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高橋伴明監督作品映画2020年冬。 |
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インタビューQ.渋谷ホームレス殺人事件については、NHKの特集で十分だと思ったそうですが、本作のオファーを受けた理由をお教えください。 主人公がなぜ殺されなくてはいけなかったのかを考えた時に、当然犯人の気持ちから考えたんですが、加害者が被害者を殴った理由が見つけられなかったんです。「こういうことだった」というNHKの番組を見て、これでいいんじゃないと思ったんだけれど、本作のオファーがあって考えたときに、主役にするのは「世の中の不条理」ではないかと考えたんです。それに自分なりに想いを乗せて表現できればいいのではないかというのと、怒りを自分の中では直接表現しないで封印してきたつもりなんだけれども、「もう怒ってもいいんじゃないの?」という気持ちになれたからオファーを受けました。 Q.大林三佐子さんの実話の映画化でなく、フィクションならばという思いがあったんですか? はい、嘘をつくということは自由になれるということなんです。 Q.柄本明さん演じるバクダンの「あんたみたいな若い娘がこんなことになってんのは、俺たちに責任があるんだろうか…」というセリフがありますが、伴明監督の考えでしょうか?当時やり残したという想いなんですか? そういう気持ちはあるけれど、そのセリフを自分が書いたのかは忘れてしまいました。「やらないで負けた」という気分が強いんです。どういう方法があればやれたのかというのは誰も答えを出せないと思いますが。 Q.伴明監督は、「映画でメッセージを伝える」という方法を選んだんですよね? 結果として、「せめて」という感じです。 Q.バクダン役にはどのような想いを込めましたか? 我々世代の一つの代表者ということだろうし、恨み辛みみたいなものは、個々が持っていると思うんです。例えば自分なんかがいまだに忘れられないのは、学生運動で逮捕した後に機動隊って殴るんですよ。警察は取り調べでその傷を見て、「お前、相当暴れてるな?」となってしまう。バクダンの台詞の中に、そういう想いを込めました。 Q.2021年に撮影した作品なのに、2022年に大きく話題になったセクハラ、パワハラ、生理の貧困なども取り上げられていますが、脚本の梶原さんのアイデアですか? 基本そうです。世の中の不条理を考えた時に、セクハラ、パワハラを描くのは自然だと思いました。 Q.キャストに関する撮影時の面白いエピソードは何かありますか? 柄本親子の押しかけ出演です。柄本明の方なんて、座長公演をやっている最中だったし、柄本佑だって全然スケジュールがなかったけれど、「なんでもいいからどうしても出る」って言って、当日衣装合わせをして、全体で30分もかかっていないと思うんだよね。 Q.読者にメッセージをお願いします。 絶対に観たらびっくりすると思います。「えっ、こうなるの?」という意外な展開を観てほしいです。 |
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『夜明けまでバス停で』10月8日(土)より新宿 K’s Cinema、池袋シネマQ.ロサ他 全国順次公開 『痛くない死に方』の名匠・高橋伴明監督の、「今、これを世の中に発信しなければ」という想いに、日本映画が誇るスタッフとキャストが集結。バス停で寝泊まりするホームレスに転落してしまう主人公・三知子役に『欲望』(2005)以来の映画主演となる板谷由夏、三知子の働く居酒屋の店長に大西礼芳、マネージャーに三浦貴大。石を振り上げる男・工藤武彦役に松浦祐也、居酒屋の同僚役にルビーモレノ、片岡礼子、土居志央梨。ユーチューバー役に柄本佑、三知子のアトリエのオーナーに筒井真理子、介護職員にあめくみちこ、古参のホームレスに下元史朗、あめくみちこ、根岸季衣、柄本明と、実力派俳優が勢ぞろいした。 主題歌には、全世界配信Netflixアニメ『BASTARD‼︎-暗黒の破壊神-』エンディングテーマにも起用され話題の、Tielleの新曲「CRY」が決定した。 公式サイト: 公式ツイッター: 公式Facebook: ストーリー |
板谷由夏
大西礼芳 三浦貴大 松浦祐也 ルビーモレノ 片岡礼子 土居志央梨
あめくみちこ 幕雄仁 鈴木秀人 長尾和宏 福地展成 小倉早貴
柄本佑 下元史朗 筒井真理子 根岸季衣 柄本明
監督:高橋伴明
脚本:梶原阿貴 音楽:吉川清之
主題歌::Tielle 「CRY」(ワーナーミュージック・ジャパン)
製作:人見剛史 小林未生和 長尾和宏 髙橋惠子
エグゼクティブプロデューサー:鈴木祐介 プロデューサー:角田陸 小林良二 見留多佳城 神崎良 佐久間敏則
撮影監督・編集:小川真司 照明:丸山和志 録音:植田中 美術:丸尾知行 装飾:藤田徹 衣装:青木茂
ヘアメイク:結城春香 VFX:立石勝
アクセサリー指導:ななし・水城 制作担当:櫻井陽一 助監督:塚田俊也
配給:渋谷プロダクション
制作会社:G・カンパニー
2022/JAPAN/ビスタ/5.1ch/DCP/91min
©2022「夜が明けるまでバス停で」製作委員会