フランス公開70周年を記念して修復された『恐るべき子供たち4Kレストア版』が10月2日(土)より、[シアター・イメージフォーラム]他にて全国縦断公開となります。
フリークのあがた森魚、フランス文学の大家・巖谷國士と野崎歓、TikTokでナツメロをカバーした動画で多くのフォロワーを擁する中村月子、映画監督の諏訪敦彦、深田晃司、想田和弘、元TAKEO KIKUCHI、現テイラーデザイナーの信國大志、天井桟敷ご出身で映像作家の萩原朔美、舞台版『恐るべき子供たち』の演出で話題を集めた演出家の白井晃ら、世代・ジャンルを超えた方たち17名の実に多彩な方達からのコメントが届きました! |
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多彩なクリエイターたちからコメント10月2日(土)の公開を前に、17 名の多彩なクリエイターたちからコメントが続々到着。 コクトー原作の映画のなかでも、白眉の名作というべきだろう。とくに終盤のクライマックス、映画史上に稀な古典悲劇風のすざまじい戦慄を走らせるのは、メルヴィルでもなくコクトー自身でもなく、あの奇跡のような女優、ニコール・ステファーヌである。恐るべきエリザベート! 往年の傑作が、リストアによってまるで未知の新作のようにみずみずしい輝きを放っている。 一点突破!!の雪合戦!! ダルジュロは学校の雄鶏だった。挑戦する者にも見方につく者にも等しく好意と闘志を抱く。ポールはそのダルジュロが好きだったが、性欲も目的も理屈も伴わぬ清浄な欲望は強烈な苦しみであり歓喜でもあった。ポールはそのダルジュロの強力な雪玉の一撃に倒れる。この冒頭の美しすぎる純愛シーンがこの物語りは始まる。超古典主義の超古典。純愛のための純愛はこの映画から始まったとさえ言いたくなる。ともかくダルジュロ精神全面展開の一本なのです。 子ども達が自由に羽ばたくのは、ベッドの上だ。何をしても許される。 新たな技術は、幼い姉弟の愛憎劇を残酷なまでに露わにする。 美しく儚い、人間の心の世界に引き込まれ、終始、自分の中に宿る”瞬間と対話”をする感覚に。 ウィルスに感染するように、わたしの中に恐るべき子供たちの棲む部屋が作り出される。そこは怒りの声とばか笑いが同時に炸裂するガラクタのような宝物に満たされた空間だ。もうこれを消去することはできない。つまり永遠の宝物を手にしたのだ。 笑うときも怒るときも悲しむときも止まることなく死へと映画は前進していく。私たちの人生がそうであるように。いつかみんな死ぬけどこの映画の雪と影の美しさを見ないで死ぬのはもったいない。 映画とは「体験」である。そのことを改めて実感させられる。いったい自分は何を観たのだろうと、何日もうなされそうな映画である。 コクトーが絶賛ヘロイン中毒中に3 週間で書いた名作。ストラヴィンスキーと製作した、戯曲エディプス王同様の禁断の愛を主旋律として、不安定な四角関係が描かれる。子供の頃観て理解できなかったが、今にして面白いと思えるのは、拙者もそのような複雑な愛を理解できるようになったからだろうか? とてもフランス的でありコクトーそのものであろう映像作品だった。 陰影に富んだ映像の美しさに重なるコクトーのナレーションに、底知れぬ不安感が募る。悲劇への道標を暗示しているのか。姉弟の倒錯した感情は、激しく、他の介入を許さない。これが「愛」ならば、ギリシア悲劇の様相を帯びるのは、当然の帰結だろう。姉弟の秘密「夢想の国」へと「出発」するシュールな結末は、この映画が「ヌーヴェルバーグのゆりかご」であることを示唆している。 ビリヤードの球が乱反射する如く、モンティエ広場の雪合戦で堕天使ダルジュロスが放った雪玉はポールの心臓を穿ち、人生に影響を及ぼし続ける。 子供部屋という最も純粋な王国は、最も未開で野蛮で残酷な宇宙だ。 その空間では美と死は同義であり、少年少女たちとは美と死そのものだ。 しかし、彼らは自身の姿を決して見ることはない。 そして、私たちは一体いつ子供部屋を出てしまったのだろうか。 一体誰に心臓を撃ち抜かれたのだろうか。 ジャン・コクトーからジャン=ピエール・メルヴィルへと受け継がれた「大理石の拳の一撃」が、雪玉から姿形を変えながら凶暴さを増していき、世界の広がりから拒もうとする小さな空間に亀裂を与える瞬間を目撃した。 ふたりには永遠の子供部屋が必要だった。 深い自己愛なのか、それとも他者への猛烈な求愛なのか。内と外の区別が曖昧なまま、性別のない天使たちは重なり合い、奪い合っては離れていく。そこに響く笑い声は、楽しげで、意地悪く、とても悲しい響きを持っている。 エリザベートとポールの暮らす子ども部屋という閉鎖的空間の中に、大人の決めた倫理はまるで存在しない。その危うさがこの映画を“出発”させる。加速してゆくエリザベートに「やめとけ…」と思いつつ、悲哀を感じました。 |
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グッズプレゼントキャンペーンそして、9月20日(月)23:59までに公式Twitterアカウントをフォローし、下記ツイートをリツイートした方合計66名様に関連グッズプレゼントキャンペーンをしています。 「Lhiannan:Shee(リアナンシー)」により、本作をイメージして創作されたジュエリーラインより黒真珠のネックレス[ダルジュロスの掌](28,800円)を1名様に。ジャン・コクトー版ドローイングポストカード+全国共通特別鑑賞券を30名様、小石川あお版ドローイングポストカード(フランス語版)+全国共通特別鑑賞券を30名様、光文社古典翻訳文庫版原作本+全国共通特別鑑賞券を5名様にプレゼントします。 『恐るべき子供たち4Kレストア版』10月2日(土)より、[シアター・イメージフォーラム]他にて全国縦断公開!
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監督・脚本: ジャン=ピエール・メルヴィル
脚本: ジャン・コクトー / ジャン=ピエール・メルヴィル
撮影: アンリ・ドカエ 衣装デザイン: クリスチャン・ディオール
出演:ニコール・ステファーヌ/エドゥアール・デルミット
[1950 年|105 分|フランス|モノクロ|スタンダード4K デジタルリマス
ター版|DCP・Blu-ray]
日本語字幕:横井和子/監修:中条省平
©1950 Carole Weisweiller (all rights reserved) Restauration in 4K in 2020 . ReallyLikeFilms