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『春に散る』大人試写会

ノンフィクションの傑作『深夜特急』三部作をはじめ、数々のベストセラーを世に放ってきた沢木耕太郎が、半生をかけて追い続けてきたテーマは、ボクシングを通じて〈生きる〉を問うこと。その集大成ともいえる最高傑作『春に散る』(朝日新聞出版)を、人間ドラマの名手、瀬々敬久監督(『ラーゲリより愛を込めて』)が、佐藤浩市と横浜流星を主演に迎えて映画化!先日、横浜流星がボクシングプロテストに合格したことでも大きな反響を呼んだ本作が8月25日(金)に公開となります。

この度、7月31日(月)に本作の特別試写会を行いました。
佐藤浩市演じる仁一の昔のボクシング仲間を演じた片岡鶴太郎と、かつて仁一に恋心を抱いていたボクシングジムの会長を演じた山口智子、さらに観客へのサプライズゲストとして、主演の佐藤浩市が登壇。劇中での“大人”サイドのキャストが揃って“若者”世代へのメッセージを贈り、さらに観客からの悩み相談も受けました。
『春に散る』大人試写会
『春に散る』大人試写会
日時:7月31日(月)
会場:有楽町朝日ホール 
登壇:佐藤浩市、片岡鶴太郎、山口智子

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佐藤浩市、片岡鶴太郎、山口智子登壇

この日は片岡と山口の2人がまず先に登壇。
そして片岡から呼び込まれる形でスペシャルゲストとして佐藤がサプライズ登場。
この演出に会場は拍手喝采。
翔吾(横浜流星)を導く元ボクサー・仁一を演じた佐藤は「サプライズなのに…横浜流星ではなくてスミマセン」とニヤリとしながら「原作を裏切らないように、そしてどのような要素を加味して実写化していかに楽しんでいただけるかを考えて作った映画です」とアピールした。
『春に散る』大人試写会
佐藤が演じた仁一は人生の後半を迎えた男性。佐藤は、実父で俳優の故・三國連太郎が『人生の約束』(1986年)に主演した年齢と現在の自分の年齢がほぼ同じだと明かしながら「昭和の時代の60歳過ぎには大人らしさがあったが、自分がその年代になってみると未熟さを感じて情けない部分もある。しかしそれに今だからこそ気づいて、今だからこそ前に進めることもあると思った。そんな思いを仁一に投影した」などと演じた心境を明かした。

山口が演じたのは、仁一のことを古くから知るジムのオーナー・令子。
映画出演は『スワロウテイル』(1996年)以来約27年ぶりとなるが「出演しようと思ったベースにあるのは浩市さんラブ!同時に浩市さんには同じ時代に俳優という仕事をしてきて共に戦ってきた同志のような感覚がある。その関係性が令子と仁一との関係性に重なるとも思った。浩市さんラブと同志感を合体させながら、人生をどう生き切るかというテーマにおいて令子としても私の本音としても、浩市さんと時を過ごして語ってみたいと思った」と出演に至るまでの深い想い入れを口に。『春に散る』大人試写会これに佐藤は「僕は智ちゃんの旦那さんのことも知っていますしね!」と照れ笑いも「言葉半分としてもこんなにありがたく嬉しいことはないです」と同志としてしみじみしていた。

仁一のボクシング仲間・佐瀨健三を演じた片岡。
自身もプロボクサー経験を持っていることから「ボクシングは暴力ではなくて科学です。ボクシングのパンチは怒りを抑えて科学的により良く相手の弱いところにパンチを打つもの。科学的スキルを鍛えないとできないインテリなスポーツなんです」とボクシングの魅力を解説していた。
『春に散る』大人試写会

若者に強く心を動かされたこと

また翔吾の強い衝動が大人たちを動かしていく物語にちなんで「若者に強く心を動かされたこと」を聞かれた山口は「今回の映画でも若い人たちからは教わることばかりだった。むっちゃ刺激になった。彼らは舞台挨拶の場でも自分の語る言葉を持っていて表現できる知的な大人だった。どうやったらあんな若者が育つのか…」と横浜ら若い共演者の成熟ぶりにビックリ。佐藤は「横浜にしても窪田にしてもストイック。芝居だから…というエクスキューズがないところまでやっている。だからこそ僕らもそれに対して乗っかっていけるものがあった。ボクシングシーンを観た誰もが手に汗を握って前のめりになるはず」と若手世代をリスペクト。一方、片岡は共演した橋本環奈に触れて「普段の立ち振る舞いを見て、ぶっ太い人だと思った(メンタルが太い人)。撮影終わったらと思ったら、そのまま紅白の司会もそのままやっていて…改めてぶっ太い人だと思った」とその根性を讃えていた。

さらに試写会に参加した観客からのお悩み相談に答える企画も実施。グレイヘアの佐藤は「白髪をオシャレに見せる方法」を聞かれると「三國が若い頃から真っ白頭だったので自分もそうなると思った。50歳過ぎたらほぼ白かったが、役柄もあって真っ白はまずかったので黒く染めたりしていた。でも今はこの通り真っ白です」と帽子を脱いで白髪を披露し、山口から「すっごいキレイ」と絶賛されていた。そんな山口から「普通は黒から白になる段階が辛い。その中途半端をどう乗り切ったらいいの?」などと聞かれた佐藤は「それはグラデーションと言えばいいの。中途半端と言うからダメなの!」とズバリな解決策を提案していた。

一方、「若い頃より太ってしまった。よいエクササイズを教えて欲しい」というお悩みに、山口は「私はエクササイズとかジムが大嫌い」と明かし「私はフラメンコをやっているので脳みそを使うと物凄いエネルギー消費量があることを実感しています。音楽が流れたらリズムや振りを考えて思い切り脳みそを使って同時に楽しく筋肉を使う。むっちゃ頭を使って夢中になれることでドキドキしたり感動したりすればカロリーも消費してスラっとなれるはず」とアドバイス。ヨガの達人として知られる片岡は「食欲を上手く調整する方法」を聞かれると「歳を重ねるということは若い時とは違う自分になっているということ。食事も腹七分くらいで抑えれば1時間後くらいにはちょうど良くなる。それに慣れましょう」と実践的な解答を出していた。

“大人のお悩み相談会”ならではの熟したような時間もあっという間に終了。

最後に・・・
主演の佐藤は「ボクシングに興味がなくても、女性の方であっても手に汗握り身を乗り出し、映画を観終わった時には人生についてのいいお土産を持って帰れる。そんな映画になりました」と確かな手応えとともに、劇場公開に向けての期待を高めていた。

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『春に散る』

8月25日(金)全国ロードショー

本作の主人公は、不公平な判定で負けアメリカへ渡り40年振りに帰国した元ボクサーの広岡仁一と、偶然飲み屋で出会い同じく不公平な判定で負けて心が折れていたボクサーの黒木翔吾。仁一に人生初ダウンを奪われたことをきっかけに、翔吾は仁一にボクシングを教えて欲しいと懇願。やがて二人は世界チャンピオンを共に目指し、“命を懸けた”戦いの舞台へと挑んでいく。
佐藤浩市が、翔吾を導くことで人生に尊厳を取り戻そうとする仁一、横浜流星が仁一と出会い諦めかけていた夢に再度挑戦する翔吾を演じ、山口智子、橋本環奈、哀川翔、片岡鶴太郎、坂東龍汰、窪田正孝ら豪華キャストが集結しています。
春に散る

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佐藤浩市 横浜流星  
橋本環奈 / 坂東龍汰 松浦慎一郎 尚玄 奥野瑛太 坂井真紀 小澤征悦 / 片岡鶴太郎 哀川翔  
窪田正孝 山口智子

監督:瀬々敬久 
原作:沢木耕太郎『春に散る』(朝日文庫/朝日新聞出版刊) 
脚本:瀬々敬久 星 航 
音楽:田中拓人 主題歌:AI「Life Goes On」(ユニバーサルミュージック) 
配給:ギャガ  
©2023映画『春に散る』製作委員会

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