監督：堀江慶『フェイクアウト！』クライム・エンターテイメント

羅生門スタイル『フェイクアウト！』

 
同じ時間軸を三つの視点から描く“羅生門スタイル”のクライム・エンターテインメント、映画『フェイクアウト！』がヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて6月20日(金)より全国公開となります。

   

監督：堀江慶

監督を務めたのは、真木よう子主演のベストセラー作品「ベロニカは死ぬことにした」で商業映画の監督デビューを果たし、映画作品、テレビ作品、ゲームCG、舞台作品など幅広い分野で活躍する堀江慶。数々の人気ゲームやCGアニメーションに携わる傍ら、インディペンデントで映画制作を行い国内外の映画祭での受賞歴もある片山直樹が企画・脚本を担当し、構想期間4年を要して完成させたオリジナル映画だ。

   

出演：三浦獠太、浅川梨奈

主演には、映画『言えない秘密』(24)、『赤羽骨子のボディガード』(24)、NHK朝ドラ「ブギウギ」などに出演し、2025年大河ドラマ「べらぼう～蔦重栄華乃夢噺～」で大河デビューを果たすなど、近年の活躍が目覚ましい映画初主演となる三浦獠太が抜擢され、恋人との幸せな未来を求めて、幾重にも重なる思惑の渦中で翻弄される純朴な青年・高島誠人を好演。

物語の重要なカギを握るキーパーソンを演じるのは、映画『かぐや様は告らせたい ～天才たちの恋愛頭脳戦～ファイナル』(21)、『おとななじみ』(23)、『赤羽骨子のボディガード』(24)、ドラマ「親愛なる僕へ殺意をこめて」、「大病院占拠」、「どうか私より不幸でいてください」、NHK連続テレビ小説「おむすび」など、様々な作品に幅広く活躍する浅川梨奈。

過去の因縁を背負うセンシティブな役どころをクールに演じ切っている。ストーリーが二転三転し、物語の視点が変わるごとに、今まで見えていた現実が全く違うものであることに気づく。本作を観た後は、もう誰も信じられなくなる⁉ 騙し騙されの全く新しいクライム・エンターテインメントが誕生した！
 

羅生門スタイル映画！

 
1950年公開の黒澤明監督の作品『羅生門』から始まる、同じ出来事について、異なる立場の人間がそれぞれの異なる証言、または目線で進行するストーリーテリング技法を用いた映画は多数存在。この“羅生門スタイル”（羅生門効果）とも呼ばれる語り口は、映画界に多大な影響を与え、海外では“Rashomon effect”として一般的な表現となっている。この技法を用いる作品はビリー・ワイルダー監督『情婦』(1957)、マーチン・リット監督『暴行』(1964)、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督『アモーレス・ペロス』(2002)、ピート・トラビス監督『バンテージ・ポイント』(2008)、邦画では内田けんじ監督の『運命じゃない人』(2005)や最近では是枝裕和監督の『怪物』(2023)など映画史に残る傑作揃いである。そんな“羅生門スタイル”を巧みに取り入れた緻密な脚本と、観る者を翻弄する演出力、映像表現のいずれを取っても高いクオリティを誇る、本作『フェイクアウト！』も、観客の想像力と判断力を試す知的エンターテインメントとして、映画史にその名を刻む可能性を大いに秘めた作品である。

『フェイクアウト！』

 
2025年6月20日（金） ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開！！
 
公式Xアカウント：
@fakeout_movie
 
公式サイト：
https://fakeout-movi e.com
 
あらすじ・・・
IT企業の警備員として働く高島誠人は、父親が残した多額の借金を知らぬ間に相続し、返済に追われていた。
恋人の清美へのプロポーズを控えた誠人は、「勤め先の機密データを持ち出せば100万円を払う」という知人の桝井からの依頼を受けることに。だが、そのデータが超高精度の≪AI株価予想プログラム≫だと気づくと、報酬の増額を要求する。これに激怒した桝井は誠人の妹･由衣を誘拐し、データとの交換を迫る。誠人は妹を助けるため、指定された場所へ向かうが、そこには桝井の遺体が転がっていた…。
 
物語が《誠人がデータを持ち出す前》に遡ると、データを巡り交錯する様々な思惑や、誠人を取り巻く人物たちの本性が明らかになっていく…。
果たして誠人は、この騙し合いの渦から抜け出せるのか？
 
渦巻く企み、罠、駆け引き、そして裏切り、壮絶な騙し合いの行きつく先は…