この度、2016年3月26日(土)より渋谷シネクイントで公開する『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』、公開に先駆けてフライング上映会を4日間連夜開催。22日に行われたフライングイベント初日は「バンクシー、お前は誰だ?!」をテーマに座談会が開催されました。
BANKSY

イベント概要
日時:3月22日(火) 19:30~
会場:渋谷シネクイント
登壇:小倉利丸(評論家)、
   鈴木沓子(ライター)
   金子学
   (パルコ・エンタテーメント事業部エクゼクティブ・プロデューサー)

聞手:浅井隆(アップリンク社長)

正体不明の謎のストリートアーティスト、バンクシーを追ったドキュメンタリー『バンクシー・ダズ・ニューヨーク』の公開を記念したトークイベントが22日、渋谷シネクイントで行われ、かつてバンクシー本人にインタビューをしたこともあり、昨年イギリスのディズマランドに取材をされたライターの鈴木沓子さん、評論家でバンクシーの書籍『HOME SWEET HOME』の翻訳と解説をした小倉利丸さん、日本におけるバンクシーの映画・出版の仕掛け人であるパルコの金子学さんを迎え座談会が開催。聞き手にはアップリンク代表の浅井隆さん。

「バンクシー、お前は誰だ?!」をテーマに繰り広げられた熱いトークに、公開を待ち望んだ多くのお客様が、熱心に耳を傾けました。

登壇予定だった、朝日新聞国際報道部記者の高久潤さんはベルギー・ブリュッセルでの爆破事件取材の為、急遽欠席。良きにつけ割るきに付け世界は動いています。

バンクシーはこんな人だった

鈴木さん:2003年にロンドンで200万人規模のイラク戦争反対デモがあって、そこでバンクシーは仲間とプラカードを配っていた。当時街角でよく見かけていて、これはアートなのか、広告なのかずっと気になっていたんです。それで、インタビューをしたいと思い知り合いのアーティストに頼んで取材することになりました。当時バンクシーはストリートアートの雑誌などで、素顔はかくしていたけど取材はうけていました。私がインタビューしたときも、顔を写すのはNGと言われたけど取材には応じてくれて、たしか1時間ぐらい話したと思う。特に印象的だったのは、バンクシーが「世界を変えたい」と言ったこと。グラフティという手法を使って社会を改革したいという意思は当時からはっきりありましたね。すごく大きなことをいうなと、その時は思っていたのですが、今これだけ大規模な活動を展開し始めているので、その頃から今のような大規模なプロジェクトを考えていたなと思うんです。それにバンクシーは一部の富裕層だけの為のアートではなく99%の側に立つアーティストなんです。

バンクシーとは一体!?

小倉さん:バンクシーについてみんな誰だ?って思い作品を観に行くんだけど、観に行く私たちとバンクシーの間に、ある種の大きな違いがあるとするなら、それは彼が行っていることが、半ばイリーガルであるということ。そのリスクを彼は負いながら表現している。私たち観る側としては“観る”だけで犯罪者になることはないし、その違いをバンクシーは自覚し、そそのかしている。すなわち“観る”ことで社会を変えるわけではないし、行動に移さなければならない。行動に移す事を観る側が行うか、行わないかが、社会を変えていくひとつの重要なポイントで、“観る”という受け身から、自分も何か行動に起こせるかを問いかけているのではないのかな。

バンクシー次回作について

金子さん:僕の役割はバンクシーのことをもっと広く伝えることだと思う。これまで映画の配給をいくつも行ってきて思うのは、例えばとても素晴らしい監督がいても、日本での配給がバラバラだと、それぞれの配給会社で理解と解釈や、世に出す方法が違うから、本来の魅力が十分に伝わっていない気がするんです。だからバンクシーにおいては、作品に手は出せないけど、それ以外のものは一元管理していきたいなと思っている。ちなみにバンクシーの次回作はまだ、本当かどうかわからないけどHIP HOPのDJ映画を撮りたといっているそうで、もちろん配給したいと思っています。

バンクシーはノーベル平和賞!?

アップリンク浅井:バンクシーは新作を必ず自分のホームページで公開するのだけど、アップした途端世界中のメディアがそこに取材に行く。今日登壇する予定だった朝日新聞の高久さんも会社より指令があって、仏カレー難民キャンプに描かれたスティーブ・ジョブズの壁画の取材をしに行っていました。同様に昨年のノーベル平和賞は、チュニジアの「国民対話カルテット」が受賞したので高久さんは取材に行ったと言ってました。ノーベル賞の中でも平和賞は、受賞者に世界中からスポットライトが当たる効果があるとノーベル委員会は知っていて、その効果を狙って誰に受賞させるかを決めています。バンクシーも同じで、自分の新作をホームページにアップすると世界中のメディアがその場所に取材しに行き、描かれた問題が世界に報道されるということを自覚し、作品づくりをしています。だからバンクシーの作品はストリートのノーベル平和賞と言えると思います。

物語・・・

正体不明、謎のストリートアーティスト、
バンクシーが仕掛けた宝探し競争。
ニューヨーク、狂乱の1か月!!!

2013年10月1日、BANKSYがニューヨークで展示をスタートさせた。

告知もなく突然始まったその展示は、毎日1点ニューヨーク各地の路上に作品を残し、場所を明かさず公式サイトに投稿。人々はその作品を求めてニューヨーク中を駆け回るという、ストリートとインターネット上の両方で勃発した「宝探し競争」だった。

BANKSY_flyer_sTwitter、Instagram、Facebook、Vineを駆使してバンクシーの作品を捜索する人々、作品を上書きするグラフィティ・ライター、アクリル板で保護するビルオーナー、即作品を売買するギャラリーオーナー。〝バンクシー・ハント“は加熱するばかり!2015年夏に〝憂鬱な遊園地″ 「Dismaland」をイギリスにて開催(会期終了後、設備は解体され、シェルターを建設するため仏カレーにある難民キャンプに輸送された)、つい先日も難民キャンプの壁に〝シリア移民の子”であるスティーブ・ジョブズを描くなど、作品の中で常に社会とアートの在り方を問うてきたバンクシー。本作は、「都市や屋外や公共の場所こそ、アートが存在するべき場所なんだ。アートは市民とともにあるべきだ」と語る彼。

ニューヨークをハックした1か月を追ったドキュメンタリー!

バンクシー・ダズ・ニューヨーク

3月26日(土)渋谷シネクイント、4月2日(土)渋谷アップリンクほか全国順次公開

公式サイト
公式Twitter:
banksydoesny_JP
公式Facebook:
banksydoesny.jp
  

*******************************************

監督:クリス・モーカーベル
(2014年/アメリカ/81分/カラー/16:9/DCP)
提供:パルコ
配給:アップリンク、パルコ 
宣伝:ビーズインターナショナル

  

関連記事:




良かったらランキングUPにご協力ください。
  にほんブログ村 映画ブログ 映画情報へ    にほんブログ村 アニメブログ アニメ情報へ