映画情報どっとこむ ralph “映画を語る”配信番組「活弁シネマ倶楽部」の最新回では、『汚れたダイヤモンド』のアルチュール・アラリ監督最新作『ONODA 一万夜を越えて』についてのトークを収録。同作に出演した俳優の松浦祐也とカトウシンスケが登場し、MC:映画評論家・森直人とさまざまなトークを繰り広げた。
ONODA_活弁シネマ俱楽部
本作は、フィリピン・ルバング島で秘密戦の任務を遂行し続けた実在の人物・小野田寛郎の30年間を描いた『ONODA 30 ans seul en guerre』(著:Bernard Cendoron)を元に着想、映画化したもの。フランス映画界でいまもっともその手腕が注目されているアルチュール・アラリがメガホンを取っただけでなく、脚本も手がけている。ほとんどの日本人キャストはオーディションにより選考され、約4ヶ月間にわたるカンボジアでの撮影に挑んだという。第74回カンヌ国際映画祭2021にて「ある視点」部門でのオープニング作品にも選ばれた力作だ。松浦とカトウは、小野田の仲間である小塚金七と島田庄一をそれぞれ演じている。
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演者が撮影の裏側を、軽快に語る

当番組お決まりの口上を森が述べるのに対し、松浦が合いの手を入れる賑やか過ぎるトーンでスタート。
 ONODA_活弁シネマ俱楽部
本作について森が「めちゃくちゃ良かった。『戦場のメリークリスマス』のような映画がいまの時代に作られるのだとビックリしました。スケール感もすごいし、ディテールもすごい」とまず感想を述べる。「ディテールに関しては脚本の時点でかなり細かったですね」と松浦が話すと、「初期の脚本なんかはト書きの量が膨大で、『これどうやって撮るんだ……』なんて話してましたね。誰かが監督に『すごく細かいよね』みたいなことを話したときに、『普段もト書きの量は多いけど、今回は特に言語の問題や文化の違いがあるから、自分のやりたいことをどれだけ汲み取ってもらえるか分からないから、とにかく書いた』と言ってましたね」とカトウが続けている。国境や文化圏を越えての共同クリエーションに対する、監督の想いが伝わってくる発言だ。「脚本からはみ出すシーンももちろんあるんですけど、大枠を崩すようなことはなかったですね」と松浦が撮影時の印象を振り返ると、「作品を観ていると、カッチリ撮るタイプな気はしますよね」と森が述べている。
松浦祐也&カトウシンスケ_活弁シネマ倶楽部『ONODA』
本作の撮影について松浦は、「すごくツイてましたね。座組もいいし、海外へと渡って、2ヶ月くらい家族にも一切会えず、撮影に集中できました。これは俳優が作品に挑む状態としてすごくいいですよね。それに現場でも宿でも、4人でずっと一緒だったんです。だから話し合う時間も十分に持つことができました」と振り返る。カトウも「映画の話くらいしかすることがなかったですしね」と続けている。俳優として、非常に恵まれた環境で演技に取り組むことができたらしい。
松浦祐也&カトウシンスケ_活弁シネマ倶楽部『ONODA』
この収録は、本作の観客が恐らく想像していないであろう“撮影の裏側”を、軽快に語るものとなっている。本作のファンはもちろんのこと、映画ファン、俳優ファンは必見の回だ。

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活弁シネマ倶楽部 公式ツイッター:
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『ONODA 一万夜を越えて』

https://onoda-movie.com/

あらすじ
終戦間近の1944年、陸軍中野学校二俣分校で秘密戦の特殊訓練を受けていた小野田寛郎(遠藤雄弥/津田寛治)は、劣勢のフィリピン・ルバング島にて援軍部隊が戻るまでゲリラ戦を指揮するよう、命令を受ける。「君たちには、死ぬ権利はない」出発前、谷口教官(イッセー尾形)から言い渡された最重要任務は“何が起きても必ず生き延びること”。玉砕は決して許されなかった。しかし彼を待ち構えていたのは、ルバング島の過酷なジャングルだった。食べ物もままならず、仲間たちは飢えや病気で次々と倒れていく。それでも、小野田は生きるために、あらゆる手段で飢えと戦い、雨風を凌ぎ、仲間を鼓舞し続ける。必ず援軍が来ると信じて。
 小野田は仲間を連れて、任務を完遂するまで島の奥地に潜伏。自らもこの終わりの見出せない戦いの日々に精神を蝕まれながらも、かろうじて仲間のためにも、見えない敵に対峙していたのであった。小野田と一緒に最後まで生き残った小塚金七(松浦祐也/千葉哲也)は、幾度となく小野田といさかいを起こしながらも、協力し合い、相手を思いやり、二人三脚で生死を彷徨いながら潜伏していた。しかし、ある日突然、小野田と小塚は島民らしき人間たちからの奇襲を受け、小塚は小野田の目の前で帰らぬ人となってしまった。
 そこからは小野田は一人きり。孤独の中で夜が明けていく日々を淡々と数えながら、息を潜めていた小野田だったが、ある日、“旅行者”と名乗る若い男・鈴木紀夫(仲野太賀)と出会うのだった。小野田が見えない敵と戦い続けて一万夜を迎える頃。この永久的に続いていた日々は、この青年との出会いによって終わりを迎えることに……。
ONODA ©bathysphere

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監督:アルチュール・アラリ
キャスト:遠藤雄弥 津田寛治
仲野太賀 松浦祐也 千葉哲也 カトウシンスケ 井之脇海 
足立智充 吉岡睦雄 伊島空 森岡龍 諏訪敦彦 
嶋田久作 イッセー尾形
制作:bathysphere productions 配給:エレファントハウス
2021映画『ONODA』フィルム・パートナーズ:CHIPANGU 朝日新聞社 ロウタス
スペック:174分/フランス、日本、ドイツ、ベルギー、イタリア/ 2021/1.85/5.1
コピーライト:©bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma
©bathysphere ‐ To Be Continued ‐ Ascent film ‐ Chipangu ‐ Frakas Productions ‐ Pandora Film Produktion ‐ Arte France Cinéma

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