『ドライブ・マイ・カー』大ヒット記念トークイベント主演に西島秀俊を迎え、村上春樹の短編を映画化し、第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で日本映画史上初となる脚本賞ほか全4冠に輝いた濱口竜介監督最新作『ドライブ・マイ・カー』。 公開されるや「大傑作!美しいラストシーンに涙がこぼれた」「今年No.1!」「時間を忘れて見入ってしまった」などSNSでの熱量のある口コミが溢れ、全国各地の劇場で満席が続く好発進。さらに今後もトロント、サン・セバスチャン、ニューヨーク、ロンドンなどの国際映画祭に正式出品が決定するなど、世界各国から益々大きな注目を集めている。 『ドライブ・マイ・カー』大ヒット記念トークイベント |
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濱口竜介監督登壇トークイベント上映を終えたばかりの満席の会場から拍手で迎えられた濱口監督は、「週末にこの映画を選んでいただきありがとうございます。」と、感無量の面持ちで挨拶。その後、進行を務める門間雄介氏(ライター・編集者)が、SNSに事前に寄せられた一般客からの質問を投げかける形でトークがスタートした。 村上春樹作品を読んで自分の中に蓄積されたものが反映されている村上春樹作品を映画化するにあたり、原作「ドライブ・マイ・カー」が収録されている短編小説集「女のいない男たち」を読みこんだという監督。そのほかにも参考にした作品があるかを問われ、「同短編集に入っている『シェエラザード』や『木野』といった話も参考にしました。他にも、村上春樹さんの長編は全部読んでいるので、そのときに受け取ったもの、自分の中に蓄積されていたものは反映されていると思います。『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は村上春樹さんの小説の見取り図というかエッセンスの詰まった作品だと思っていて、今回もすごく意識をしていました。結果、家福がいろんな人に会って最終的に辿り着く場所がある、という巡礼にも似た形ができあがったのかなと。その他にも『翻訳夜話』、『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』などヒントになりそうなものは読むようにしていますし、とても参考になりました。原作ファンも数多くいらっしゃる方ですので、村上春樹作品の世界観を踏襲したいという思いがありました。」と原作への思いを語った。 カメラは、映っている人の歴史も映し出して、それを観客に伝えてしまう本作の主人公である家福(西島秀俊)に絡めて、舞台の演出家と映画監督との違いについて、更には自身の舞台演出への興味を尋ねられた濱口監督は「舞台演出はできないと思います。カメラに映った時に良いものであるかどうか、という判断基準があるので、カメラがない場合に演出の軸を保つことができないだろうと思っています。」ときっぱり。 嘘と本当の境界線がなくなる瞬間の準備をしている事前に寄せられた「画面にうつしだされるものがどこまでも透明で、彼らの語る言葉が『ほんとうのこと』としてまっすぐに届いてきたように感じました。監督にとって、映画における嘘と本当の違いはなんでしょうか。」という質問へ移ると監督は、「それがわかりたくて演技を取り扱っている部分はあります。その役として過ごした時間が役者さん自身の記憶になり、役者さん自身の人間性と、役の人間性が一致して、間違いなくその人自身であるように見える瞬間があるのです。それぞれの登場人物に合わせたリハーサルを前もってしておくことで、撮影が始まった初日からそれが起こりうる。そういった嘘と本当の境界線がなくなる瞬間の準備をしています。結果的に、現場で僕自身もそういった瞬間を目にして驚くことが多く、役者さんたちが本当に素晴らしかったと感じています。」ともらった感想を噛み締めながら答えた。 |
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『ドライブ・マイ・カー』全国大ヒット上映中! 原作は、村上春樹による珠玉の同名短編小説。この作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる気鋭・濱口竜介監督。カンヌ映画祭コンペティション部門に選出『寝ても覚めても』、ベルリン映画祭で銀熊賞受賞を果たした短編集『偶然と想像』、脚本を手掛けた『スパイの妻』がヴェネチア映画祭銀獅子賞に輝くなど、国際的な舞台でその名を轟かせてきた。 主演を務めるのは日本映画界に欠かせない名優、西島秀俊。みさきを三浦透子が演じるほか、岡田将生、霧島れいか、と実力派俳優陣が集結した。 |
西島秀俊
三浦透子 霧島れいか
パク・ユリム ジン・デヨン ソニア・ユアン
ペリー・ディゾン アン・フィテ 安部聡子
岡田将生
原作:村上春樹 「ドライブ・マイ・カー」(短編小説集「女のいない男たち」所収/文春文庫刊)
監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介 大江崇允 音楽:石橋英子
製作:『ドライブ・マイ・カー』製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント、ビターズ・エンド
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
配給:ビターズ・エンド
2021/日本/1.85:1/179分/PG-12
©2021 『ドライブ・マイ・カー』製作委員会