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ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞&最優秀新人監督賞スペシャル・メンションをW受賞、金馬奨では作品賞&脚色賞&観客賞をトリプル受賞!29歳の俊傑フー・ボー監督作『象は静かに座っている』がシアター・イメージフォーラム他にて上映しています。二週続けて休日が満席となる、大盛況ぶりの中、9日㈯には幻の短編「Maninthewell」の上映前に映画評論家の柳下毅一郎さんを招いてトークショーを開催。
『象は静かに座っている』トークイベント |
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★「死に寄せて語られがちだけど、本質はそこじゃない」 柳下さんは開口一番に「言わなきゃいけないことがいっぱいある」と発言。「この尺は、見るハードルがどうしても高くなってしまうけど、でもそれだけの価値がある映画」と、本作への熱い想いを口にしました。本作はフー・ボーが遺した最初で最期の作品としても話題になっていることから、「死に引き寄せて語られがちだけど、本質はそこじゃない」と強調しました。 その理由を、「主人公たちは、観てて辛くなるほど自虐的です。でも、最期の一歩の手前で踏みとどまっていますよね。逆を言えば、チェンの親友は一歩を踏み出した人。つまりこの世界から抜け出した人とも言えます。でも主人公たちは誰からも疎まれても、最期の一歩を 踏み出そうとはしない。だからこそ簡単に、死を結びつけちゃいけないと思っています」と語る。 |
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★「一つひとつのカットに魂が込められているような重量感」 タル・ベーラのワークショップで作り上げた短編「Maninthewell」は、「意外とタル・ベーラらしくはないんですよね(笑。思い浮かべるのは、タルコフスキーとかでしょうか。本作『象は静かに座っている』のほうが、確かにタル・ベーラらしい。でもそれは単に、ワンカットが長いこと、ではなくて。タル・ベーラを彷彿させるのは一つのカットにどれだけ魂がこもっているように感じるか。通しで芝居を一回しかやらないのは、ある種ドキュメンタリー的ともいえます。俳優の一つの動きを見続け終わったら、こちらの力も抜けてしまうような、そんなワンカット毎に重量感を感じられますよね」。また『象は静かに座っている』の特徴的な撮影方法については「カミソリのように薄い被写界深度で撮られています。現代のキャノンのカメラが非常にシャープに写すこともあって、ある種フィルムカメラ的ともいえるでしょう。そして、主人公たち以外にピントがさっぱり合わないことは、まるで4人の中心人物以外はモブだと言わんばかりです。またこの映画はカラーなのですが、モノクロにも感じられませんか?反時代的というか、時代をも超越しているように感じました」。そして、フー・ボーの死が雄弁に語られているが、タル・ベーラがフー・ボーと、彼が死ぬ二週間ほど前に会ったときに二作目の構想を聞かされていたという。それを聞いた柳下さんは「そうですよね。「Maninthewell」を観れば、次生きていたらどんな映画を撮るのだろう、と皆さん感じられると思います。非常に色々な可能性を秘めている作品だと思います」と締めくくった。 |
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『象は静かに座っている』
【STORY】 |
監督・脚本・編集:フー・ボー
出演:チャン・ユー、ポン・ユーチャン、ワン・ユーウェン、リー・ツォンシー
撮影:ファン・チャオ 録音:バイ・ルイチョウ
音楽:ホァ・ルン 美術:シェ・リージャ サウンドデザイン:ロウ・クン 2018 年/中国/カラー/234 分 配給:ビターズ・エンド
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