMAさんは「ただただ嬉しい限りです。昨夜、観客賞に決まったと電話をいただいてから眠れず、余韻にずっと浸っています。人生っていつ誰に何が起こるかわからない。事故にあった3年前にはここにいる自分を想像していませんでしたが、今ここで立って話している自分が現実で全てなんです。事故が起きてからの3年間は事故前の自分をずっと追いかけるように、事故前に出来ていたことは絶対また出来るようになってやる、そんなことばかり考えながら生きてきました。今日ここにこうして仲間と立って、なんだかそういうことはどうでもいいかなって・・・昔の自分を追いかけるのではなく、今の自分で生み出せる新しい世界に自信を持って突入できそうな、そんな気持ちになりました。事故前の自分にさよならを言うきっかけをみんなが・・・観客賞というみんなのひとりひとりの声で後押しして頂いたような気分です。映画を見て頂いて楽しんで今日帰って頂けたらと思います。本当にありがとうございます。」とひとつひとつの言葉をかみしめるように、受賞の喜びを語られました。
高根順次プロデューサーは「GOMAさんの言葉を隣で聞いていて、感慨深いものがありました。この作品を見て感じたことを友達や家族や大切な人、ひとりでも多くの方に伝えていただければと思っています。ここから作品が始まりますが、GOMAさんの人生もここからまた始まっていくので、この作品が少しでもお役に立てれば僕は幸せです。本当にありがとうございました。」とコメントされました。
『フラッシュバックメモリーズ 3D』
追突事故で高次脳機能障害を負ったディジュリドゥ奏者 GOMAが、リハビリ期間を経て徐々に復活する過程を振り返る。GOMAのスタジオライブと過去映像、そしてフラッシュバックが共存する「全く新しい形の3D 映像作品」であり、まぎれもない「家族愛の物語」。