1977年から続く自主映画の祭典「ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」は、「新しい映画の才能の発見と育成」をテーマに去る9月に41回の開催を数えました。2017年に「一般社団法人PFF」を設立し、あらたな歩みを始めたPFFは、新しい映画賞として、「大島渚賞」をスタートします。
来年2月の受賞者の発表に先立ち、本日12月4日(水)、日本外国特派員協会にて、「大島渚賞」創設に関する記者会見を行いました。 |
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矢内廣さん(一般社団法人PFF 理事長、ぴあ株式会社 代表取締役社長)コメント 大島渚賞は、41年に渡るPFFの下地から生れた新たな賞です。映画の未来を開いて、世界へ羽ばたこうとする若くて新しい才能に対して贈られます。新しい才能を発掘する<PFFアワード>、その才能を育成する<PFFスカラシップ>と、これまでのPFFの活動を通し、国内外の映画祭や映画人との交流を深めてきましたが、さらに、その才能を世界に飛躍させるのが<大島渚賞>。そういった賞に位置づけたいと思っております。かつて大島監督が高い志をもって世界に挑戦していったように、それに続く次の世代の監督に対して期待と称賛をこめて贈りたいとおもっております。大島渚賞を通して、世界に羽ばたく新しい才能が次々と生まれていく。みなさまのお力添えをいただきながら、そういった夢を実現できていければと思っております。 小山明子(女優)さんコメント |
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質疑応答の内容 Q.大島渚賞創設までの経緯は? 矢内さん:今年で大島監督は7回忌になるのですが、3年前ほど前に小山さんからお話しをいただきました。「PFFの中で大島渚の賞を作ってもらえないか」と。わたくしは驚いて「そんなビッグネームを冠した賞をPFFに作っていいのですか?」といいましたところ、小山さんは「なにをおっしゃるんですか。(審査員を務めていたとき)大島は家に帰ってくるとPFFの話ばかり。わたくしはそれをよく聞かされていました。ですから、大島渚賞というのはPFFの中で作られるのがもっともふさわしいんです」と。続けて「これは大島の遺志だとおもってうけとめてください」とまでいってくださいました。当時、ちょうど社団法人化にむけて動いていたこともあったので、これが叶いましたら、そのあかつきにはぜひということでお願いしました。そして、今日の発表の日を迎え、大変うれしく思っております。 Q.賞は、自ら世界に挑戦し、新しい道を切り拓こうという大島渚監督のスピリッツをもつ次世代の監督にとのことですが、小山さんの思う大島渚スピリッツとは? Q.PFFの審査員を務めていたときの大島監督で思い出すことは? 矢内さん:大島監督はほんとうに若い人の作品を見るのが好きでした。当時、『愛のコリーダ』や『戦場のメリークリスマス』といった作品で、既に世界の有名監督だったにも関わらず、ぴあの試写室に足を運び、1日中8ミリフィルムの作品を観てくださった。未知の才能を発見できるかもしれないといった様子で、ワクワクしながら観ていられたことをよく覚えています。 |
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<第1回大島渚賞> 【審査員】 審査委員長 坂本龍一(音楽家) 審査員 黒沢清(映画監督)、荒木啓子(PFFディレクター) 【発表】 2020年2月予定 【授賞式】 2020年3月19日(木) 丸ビルホール ※招待のみ。チケット販売はありません。 【記念上映会】 2020年3月20日(金) 丸ビルホール ※上映プログラムなどの詳細は、2020年2月発表予定 |