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東京国際映画祭にて水島精二総監督ティーチイン

福島県いわき市に実在するスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム、通称〔フラガール〕。そのフラガールの新入社員・夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)と同期の仲間たち、彼女たちを取り巻く人々との絆を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』が 12月3日(金)に公開となります!

そして、この度、東京国際映画祭にて水島精二総監督のティーチインが行われました!
TIFF東京国際映画祭_フラ・フラダンス
『フラ・フラダンス』東京国際映画祭ティーチインイベント
日時:11月6日(土) 16:40~17:10
場所:TOHOシネマズシャンテ(東京都千代田区有楽町1-2−2日比谷シャンテ)
登壇:水島精二総監督

第34回東京国際映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門での上映された本作。
毎回注目のアニメーション作品が上映される本部門ですが、今年は「温故知新」をキーワードに、特集「2021年、主人公の背負うもの」で‟アニメの現在“、特集「アニメーター大塚康生の足跡」で‟アニメの歴史”にフォーカスし、本作はその中の特集「2021年、主人公の背負うもの」のひとつとして上映されました。

前日11月5日(金)に行われたTIFF マスタークラス「2021年、主人公の背負うもの」にも渡辺 歩監督(『漁港の肉子ちゃん』監督)と共に登壇した水島総監督。そのイベントでは本作の主人公・夏凪日羽をどんな主人公として描いたか、アニメにおけるロケハン、そして脚本を務めた吉田玲子とのやりとりなど1時間半にわたって語りました。

物語を引っ張るタイプの主人公ではなく、周りが優しく応援してくれるようなちょうど良い塩梅で真ん中にいるキャラクターとして日羽を描いたという総監督。「いちばんフラフラしているのは日羽」と、今回挑戦した新たな主人公像を話します。また、日羽が背負うものや、日羽の姉との関係性についてどう描くかは、総監督と吉田玲子との打ち合わせの中で決まっていき、さらに作品の中盤での物語の舞台となるハワイアンズで働く人々の姿を映し出したシーンも吉田のアイデアであったことを明らかにしました。

そんな5日のイベントとは異なり、本日のティーチインでは、本作に込めた思いや製作秘話などここでしか聞けない話を観客とのQ&Aを混じえ、水島総監督にたっぷりと語りました!

映画情報どっとこむ ralph 観客のあたたかな拍手に迎えられ登壇した水島総監督。

まず、MCからの質問に答える総監督。

「始まりは、「ずっとおうえんプロジェクト 2011+10」のひとつで、“フラダンスを踊っている女の子たちの映画をつくりたい”というのがありました。そのお題があったので、そこから実際に現地にロケハンに行って、その中で得たダンサーや街の人、ハワイアンズの方達への取材を元に、“お仕事もの”にすることが、企画の趣旨にあったものが作れるなと思い、今の企画にまとまりました。元々、僕が周防監督の作品が好きで、「ファンシィダンス」や「シコふんじゃった。」など、みんななんとなく知っているけどあまり知らない題材で、そういう題材と共に主人公の描き方がとても面白いと思って、“お仕事もの”に憧れていました。」と本作の企画に携わった経緯を説明する総監督。
TIFF東京国際映画祭_フラ・フラダンス
吉田との脚本作りについて聞かれると、「シナリオライターが決まる前にロケハンに言って、“お仕事もの”にするというところで僕の手応えがあったので、そこからどんなキャラクターにするかなどのメモを作って、それを吉田さんに共有して提案して、脚本の骨格を再構築していたので、非常にスムーズに脚本つくりができたなと感じてています。僕のメモ自体は情報量が多いわけではなかったので、僕のメモのコメディ調が強かったものを、的確に最初のプロットから打ち返していただいたので、初手から信頼できるな、そりゃあお仕事のオファーいっぱいくるよな(笑)、と初めから感じられるようなお仕事をしてくださいました。」と語る。

また、作画に関して尋ねられると、「コントロールできるという自負があったので、作画とモーションを両方使うのが良いと思っていました。モーションをとってさらに手付けを直していくのですが、例えば練習中のシーンなどは3Dだと難しいので、作画で行ったり、他のステージでの動きはモーションキャプチャーではないのですが、ダンスをした動画を活用したり、と枠を決めてつくりました。」と話す水島総監督。
TIFF東京国際映画祭_フラ・フラダンス
また、キャラクターの描き方に関しても、「日羽は主人公としては物語をひっぱるようなタイプではないですが、応援したくなるような、不安さみたいなものを抱えている、どこにでもいるようなキャラクターというところが重要だと思っていました。強さも弱さもあるキャラクターを描いて、アニメならではのキャラクターではあるが、等身大であるということを意識しました。」と話す総監督は、好きなシーンについて「日羽にまつわるところは描きたかったところが描けていると思います。高校に登校するシーン、高校の同級生と話しているところ、こういったシーンはダンサーの日羽ではない時に、日羽がどんな子であるか、ということを描くのにコントラストがうまく作れたと思っております。」と話す。

ここで会場の観客からの質問に答えることに。
「ハワイアンズや水族館などの場所はどうやって決められたのか?」という聖地巡礼をしたいという熱い観客からの質問に、水島総監督は「取材の時にフィルムコミッションの方々に場所として映えるかというのは聞いていましたが、完全に僕と吉田さんが決めました。回った時には色々アイデアを持っていましたが、あまりにもありすぎると観光っぽくなってしまうので、結局ロケーションのシーンを落としたくらいです。とても素敵な場所なので、是非いわき市にお越しください!」と答える。

「ハワイアンズをうまく再現されていて、社長さんも写真通りでびっくりしました!(笑)日羽の失敗のエピソードなのですが、ハンガーで失敗してしまったところはどのように思いついたのか?」という質問には、「本当に過去にあったことのようです。取材の時に知りまして、映画オリジナルの部分もありますが、ロケハンの成果です。」という答えには会場から驚きの声が上がり、大盛況のままイベントは幕を閉じた。

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『フラ・フラダンス』

12月3日より全国ロードショー

公式サイト:
https://hula-fulladance.com

公式twitter:
@hula_fulladance

STORY
新入社員、夏凪日羽。
志望動機「みんなに”笑顔”を届けたい。」福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽。卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈、滝川蘭子、オハナ・カアイフエ、白沢しおんたち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。「史上最も残念な新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、恋、ダイエット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく―――。それぞれの想いを胸に彼女たちは今日もステージへ。笑いあり涙ありの新人フラガール成長物語。わたし、”フラ”を仕事にします。
「フラ・フラダンス」本ポスター

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<第34回東京国際映画祭 開催概要>

開催期間: 2021年10月30日(土)~11月8日(月)
会場:日比谷・有楽町・銀座地区
公式サイト:www.tiff-jp.net

<TIFFCOM2021 開催概要>

開催期間: 2021年11月1日(月)~3日(水・祝) 
公式サイト:www.tiffcom.jp

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総監督:水島精二「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム00」監督:綿田慎也『劇場版 アイカツスターズ!』「ガンダムビルドダイバーズ」
脚本:吉田玲子「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」『きみと、波にのれたら』
キャラクターデザイン:やぐちひろこ「アイカツ!」「UN-GO」
美術監督:日野香諸里『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』『ひるね姫 知らないワタシの物語』
色彩設計:大塚眞純「アイカツ!」『サイダーのように言葉が湧き上がる』
撮影監督:大神洋一「アイカツ!」「COWBOY BEBOP 天国の扉」
編集:坂本久美子「アイカツフレンズ!」「おそ松さん」
音響監督:木村絵理子『ペンギン・ハイウェイ』「機動戦士ガンダムUC」
音楽:大島ミチル「鋼の錬金術師」「のだめカンタービレ」
主題歌:フィロソフィーのダンス「サンフラワー」
制作:BN Pictures「アイカツ!」「銀魂」
配給:アニプレックス

©2021 TIFF

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