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Q&Aイベント

 
日本画家としての活動を軸に、新海誠監督や片渕須直監督など名だたる監督のアニメーション作品に参加し、CMやミュージックビデオなどジャンルを超えて様々な創作活動を行ってきた四宮義俊が、自身のオリジナル脚本で描いた初の長編アニメーション監督作で、第76 回ベルリン国際映画祭コンペティション部門に選出された『花緑青が明ける日に』が3 月6 日(金)より全国公開となります。
 
3/6(金)より絶賛全国公開中の映画『花緑青が明ける日に』。新海誠監督や漫画家・藤本タツキら著名人の絶賛も多く、SNS上で多くの感想が飛び交っています。
この度、3/20(金・祝)に四宮義俊監督Q&Aイベントを開催しました。
花緑青が明ける日に
 
四宮義俊監督Q&Aイベント
日時:3月20日(金・祝)
場所:立川シネマシティ
登壇:四宮義俊監督
 

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登壇:四宮義俊監督

 
はじめに、本作でW主演を務めた萩原利久と古川琴音の印象について「萩原さんは僕の中では少しハスキーな声の印象があって、高音と低音の使い分け、そこに少し不安定さも感じられて。それが敬太郎というキャラクターの10代と20代の違いを表現するのに適していると思いました」と萩原の魅力を語り、古川については「とにかく個性がはっきりしている方で、声の抑揚や存在感に信頼を感じて迷いなくお願いしました」とキャスティング理由を語りました。さらにチッチ役の入野自由については「本当にプロフェッショナルで、収録後や作品が完成した後も演技などについて意見交換させてもらいました。舞台や映画など幅広い経験があり、声優と俳優の両方の感覚を理解されている方なので、とても助かりました」と入野へ感謝を語り、敬太郎とチッチの父を演じた岡部たかしについては「現場に来られた時からすでに岡部さんそのものでした。声の存在感とキャラクターが完成されていて、そのままアフレコに入れる安心感がありました」と語りました。

長編アニメーションデビュー作となった本作。初めてのアフレコ演出について「アフレコブースは特殊な空間で、俳優さんにとっては音もなく相手も見えない中、ガラス越しにこちらが見えている状態。とても異質な環境だったと思います。そんな中で、僕は最初に決めた演出プランを伝え続けることしかできませんでしたが、結果的にはコミュニケーションを楽しめたと思います」と当時を振り返りました。
SNS上でも映画館で観るべき作品と称賛の声が溢れている本作。映像作りで意識した点については「映画の本質は「音と光」だと思っています。暗闇の中に音と光を入れる——これは花火の原理とも共通しています。
ただ現実の花火にはスケールでは勝てないからこそ、映画館という空間でどこまで臨場感を再現できるかを追求しました」と暗闇の映画館で観られることを強く意識したと明かします。
さらに制作スタッフについて「世界20カ国ほどのスタッフと連携していました。オリジナル作品でコネも少なかったため、自分でSNSを使ってひとりひとりに直接声をかけました。1ヶ月半で約88人に連絡し、最終的に20人ほどが参加してくれました。皆、日本のアニメへのリスペクトがあり、先人の方々の蓄積があったからこそ実現できた作品だと思います。」と笑顔をみせました。
花緑青が明ける日に
ここからは観客からの質問に監督が回答。
はじめに、タイトル『花緑青が明ける日に』に込めた意味や経緯などを聞かれると「当初のタイトルは「新しい夜明け(A NEW DAWN)」でした。そこから議論を重ね、「花緑青が明ける日に」と「A NEW DAWN」を組み合わせた現在の形になりました。英語タイトルのほうがオリジナルに近いとも言えますが、「花録青」という言葉や色のイメージが加わったことで、画家としての自分の経歴にも重なる、自分らしい作品になったと感じています」と経緯を説明。
続けて、現役で花火の打ち上げに携わっている観客から花火の描写やリアリティを追求するための細部へのこだわりについて尋ねられると、「花火師の方々に監修していただき、例えば打ち上げ方法などは、当初の演出案が現実と違うと指摘され、修正しています。現実とフィクションのバランスは難しく、存在しない装置(大きな玉貼り機など)も登場しますが、「あり得るかもしれない」ラインを探りながら構築しました」と試行錯誤した花火へのアプローチを語り、あまり実際の花火には青が使われない中でなぜ青を選択したのかについて尋ねられると「「花緑青」という色の名前は元から知っていたが、花火師の方々へのリサーチを重ねて、顔料として花火でもかつて使われていたことに気づいた時、運命的なものを感じ、この作品の核になりました」と笑顔をみせました。
制作に入る前の企画の原点となる考えについて尋ねられると「もともと日本画とアニメーション、両方をやっていた中で、それらを統合した作品を作りたいという思いがありました。風景や土地の連続性、そこに生きる若者の物語を通して、自分なりの答えを作品にしたのが今回の映画です」と本作の誕生秘話を語りました。
さらに本作の魅力である色彩設計について「今回は作画・美術・色彩を一体として捉え、統一感を重視しました。青や緑は自分の得意な色であり、それを最大限活かせる物語として設計しています」とこだわりを明かしました。
本作で描かれている「車」の登場意図についての質問には、「登場人物が抱えるモラトリアムを象徴する存在として選びました。物語構造的にも大切な役割を担っています。車の色はとある国民的アニメキャラクターの色で、そこにも実は意味があります」とニヤリ。

最後に監督より「いろんなオリジナルアニメが同時期に公開されていて、複数作品と合わせてこの作品のことを語っていただいています。それで知っていただいた方もいて本当にありがたいなと思っています。スタッフ一同、本当に時間をかけて作ったものなので、できるだけたくさんの方に見ていただけるように、こういった機会などで宣伝を頑張りますので、 ぜひ皆様の応援もよろしくお願いいたします」と観客に感謝の言葉を贈り、大きな拍手の中イベント幕を閉じました。

今後、四宮義俊監督によるQ&Aイベントは3/24(火)18:30回にアップリンク吉祥寺にて、3/26(木)18:30回にミッドランドスクエアシネマにて実施が決定しており、さらに追加イベント情報を近日告知予定です。
 

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『花緑青が明ける日に』

英題:『A NEW DAWN』
 
絶賛上映中
 
公式サイト:
https://hanaroku.asmik-ace.co.jp
 
公式 X:
@hanaroku_movie
 
 
映画タイトルにある“花緑青(はなろくしょう)”とは燃やすと青くなる緑色の顔料で、かつて花火の材料に使われていたが、美しさと引き換えに毒性を含むことから幻となった。物語の舞台は創業330年の花火工場・帯刀煙火店。再開発による立ち退きの期限が迫る中、幻の花火<シュハリ>とそこで育った若者たちの未来をめぐる2日間の物語を描き出す。声優初挑戦となる若手実力派俳優の萩原利久と古川琴音がW主演を務め、等身大かつ瑞々しい演技で命を吹き込む。さらに、時代を代表する傑作を彩り続ける入野自由と、数々の話題作で圧倒的な存在感を放つ岡部たかしが脇を固める。
 
 
物語・・・
「その花火は、宇宙を切り取ったんだ――」
老舗の花火工場・帯刀煙火店は、町の再開発により立ち退きを迫られている。そこで育った帯刀敬太郎(萩原利
久)は、蒸発した父に代わり幻の花火<シュハリ>を完成させようと独りで奮闘していた。
夏の終わりの日、東京で暮らす幼馴染のカオル(古川琴音)が地元に戻ってきた。敬太郎の兄で市役所に勤める千
太郎から立ち退き期限が明日と知らされ、4年ぶりの再会を果たす3人。失われた時間と絆を取り戻すようにぶ
つかり合いながら、花火の完成と打ち上げを巡る驚きの計画を立てるのだが――。

幻の花火に託された希望と、その鍵を握る「花緑青」。火の粉が夜を照らし、新しい朝を迎えるとき、敬太郎たち
が掴むそれぞれの未来とは?
 
 
【花緑青(はなろくしょう)】とは
燃やすと青くなる緑色の顔料。しかし、その美しさと引き換えに毒性を含むため、現在ではほとんど使用されなくなった。
 

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<CREDIT>
萩原利久 古川琴音
入野自由 岡部たかし
原作・脚本・監督:四宮義俊
主題歌:imase「青葉」(ユニバーサル ミュージック/Virgin Music)
キャラクターデザイン:うつした(南方研究所) 四宮義俊
作画監督:四宮義俊 浜口頌平 美術監督:四宮義俊 馬島亮子 音楽:蓮沼執太
色彩設計:四宮義俊 水野愛子 齋藤友子 岡崎菜々子 撮影監督:富崎杏奈 特殊映像:SUKIMAKI ANIMATION
ストップモーション映像:Victor Haegelin CG ディレクター:佐々木康太郎
編集:内田 恵 音響監督:清水洋史 録音・調整:太田泰明
音響効果:中野勝博 音響制作:東北新社 アニメーションプロデューサー:藤尾 勉
製作:A NEW DAWN Film Partners
制作:アスミック・エース/スタジオアウトリガー/Miyu Productions
配給:アスミック・エース
©2025 A NEW DAWN Film Partners

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