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パン・ナリン監督オンライントークショー

チャイ売りの少年が映画と出会い、やがて世界で活躍する映画監督になる―。監督自身の驚くべき物語を映画化した、『エンドロールのつづき』は、2023年1月20日(金)新宿ピカデリー他全国公開)。トライベッカ映画祭ほか、世界中の映画祭で5つの観客賞を受賞し、さらにバリャドリード国際映画祭では最高賞にあたるゴールデンスパイク賞をインド映画として初めて受賞。そして世界中の映画祭から喝采を浴びた本作は、日本でも大きな話題となった『RRR』などの話題作を抑え、第95回アカデミー賞インド代表(国際長編映画賞)としてショートリストにも選出され、ノミネートへの期待が高まります。
エンドロールのつづき
この度、一般募集でご招待した試写会にて、パン・ナリン監督がオンラインで登場し、映画評論家の森直人さんと、トークを実施いたしました!是非ご紹介のほどよろしくお願いいたします
「エンドロールのつづき」パン・ナリン監督

SUZUKI presents試写会

日程:1月13日(金)
ゲスト:パン・ナリン監督(オンライン)
MC:森直人

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パン・ナリン監督オンライン

物語の舞台であるインドのグジャラートに工場を持つ大手自動車メーカースズキ株式会社が全力応援し実現した本試写会では、抽選で約100人の観客を、公開に先駆け試写会に招待いたしました。映画評論家の森直人さんが登場し、つづいてオンラインでロサンゼルスと繋がっているパン・ナリン監督が登場。現地は夜中の1時過ぎにもかかわらず元気よく登場した監督は「日本の皆さんとお話できて嬉しいです。今は来たるアカデミー賞のために会員向けの試写会に参加しています。」とご挨拶。本作はアカデミー賞の国際長編映画賞インド代表として現在ショートリストに選出されており、忙しくキャンペーンを繰り広げている中でのオンライントークショーが始まりました。

多くの試写会に参加しているという監督に「海外での反応でなにか面白いものがありましたか?」と問うと、スイスで実施した試写会を例に挙げ「ご家族や子供連れなど、若い方が多く参加してくれたんです。試写会の後に観客と会ったら、子供たちがたくさん来てくれて“主役はだれなの?”と聞かれたので「バヴィンという名前の子だよ」というと、バヴィン!バヴィン!とバヴィンコールがはじまってしまい…。みな興奮していました。」とその時の驚きの様子を明かしました。そしてもうひとつ、本日ロスで実施したという試写会では、ハリウッドで活躍する名だたる撮影監督が試写に来てくれたといい「みなさん心から感動してくれて、自分の涙を指で拭って私に触れたんです。この映画をみて、撮影監督に感動してもらえたというのは、とてもエモーショナルな体験でした。」と、感激の体験を明かしました。

そして映画の着想について話題が及ぶと、2011年に監督の故郷、インドのグジャラートに行った際に友人に会ったことがきっかけだったと語ります。「友人はデジタル化の波で35mmフィルムが無くなって失職しました。他にもたくさんの映写技師が職を失ったんです。その友人とフィルムに対する愛について語りました。当時自分は学校に持っていくお弁当を彼に持っていくことで(交換条件として)映画を見せてもらっていた。生涯の友です。そんなところから本作の着想が始まりました。」というと、森さんは「映画そのままですね!」と驚きの声。さらにカースト最上位のバラモンでありながら、生活に苦労を強いられていたというところ、映画を見せてもらえなかったところも実話と明かし、映画で描かれた幼少時代そのままの生活を送っていたと明かす監督。

「子供のエピソードはそのままです!ガラスや捨てられたミシン、扇風機などを集めて自分なりの映写機を作りました。それは子供だったので特別なことではないんです。子供は人にどう見られるかということを恐れない。やりたいことをやるというところがクリエーションの源です。それは大人になると失われてしまいます」と語り、インド公開時のキャッチコピー「何もないからこそ、なんでもできる」という言葉を紹介しました。

森さんが「原題は「Last Film Show」ですが、日本のタイトル「エンドロールのつづき」について、どのような感想を持たれていますか?ということを尋ねるとすぐさま「日本のタイトルは大好きです!原題の「Last Film Show」より気に入っています。」と会場の笑いを誘う。「原題は何かが終わってしまうというふうに感じますが、日本の題名には未来が感じられますね。松竹さんから連絡をもらった時、なんて頭がいいのだ!と思いました。フィルムの終焉は描かれていますが、映画自体は続いていくということがテーマにもなっている。変わらずつづいていくんです。」

本作には沢山の巨匠監督へのオマージュが散りばめられており、それは「映画作家への大きな大きなラブレター」という監督。作中に勅使河原宏、小津安二郎、黒澤明の名前も出てくるが、そんな巨匠たちの作品を配給した松竹に、本作も配給されることについて聞くと、「オーマイガー!本当に心から光栄に思い、ワクワクしています。松竹のロゴが出てくるとこれからすごいものが見られるんだ!とワクワクした学生時代を思い出しました。自分の作品の最初に松竹さんのロゴがつくんだと思うと涙が出るくらい嬉しいです。歴史が古く映画が始まった頃からあった松竹さんに公開してもらってとても幸せです。」と感激しきり。最後に「この作品はスターがいる作品ではありません。心で作った作品です。運良く世界中の方達に愛されています。ぜひ日本でも沢山の方に見ていただきたいです。」と観客に向けてメッセージ送り、「私は日本が大好きです!アカデミー賞のキャンペーンで忙しいのですが、あさってから日本に行きます!ぜひ直接皆さんとお話しできればいいなと思っています。」と来日を楽しみにしていると語りトークショーを締めくくりました。

賞レースも佳境になるなか、いよいよ日本での公開が目前に迫った「エンドロールのつづき」。
映画と観客への愛に溢れた本作、そして監督の来日に是非ご期待ください!

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『エンドロールのつづき』

2023年1月20日(金)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネリーブル池袋 他全国公開

公式HP:
@endroll 
Twitter:
@shochiku_youga  
インスタ:
@shochikuyouga 
fb:
@shochiku.youga 

STORY
9歳のサマイはインドの田舎町で、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものだと思っているが、信仰するカーリー女神の映画は特別と、家族で街に映画を観に行くことに。人で溢れ返った映画館、席に着くと、目に飛び込んだのは後方からスクリーンへと伸びる一筋の光…そこにはサマイが初めて見る世界が広がっていた。映画にすっかり魅了されたサマイは、再び映画館に忍び込むが、チケット代が払えずつまみ出されてしまう。それを見た映写技師のファザルがある提案をする。料理上手なサマイの母が作る弁当と引換えに、映写室から映画をみせてくれるというのだ。サマイは映写窓から観る色とりどりの映画の数々に圧倒され、いつしか「映画を作りたい」という夢を抱きはじめるが―。
エンドロールのつづき

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監督・脚本:パン・ナリン
出演:バヴィン・ラバリ
2021年/インド・フランス/グジャラート語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/
日本語字幕:福永詩乃 G  
応援:インド大使館 
配給:松竹
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