映画情報どっとこむ ralph お台場ではたくさんオリーブが収穫できる!? NHK「趣味の園芸」「あさイチ」でもおなじみの園芸家が、オリーブの意外な話を映画トークで披露。

少女時代にビクトル・エリセ監督の名作『エル・スール』に主演し、今やスペインを代表する女性監督となったイシアル・ボジャイン監督の初の日本公開作ということで、ラテン映画ファンには話題の『オリーブの樹は呼んでいる』。

5月20日からの公開を前に、スペイン政府の公的な文化施設であるセルバンテス文化センターで試写会が行われ、“お祖父さんが大切にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を、お金のために父親が売ってしまい、孫娘が樹を取り戻す旅に出る”という物語にちなんでテレビでもおなじみの人気園芸家・杉井志織さんが登壇しました。

映画『オリーブの樹は呼んでいる』トークイベント
日時:5月8日(月)
場所:セルバンテス文化センター東京
登壇:杉井志織(園芸家)

映画情報どっとこむ ralph まず映画の感想を尋ねられると、

杉井さん:植物を扱う人間として生産者側と買い手側の中間の立場にいるので、樹を売った父親の気持ちもわかるし、経営難などから、こういう管理しかしてもらえないのなら、少し違うところに行く方がいい表情が出せるのかなというオリーブの樹の事情もわかるし、ただお祖父さん可哀想とだけは言えなくて。色々な考え方ができる映画だなと思いました」

と園芸家らしい答え。

また、映画の重要な場面に登場し、監督がテーマを託した「接ぎ木」のシーンについては、「挿し木」と「種まき」との違いを紹介しながら、オリーブの場合は、根が丈夫な品種を親木にして、そこに実が大きくたくさんできる品種を接いでいることを説明し、いわば親と子の良い点を合わせていこというのが接ぎ木で、挿し木は親の持っている良いところをずっとコピーしていくこと、種まきはどんな子供になるのかわからない、とわかりやすいたとえで観客に説明。

さらには、オリーブの樹がいかに生命力が強いかという話の中で、

杉井さん:二十数年前ですが、開発間もないお台場に、どんな樹を植えるのが良いかとなった時、オリーブが適応しているということで小豆島からオリーブを掘り上げてきて植えたんですが、今や、お台場のオリーブは収穫しきれないほど実がなるんですよ。ご近所の方たちは、朝の散歩で実を収穫しに行くそうです(笑)

と、意外な話で、満員の観客から一斉に「へ〜!」と驚きの声が。原種のオリーブほど生命力が強く、樹齢2000年でも3000年でも実がなるという話にも驚き!

映画情報どっとこむ ralph トークの最後には、

杉井さん:小さな頃、植物が好きな訳じゃなかったのに、植物好きな両親が私の心の中に蒔いた種が芽生えて今の仕事につかせていただいている。皆さんも何かの時に種が芽生えて、映画の主人公のような気持ちになるときがあるかもしれないと思います。

とイベントを締めました。

映画『オリーブの樹は呼んでいる

5月20日(土)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!

物語・・・
20歳のアルマは、気が強く扱いにくい女の子。だが、オリーブ農園をやっている祖父とだけは幼い頃から深い絆で結ばれていた。しかし、農園の経営難から、祖父が大切にしていた樹齢2000年のオリーブの樹を、父が売ってしまった。それから祖父は喋らなくなり、ついに食事もしなくなった。祖父を救う唯一の方法はオリーブの樹を取り戻すこと。変わり者の叔父と同僚のラファを嘘で丸め込み、アルマは樹を取り戻すためドン・キホーテのように無謀な旅へ…。

本作のきっかけは、高速道路の脇やオフィスの庭にオリーブの樹が植えられていることに違和感を抱いていた脚本のポール・ラヴァーティが、ある日、樹齢2000年のオリーブの樹が大地から引き抜かれ、売られているという新聞記事を読んでショックを受けたこと。そこから、妻で、今やスペインを代表する女性監督であるイシアル・ボジャインとこの物語をつくりあげていった。

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監督:イシアル・ボジャイン
脚本:ポール・ラヴァーティ
出演:アンナ・カスティーリョ、ハビエル・グティエレス、ペップ・アンブロス

2016年|スペイン|99min
配給:アット エンタテインメント
 

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