映画情報どっとこむ ralph 102年前に富山で起こった「米騒動」に基づき、そこで活躍した女性たちにスポットを当てた“大痛快”エンタテインメント『大コメ騒動』。健保もない!年金もない!明日食べるお米もない!【超・格差社会】を変えた富山の女性たちの実話を描いた本作で主演を務めるのは、『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞した女優・井上真央。夏木マリ、鈴木砂羽などの豪華女優陣に加え、室井 滋、立川志の輔、左 時枝、柴田理恵、西村まさ彦、内浦純一など富山県出身キャストがずらりと勢揃い!監督も富山出身、『超高速!参勤交代』の本木克英。「腹いっぱい食べさせたい!」「家族の命を守りたい!」井戸端から沸き上がった女性たちの声が、日本を大きく変えていく【笑いあり!涙あり!】のパワフルな物語。観ればきっと元気がでる、新年の幕開けにふさわしい作品となっている。

この度12月22日(火)に、“首都圏と富山をつなぐ情報発信拠点”をコンセプトにしている日本橋とやま館にて、<クリエイターズトークVol.48>が開催され、ゲストに富山を舞台にした映画『大コメ騒動』を監督した、本木克英監督が登壇した。監督自身も富山出身ということで、本作へ注いだ熱い思いから、富山の魅力まで、語り尽くしたイベントとなった。

クリエイターズトークVol.48~『大コメ騒動』の本木克英監督が語るエンタメ映画の真髄~ 
日程:12月22日(火)
場所:日本橋とやま館
登壇:本木克英監督、岩城れい子
映画情報どっとこむ ralph 会場には、本木監督の貴重な“富山トーク”が聞けるとあって、事前予約した観客が来場(*適切な感染防止対策を実施)、冒頭、「新型コロナウィルスの感染拡大でエンタメ業界はなかなか厳しい状況ではありますが、『大コメ騒動』は公開します!」と明るく公開をPRし、トークイベントはスタート。

構想約20年という、温め続けてきた企画が誕生したきっかけは、「富山県黒部市出身で、ミニシアターの草分けである<岩波ホール>の総支配人・高野悦子(故人)から『米騒動を映画化しなさい」』と話しを持ちかけられた」ことだったと、まずは本作の成立について触れた。本木監督は、大人気シリーズ『釣りバカ日誌』を手掛けており、中でも『釣りバカ日誌13 ハマちゃん危機一髪!』(02)は、富山を舞台にした1作で、当時富山県で大ヒットを記録!「1回目は富山弁がちゃんと話されているか、2回目は誰が出演しているか、3回目でようやく話の内容を観に行った」という、県民ならではの厳しくも温かい支えと、映画の撮影を受け入れると経済効果がある、というフィルムコミッションの協力体制の土壌作りなど、徐々に今に結び付く動きが生まれていった、という。その後、2008年には、富山県で行われた「日本女性会議」で室井滋と対談した際に、富山が舞台の映画制作について背中を押された。

富山でのロケーション撮影は、当時の面影を再現できる砂浜として選ばれた「岩瀬浜海岸」、国登録有形文化財の「富山県庁」や「竹内源造記念館」など、地元の人にはお馴染みの場所で行われた。「(井上真央演じる)主人公・いとが米俵を運ぶ、艀(はしけ)船の手配や、操船の苦労などもあったが、時代劇を一緒に取っている俳優チームにも協力してもらえて、素晴らしい撮影ができた」と撮影当時を振り返った。主人公・いとに井上真央をキャスティングしたことについて、プロデューサーの岩城は「いとさんは、大地にしっかり根付いているような女優がいいと思っていた。井上さんは、浮ついてない雰囲気があり、歯を食いしばって根性を出しそうなイメージがあったが、撮影時期、富山では美味しいものが多い時期だったのに、“米断ち”をしていると聞いて驚いた。撮影の16日間、どんどん細くなっていっていくからどうしたのだろうと、思っていたが、最後は目にすごい力が宿っていて、監督のキャスティングの能力はすごいなと思った」と、井上真央が適役だったことを絶賛。また、見た目のインパクトでも既に話題になっている、いとたち浜で働く女性たちのリーダー的存在の、“清んさのおばば”役の室井滋については、「ポスターを見た母親から「室井滋はどこに出ているんだ?」と聞かれた(笑)」と話し、会場からは笑いが起こった。そのくらい、見た目も演技もインパクト&迫力十分の室井の姿は、劇場で見ること必至だ。

観客からの質問コーナーでは、「富山弁が高度なものだったが、演出などはどうしたのか」という質問があり、「大正時代のおかかを演じるならば、富山弁は必須条件だったので、方言指導の方に朝から晩までつきあってもらった。結果、完成した作品を見た富山出身の人から、『字幕が必要なんじゃないか』と、言われたんですよ(笑)。そういう声もあったので字幕を付けて編集もしてみたのですが、逆に、富山県以外の出身の人からは、『(何を言っているのか)わかります!その言葉が刺さります。字幕はいりません!』と言われたんですよね。」と、方言をめぐる意外なエピソードが披露された。また、本作が“力強い女性たち”を描いていることから、女性へのメッセージを求められると、「女性たちには、たじたじです(笑) 若い方たちは、自分たちの時代と違って明るいニュースがなく景気が悪い時代になってしまっていると感じているかもしれないが、『大コメ騒動』の時代も同じだった。そんな中で女性たちが立ち上がったという話は近いものがある。良い方向に向かう、と思うので、めげずに頑張ってほしい。映画も観てください(笑)」と、エールを送った。観客には富山出身の人たちもいて、地元が映画の舞台になったことや、監督の本作に込めた熱い思いに、うなずきながら聞き入っていた。

映画情報どっとこむ ralph 『大コメ騒動』 (読み方:だいこめそうどう)

2021年1月8日(金)TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

あらすじ
1918年(大正7年)8月。富山の海岸に住むおかか(女房)たちは、毎日上がるコメの価格に頭を悩ませていた。夫や育ち盛りの子供達にコメを食べさせたくても高くて買えない。困ったおかかたちは、近くの米屋にコメを安く売ってくれと嘆願にいくが失敗。リーダーのおばばが逮捕されてしまう。コメの価格はますます高騰し、ある事故をきっかけに我慢の限界を迎えたおかかたちはついに行動に出る。

***********************************

監督:本木克英(『釣りバカ日誌』『超高速!参勤交代』『空飛ぶタイヤ』『居眠り磐音』)
出演:井上真央、室井 滋、夏木マリ、立川志の輔、左 時枝、柴田理恵、鈴木砂羽、西村まさ彦、内浦純一、石橋蓮司
プロデューサー:岩城レイ子 
プロダクション統括:木次谷良助 
脚本:谷本佳織 
音楽:田中拓人 
配給/ラビットハウス、エレファントハウス
©︎2021「大コメ騒動」製作委員会
関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ