映画情報どっとこむ ralph 柄本佑主演・高橋伴明監督の、在宅医療のスペシャリスト・長尾和宏のベストセラー「痛くない死に方」「痛い在宅医」の映画化『痛くない死に方』は、日々仕事に追われ、家庭崩壊の危機に陥っている柄本佑演じる在宅医・河田仁が、大病院でなく在宅医だからこそできる医療を模索し、人と向き合うことを実践していく成長物語。

その完成披露舞台挨拶に、出演の柄本佑、坂井真紀、宇崎竜童、奥田瑛二及び監督・脚本の高橋伴明が登壇した。

柄本佑には、本作を『変身モノ』と呼んでいる理由、坂井真紀には、カメラが柄本さん向けの時は泣きまくったけれど、自分向けの時は抑えた話、宇崎竜童には、地毛の白髪でがん患者役を演じた話、奥田瑛二には、義理の息子との共演についての感想、高橋伴明監督にはご自身が台本に書いた川柳で、お気に入りの川柳は何かなどをお聞きしました!
1宇崎竜童、坂井真紀、柄本佑、奥田瑛二、高橋伴明監督『痛くない死に方舞台挨拶』
日付:2月2日(火)
会場:ユーロライブ 
登壇: 柄本佑、坂井真紀、宇崎竜童、奥田瑛二、高橋伴明監督

映画情報どっとこむ ralph 完成披露を迎えての想いを聞かれ、主人公の在宅医・河田を演じた柄本佑は、「高橋伴明監督の作品に出させていただくことは、夢のようなものでした。しかも主役という立ち位置で出れて、僕としては非常に幸せいっぱいな作品です。」と挨拶。

在宅で父親を介護する智美役の坂井真紀は、「私も佑君と同じように、伴明さんの作品に出れて、とても嬉しく、佑君含め、大好きな役者さんたちの中に今ここに立てていることがすごく嬉しいです」と感無量の様子。

    
末期の肝臓がん患者・本多役の宇崎竜童は、「(脚)本を読んだ時、面白いと思いました。本多という役は、ほとんど高橋伴明監督のキャラクターがそのまま生きている。僕は30代前半から伴明監督と酒場で付き合っているという仲なので、何を考えて生きているか、何をやらかしてきたかほとんど知っているので、そのままやればいいのだなと、一切芝居はせずに高橋伴明監督を体の中にそのまま持ち込んできてやらしていただきました。とても楽しく、あっと言う間に撮影が終わってしまいました。」と述懐。

主人公の先輩の在宅医・長野役の奥田瑛二は、「私は高橋伴明監督とは3本目で、前回の『赤い玉、』は、初老の男がこれからどう生きていくかという映画でしたが、今回依頼が来た時に、(マネージャーから)『映画のお話があります』『監督は誰だ?』『高橋伴明さんです』『あっ、わかった。そういうことで』と言い、『何がそういうことですか?』『だからやるってことだよ』『本は見なくていんですか?』『見なくていいんだよ』と。同世代を生きた者として、仲が良いということもありまして、『いいんだよ』と言うと、『一応本は読んでください』と言われ、本が届きました。『なんだおい、主役、息子じゃねえか。』と。義理ですけどね。これじゃあ伴明がやるのなら、一生懸命やらなくちゃいけない。さらに、義理の息子が主演ということで、状況が違う感じに突入しました。普段いい加減なわけではないですが、役柄も主役の先輩の役なので、今までにない、違う思いで取り組みました。」と熱い想いを語った。

脚本と監督を務めた高橋伴明監督は、「この映画をやって何よりもうれしかったのは、ここに並んでいる俳優さんたちが参加してくれたことです。かつ厳しい条件の中で頑張ってくれました。乗り切ってくれたスタッフにも感謝したいと思います。頑張りは作品として出せたんじゃないかと思っておりますが、判断をするのは観てくださった方々なので、思ったままに人に伝えていただければと思います。」と胸の内を吐露した。
 

本作の前半は、父親のために、痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したのに、父親が苦しみ続けてそのまま死んでしまう“痛い在宅医”のケースを描き、後半は、“痛くない在宅医”のケースを描いている。こういう構成になった理由を聞かれた高橋監督は、「渡された原作が『痛い在宅医』というタイトルで、本作の前半戦の重い苦しい展開ばかりの内容でした。お話は作れると思ったんですけれど、自分的には辛いと思いました。自分も65歳になった頃に、自分はどういう死に方をしていくんだろうということを考え始めまして、死に関する本を読むようになりました。在宅医の存在であるとか、日本尊厳死協会があるということは知っていたんですが、その苦しい前半戦に加えて、自分が今考えられる理想の死、こういう風に死んでいけたらなという思いを乗せたので、こういう構成になっています。」と説明した。

柄本は、原作者の在宅医療のスペシャリスト・長尾和宏先生の尼崎のクリニックに行って、往診に付いてまわった。「4軒位お宅に往診に行く際に一緒に行かせていただきました。長尾先生は、近所のおじさんが近くの道を通ったからちょっと寄ったというような感じで、目線を合わせるように座って話をするんですけれど、患者さんの腰なり手なりを握ってあげているんです。映画の後半、(河田が)患者さんに接する時に、触ってあげているということを取り入れました。」とのこと。

柄本は、本作を『変身モノ』と呼んでいる理由について、「(坂井真紀演じる智美の”痛い死”をきっかけに、奥田瑛二演じる先輩に師事する中で、)服装から髪型から見た目からあれだけ変わるので、2年の時を経てガラッと人が変わるというところで。」と説明。
ご自身の眼鏡を劇中で使用することを提案したそうで、「前半は白衣を着て、髪を七三に分けていて、後半は長尾さんのスタイルに寄せ、(白衣は威圧感を与えるので、)普通の格好に聴診器だけ持っていくというスタイル。衣装合わせが終わった時、伴明監督に『佑、メガネはかけなくていいよな』と言われて、『いいと思います』と答えたんですが、うちに帰って何かの時にいただいたメガネが目に入って、いい具合に冷たい感じがするなと思いました。後半白衣を脱ぎ、髪型がラフになるというのと、もう一つメガネをコンタクトとすることで、変身前後で、高低差が出ていいかなと思って監督に写メを送ったら『いいよいいよ』と言っていただけました。」と裏話を披露した。

坂井は、父親が苦しみ続けて死んでしまうという役。後半の”痛くない死に方”と違い、辛いシーンが多かった。撮影中の様子を聞かれ、「ひと事ではないシチュエーションですので、智美の役と同じような気持ちでいました。」と回想。

坂井が演じた智美が柄本演じる河田を前に、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、自分を責めるシーンの撮影では、カメラが柄本向けの時は泣きまくったけれど、自分向けの時は抑えたそう。その理由を聞かれた坂井は、「時を重ねた部分がどうなっているのかというのが自分の中でありまして、先生にぶつけたい気持ちもあれば、全部出しちゃいたくても、涙が枯れているんだろうと思って、テストの時にそうやりました」と撮影当時の考えを振り返った。

宇崎は、柄本が演じる河田が新たに担当することになる明るい末期がん患者の役。実は本編の白髪は地毛だそうで、「何十年もやっているこの髪型なんですけれど、(白髪染めに)25分かかるんです。病人になってもするだろうかと思ったら、しないよねと。25分間で宇崎を偽装するんです。それはあまりにも病人らしくないなと思って、衣装合わせに白髪染めも何もとってバサバサの髪で行ったら、『それでいいじゃない』と言ったんで。あまり人にお見せしたことがないんですけれど、あれが私の本当の白髪です」と告白し、そのかわいらしさに、会場は大爆笑!

訪問看護師役の余貴美子とのシーンが恥ずかしかったそうで、最初は「言いたくありません。」と恥ずかしそうに拒むも、「台本を読んだ時、一つだけ監督に、『あれ、お尻映さないでくれる?』とお願いしました。画面を見たらお尻は映っていなかったんですけれど、完全に余さんには丸見えだったんです。(笑)撮っている間中、恥ずかしかったです。」と繊細な心境を吐露した。

映画情報どっとこむ ralph 宇崎演じる本多が詠むユーモラスな川柳は、高橋監督が考えたそうで、特に気に入っている川柳を聞かれた監督は、下記の2句を挙げ、会場を沸かせた。

いうことを きかぬ嬶(ルビ:かかあ)と下半身

丸はげの 主治医勧める  抗がん剤

奥田瑛二が演じた長野は、柄本演じる在宅医の先輩という設定で、役者の先輩・後輩という実際の関係性にも近い。奥田は、「我が一族にはすごい俳優ばっかりですから、そこは普通に(撮影に)入って行きました。婿だからどうしようということはなくて。違う気持ちになるんですよね。何もしない、邪魔しない。つまり役同士で存在する。それってなんだろうという新しい境地にドアをノックしたみたいな、一言では説明できない位素敵な現場でした」と話した。柄本は、「以前奥田監督作品にも出させていただいたり、『赤い玉、』での共演もあったので、弟であったり、父であったり、妻であったり、役者さんをやっている方がいますけれど、1番ご一緒していると思いますので、フラットに現場にも入れました。」と振り返った。

奥田は、衣装を、ご自身の役のモデルである原作者の長尾和宏に寄せたとのことで、「ご覧の通り僕は八頭身でスタイルがいいんですけれど、そういう自我を出さないように衣装合わせに臨みました。(笑)最初に、高橋監督から、『ジーパンだから、ここは』と言われ、ジーパンを穿きました。かっこいいジーパンじゃありませんでした。(笑)シャツ、かっこいいシャツじゃありませんでした。(笑)何もムカっとせずに衣装合わせをしていたら、向こうから長尾先生がいらしたんですね。ちらっと黙礼をしたんですけれど、ずっと観察していたら、『なんだ意外と二枚目じゃないか。でもそれを俺が超えているから、高橋監督はちょっとファッションレベルを下げたんだな』というのが、本当の話です。」とユーモラスに話し、会場を笑わせた。

『痛くない死に方』の原作者で、奥田瑛二が演じた役のモデルである長尾和宏についてのドキュメンタリー『けったいな町医者』(2月13日〜2月19日にシネスイッチ銀座ほか全国順次公開)のナレーションは、柄本佑が務めた。柄本は『けったいな町医者』のみどころを聞かれ、「長尾先生一本です。楽しくて、おしゃべりがうまくて、愛情深くてという長尾先生が街を走り回って往診している姿が生き生きとしていて、楽しいんじゃないかと思います。ぜひ楽しんでいただければと思います。」とアピールした。

最後に、高橋伴明監督が、「コロナ禍の中での上映が20日から始まりますけれど、当然のことながら、苦戦が予想されます。よって、もし観て損はないぞと思われたら、いつもより数倍力を込めて、観て来いと言っていただければと思います。」と熱いメッセージを送り、舞台挨拶は終了となった。

映画情報どっとこむ ralph

『痛くない死に方』

2021年2月20日シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

公式サイト:
http://itakunaishinikata.com/
痛くない死に方_柄本佑
【STORY】
在宅医療に従事する河田仁(柄本佑)は、日々仕事に追われる毎日で、家庭崩壊の危機に陥っている。そんな時、末期の肺がん患者である大貫敏夫(下元史朗)に出会う。敏夫の娘の智美(坂井真紀)の意向で痛みを伴いながらも延命治療を続ける入院ではなく“痛くない在宅医”を選択したとのこと。しかし、河田は電話での対応に終始してしまい、結局、敏夫は苦しみ続けてそのまま死んでしまう。「痛くない在宅医」を選んだはずなのに、結局「痛い在宅医」になってしまった。それなら病院にいさせた方が良かったのか、病院から自宅に連れ戻した自分が殺したことになるのかと、智美は河田を前に自分を責める。在宅医の先輩である長野浩平(奥田瑛二)に相談すると、病院からのカルテでなく本人を見て、肺がんよりも肺気腫を疑い処置すべきだったと指摘される河田。結局、自分の最終的な診断ミスにより、敏夫は不本意にも苦しみ続け息絶えるしかなかったのかと、河田は悔恨の念に苛まれる。
長野の元で在宅医としての治療現場を見学させてもらい、在宅医としてあるべき姿を模索することにする河田。大病院の専門医と在宅医の決定的な違いは何か、長野から学んでゆく。
2年後、河田は、末期の肝臓がん患者である本多彰(宇崎竜童)を担当することになる。以前とは全く違う患者との向き合い方をする河田。ジョークと川柳が好きで、末期がんの患者とは思えないほど明るい本多と、同じくいつも明るい本多の妻・しぐれ(大谷直子)と共に、果たして、「痛くない死に方」は実践できるのか。
痛くない死に方_ポスター

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出演者  
柄本佑 坂井真紀 余貴美子 大谷直子 宇崎竜童 奥田瑛二

監督・脚本:高橋伴明  原作・医療監修:長尾和宏
制作:G・カンパニー  配給・宣伝:渋谷プロダクション
製作:「痛くない死に方」製作委員会
尺:112min  
©「痛くない死に方」製作委員会

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